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筑波大学附属駒場中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2017年度「筑波大学附属駒場中学校の国語」
攻略のための学習方法

第1(出題形式について・・・前述と同様)

 出題形式は、ほぼ一貫している。年度による難易度の変化も(難易度が高いという意味で)、目立って異なることはないようにみられる。もっとも、算数で易化した年があることから、思い込みは厳禁である。各設問の難易度も(これもまた難易度が高いレベルで)平均しているので、各設問について50%程度の得点を(採点基準にまんべんなく触れ、0点の設問がないように)得ることを目標に学習し、いずれかの設問で加点をねらうべきである。

 詩・短歌・俳句がほぼ例年出題されるので、この分野の学習も怠りなくする必要がある。

 漢字については、ここでの失点は避けなければならない。日々の(毎週行われる小テスト)漢字学習を怠りなく消化するように心がけるべきである。

第2(記述式問題について)

 記述式問題については、その採点基準、すなわち出題趣旨を把握することが重要になり、これさえできれば合格点以上の点数を得ることが可能になる。

もっとも、筑駒については、この設問の入り口の部分のハードルが(極めて)高いという特徴がある。すなわち、設問が(不親切なくらい)シンプルなため、過去問を通じて筑駒の問題検討を入念に行わない場合、出題趣旨および出題意図が捉えられず、「何について」「どの程度」「どうやって書けばよいのか」が全く分からずに、あさっての答案を書いてしまう事態になってしまう可能性が高い。

これは、受験生のレベルが(極めて)高いため、他の中学校の記述問題にみられるような丁寧な誘導をしてしまうと、ほとんどの受験生が容易に解答をしてしまう可能性が高く、その結果、出題趣旨・意図の把握も、問題の中に織り込んで出題しているからだと思われる。

 さらに筑駒の国語の問題の難しさは、字数制限の厳しさにもある。すなわち、解答欄が小さい、すなわち書くことが許されている字数が少ないということである。麻布中学や武蔵中学のように大きな解答欄を与えてくれれば、出題趣旨・意図が正確にとらえきれない場合、採点基準に関係ありそうな事項を網羅的に数多く(言い方は悪いが、数を撃てば当たる式の考え方)書けば、その中のどれかが採点基準に引っかかることを期待できる。

しかし字数が制限されると、その方法は使えない。なぜなら、採点基準に含まれない事項を書けば、必然的に採点基準に該当する内容が書けなくなるからである。

したがって、筑駒を目指すのであれば、短い字数で解答できるように、具体的には、文章中の言葉の継ぎはぎではなく、文章中の内容を、自分の言葉でわかりやすく説明するトレーニングをすることが必要になる。

 以上をまとめると、極めて当たり前のことになるが、過去問を教材に、シンプルな設問からその出題趣旨・意図を的確に把握し、その内容を文章中の語句の継ぎはぎではなく、自分の言葉でわかりやすく説明する学習をできるだけ早い段階からすべきといういことになる。

第3(詩・俳句・短歌の出題)

冒頭にも述べたように、筑駒は、・俳句・短歌からの出題がなされる。この点、多くの受験生はこのジャンルの出題を苦手とする傾向があるが、その大きな理由は、学習分量の少なさにあると考えられる。

実際、このジャンルの問題は(筑駒といえども)一定程度限定された設問にならざるを得ない。その意味では知識問題に近いともいえるので、より多くの問題を研究して、いわゆる解答の枠を身に着けてもらいたい。

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2017年度「筑波大学附属駒場中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1は、松島俊哉著、「動物に心はあるのだろうか?初めての動物行動学」より「ましな方を選んでいくと~社会をつくる理由」からの出題。選択式問題1問および記述式問題が3問(目標時間15分以内)。

大問2は、小池昌代著、「黒蜜」より「雲雀」からの出題。記述式問題が3問。(目標時間15分以内)。

大問3は、漢字の書き取り1文(目標時間2分以内)。

大問4は、伊藤芳博作、詩集「他人の恋人であっただろう少女に」より「名乗るほどの者ではない」からの出題。記述式問題が2問(目標時間8分以内)。

【大問一】文章読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:15分

生物が仲間をつくるに際しての行動を、シャチとムクドリのえさの獲得を例に挙げながら、動物行動学上から考察し、わかりやすく説明している文章。これを題材に、選択問題および記述式問題がバランスよく出題されている。

