逗子開成中学校 入試対策
2019年度「逗子開成中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問は3つ。ここ数年は漢字や言葉の知識・論説文の読解・随筆文の読解がそれぞれ割り当てられている。
素材文は2題で計5500~6000字と適度な文量である。総解答数は45問前後。選択肢・書き抜き・記述がバランスよく出題されている。
記述問題は30~70字ほど、あるいは字数指定無しで出されている。文中の適切な部分を用いてまとめられる場合が多い。
漢字・言葉の知識
配点の3分の1ほどを占めるので軽視できない。漢字の読み書きで15問、その他、ことわざ・慣用句、品詞や文学史などが出されている。覚えていれば得点できる部分なので、ひととおりは頭に入れておこう。
論説文の読解
例年、3000字前後の文章が使われている。人文科学・社会科学などの分野が多い。
要点・要旨を穴埋め・書き抜きなどで訊く問題が多く出されている。記述問題は文中の重要点をまとめることで答えられる場合が多い。本文を読みながら要点等をマークして、効率よく答えを探せるように工夫しよう。
説明的文章の読解の技術を高めておこう。
・段落の整理 形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。
・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。
・要旨 要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。
文学的文章の読解
ここ数年は随筆文の出題が目立つ。外国を旅した際の異文化との交流で感じたことがテーマになっている文章が多い。文章を読んだ感想や解釈を述べた文を設問で示し、内容についての理解を確認する問題がよく出されている。
記述問題は筆者の心情・意見を問うものが多く、必ずしも文中にはっきり示されていない場合もあるので、読解力が求められる。
文学的文章、特に随筆文の読解のコツをつかんでおこう。
・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
・心情の把握
人物の言動などから、気持ち・考えを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
・主題の理解
作者が伝えたかったことは何か。異国での経験・文化の違い・考え方の違いなど、よく取り上げられるテーマがある。読書を通じて筆者それぞれの物事の捉え方の違いや多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
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2019年度「逗子開成中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は43問。素材文は5700字ほどでそれほどの文量ではないので解答に時間を回せそうである。
記述問題は30~70字ほどで3問の出題。冒頭の知識問題を素早く終えて、その分を読解・記述に残せるようにペース配分しよう。
【大問1】漢字・ことばの知識
- 難度:標準
- 時間配分:7分
問一 ③ 独創(的)――独自の発想で作り出すこと。
⑨ 延べる――延期する。
⑪ 机上(きじょう)。「き」と読む熟語はあまり見かけない。
⑫ 徒党(ととう)――仲間・一味を組むこと。
問二 A. 意気投合・当意即妙
B. 馬耳東風・東奔西走(とうほんせいそう)
C. 一挙両得・自業自得
問三 ウ. ともに、専門家なのに自分のことがおろそかになっていること。
エ. 軽はずみに周囲の動きに合わせること。
【大問2】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:23分
- ★必答問題
多数決の問題点とそれを補う方法を述べている。
問二 係り受けは、直接つなげてみて意味が通じる部分を修飾すると考えればよい。「一般に――信じられています」
問三 「1位だけ選んで2位以下は評価しない」ということなので、表1の直後の(「各自がいちばん」としているものに投票)が合う。
問四 傍線部の「そう」は、直前の「多数決はいちばん~最良の方法だ」の部分を指している。多数決が必ずしも最良ではないという内容の箇所を探す。
問六 エは後半は合っているが「自分たちは当選できなくても」はおかしい。
問七 問題ⅰ 多数決は1位にだけ投票し、2位以下については評価できない。ダウダールールではすべての候補に投票者の評価が加えられる。
問題ⅱ 多数決では投票者の1位に対する評価だけが示され、その他の候補をどう思っているのかがわからず「1か0か」という極端な評価になりがちだが、ダウダールールではすべての候補を評価できるので、投票者の意見がより忠実に投票結果に反映される。
【大問3】随筆文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
友人・アヤコの楽観的な性格が引き起こす出来事が語られている。
問一 「~するやいなや」は「~するとすぐ」の意。
問二 楽観的――悲観的。
問四 正露丸をくれたという小さな親切に感じ入って自分の学校で主人公を雇ってしまう校長の性格・慣れない島での暮らしや専門外の教科の担当を明るくこなしてしまう主人公の気質を考えると……。
問五 急に島に行って臨時の職を得てそこに住むことを決めてしまったアヤコ。学生時代の専門は国語だったのに美術の授業の担当となったアヤコ。それぞれに対する友人としての心配とはどんなものだろうか。
問六 絵や陶芸といった本来の美術の技術は無いが、実際に教えているのは丸木舟の類の制作なので「問題ない」のである。
問七・問八 島でのおおらかな指導の仕方が都会の学校では通用しない。そのことにいちおう悩んではいるようだが「野蛮人みたいに言われる」などと本当に自分に非があるとも思っていないようである。主人公は、そんなアヤコが自分のやり方を変えそうもないと感じて、「苦労はまだまだ続く」と予想しているのだろう。
攻略のポイント
素材文がそれほど長くないのはありがたい点である。知識問題と読解問題のペース配分など、過去問で慣れておきたい。
試験冒頭の漢字とことばの知識は問題数も多く配点も大きいので、しっかり得点しないと損である。難問ではないので、標準的な教材をしっかりこなせば対応できるだろう。
記述問題は文中の手掛かりをもとにまとめられる問題が多いので、読解力をつけて字数に収める練習をしておこう。書き抜き問題も多いので、文中の手掛かりをすぐ探せる工夫もしておこう。
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