本文は比較的短いので、概ね5分前後で一読・確認した上で、残り10分程度で、答案構成を行って、記述および解答することが望まれる。

1 傍線部①について、シャチが群れで狩りをする際の、群れの頭数と一頭当たりの獲得量の関係について、本文の記載を客観的に読み取ることが求められている(解答時間1分30秒程度)。

2 傍線部②の内容説明、すなわち「ましな方」を選ぶということを本文に則して具体的にわかりやすくかつ自分の言葉で説明することが求められている(概ね80字から100字程度、解答時間2分程度)。

3 傍線部③の比喩表現が、具体的にはどういうことなのかを本文に則して自分の言葉でわかりやすく説明することが求められている(概ね80字から100字程度、解答時間2分程度)。

問4 使用語句指定のある、空欄補充記述問題。空欄直後の「のに」との語句に注目して、簡潔に記述することが求められている(概ね15字前後、解答時間1分30秒程度)。

【大問二】文章読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:15分

雲雀のように、練習せずとも、生まれつき上手に歌を歌うことのできる智樹。一方、練習しても歌をうまく歌えない鈴世。智樹は鈴世を見て、驚き、不思議に思うとともに、孤独という点では共通であると認識する。概ね5分前後で一読・確認し、残り10分程度で答案構成および解答・記述することが望まれる。

問1 傍線①についての理由説明記述。本文に則して、客観的に読み取って記述する必要がある。(概ね40字から60字程度、解答時間2分程度)。

問2 傍線部②ついて、この表現の意味を、具体的にわかりやすくかつ自分の言葉で説明することが求められている。歌を歌うことについて、「雲雀」=「智樹」、「人間」=「鈴世」であることを対比しつつわかりやすく説明する必要がある。(概ね40字から60字程度、解答時間2分程度)。

問3 傍線部③について、その理由を説明することが求められている。主観的に理由を「考え」るのではなく、本文を客観的に読み、自分の言葉でわかりやすく説明する必要がある。(概ね50字から70字程度、解答時間2分程度)。することが求められている(制限時間2分程度)。

【大問三】漢字の書き取り

  • 難度:標準
  • 時間配分:2分

ワラう門にはフク来る」を楷書で丁寧に記載する必要がある。はね・とめ・はらい・全体の形、に注意しながら、減点対象にならないように注意深く解答してほしい(制限時間2分程度)。

【大問四】詩の読み取り

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

例年出題されている詩・短歌・俳句からの出題で、本年は詩である。ゲームセンターで恐喝事件に遭遇した高校生が、その場を収める一方、自分も規則違反をしているために、名乗らずにその場を立ち去る。ゲームセンター店主と、後にこの事実を知った生徒指導担当教師の心情について、それぞれ設問が設けられている。2分程度で読み込んで、各設問を2分程度で解答する必要がある。

問1 傍線部、すなわち店主が感激した理由を、本文に則して自分の言葉でわかりやすく説明する必要がある。ゲームセンター内で起こった事実を示しつつ、店主が真実を知らないことに触れながら説明することが求められている(概ね60字から80字程度、制限時間2分程度)。

問2 「僕」は当該生徒在籍高校の生徒指導担当であること、生徒が規則違反をしていること、規則違反をしているにもかかわらず逃げずに恐喝事件を収めたこと、規則違反のために名乗り出なかったこと、以上の事実を「僕」どのように思っているのかということ等を、バランスよく自分の言葉でわかりやすく説明することが求められている(概ね80字から100字程度、制限時間2分程度)。

攻略のポイント

1 出題形式は、ほぼ一貫している。年度による難易度の変化も(難易度が高いという意味で)、目立って異なることはないようにみられる。もっとも、算数で易化した年があることから、思い込みは厳禁である。

各設問の難易度も(これもまた難易度が高いレベルで)平均しているので、各設問について50%程度の得点を(採点基準にまんべんなく触れ、0点の設問がないように)得ることを目標に学習し、いずれかの設問で加点をねらうべきである。

2 詩・短歌・俳句がほぼ例年出題されるので、この分野の学習も怠りなくする必要がある。

3 漢字については、ここでの失点は避けなければならない。日々の(毎週行われる小テスト)漢字学習を怠りなく消化するように心がけるべきである。

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