桐朋中学校 入試対策
2017年度「桐朋中学校の理科」
攻略のための学習方法
桐朋中理科の出題は、塾のテキストや問題集でしっかり学習していれば十分対応可能な問題が並んでいる。単なる一問一答ではなく、実験や観察の結果を示したグラフや表の読み取り問題が多くなっているのも特徴である。
攻略のポイントとしては、各分野の知識を確実に身につけることがあげられる。あまりマニアックな細かな知識を問われることはないので、基本知識を早い段階で固めたい。
その上で、グラフや表を読み取らないと解けないタイプの問題の演習に時間をかけたい。演習に使う問題の選択については、家庭教師に相談して欲しい。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年は魚類の生態ついての出題であった。近年では、人のからだの働き、植物のつくりと働きなどについて出題されている。今後も人のからだ、植物、昆虫、動物など生物各分野に関しての出題が予想される。
この分野の学習法として、植物については、双子葉と単子葉の違いや光合成の働きなど基本的な知識を身につけておきたい。また、実験や観察を通して考えさせる問題の演習をしっかりおこなって欲しい。
地学分野 本年度は気温の変化に関する出題であった。近年では、やはり気温の変化、川の流れの働きなどの出題が見られた。今後は、季節の星座や星の動き・太陽の動き・月の満ち欠けなど天体に関しての出題も十分予想される。
この分野の学習法としては、気象(気温の変化、台風、フェーン現象など)・地層・岩石・天体など各分野の基本知識を確実に身につけて欲しい。特定の単元だけに的を絞るのではなく、基本をまんべんなく身につけることが大切である。
物理分野 本年は電気回路についての出題であった。近年では電気回路(手回し発電機)、物体の運動などに関する出題が見られた。今後も電気回路、力のつり合いを中心とした出題が予想される。
この分野の学習法としては、力のつり合いにかんしては基本知識を固めるとともに、てこや滑車のつり合い等の計算問題の練習をしっかり行って欲しい。電気回路については、豆電球の明るさを中心に、手回し発電機、電磁石、方位磁針の振れ、電熱線の発熱についても基本的な問題は確実に解けるように練習して欲しい。
化学分野 本年度はろうそくの燃焼とものの溶け方に関する出題であった。近年では、中和反応、金属と水溶液の反応、溶解度などに関する出題が見られた。今後も同じような単元からの出題が予想される。
この分野の学習法としては、まずは、水溶液や気体の性質、指示薬の色の変化など基本的な知識を確実に身につけて欲しい。さらに、中和・水溶液と金属の反応・金属やろうそくの燃焼・溶解度に関する問題演習をしっかり行って頂きたい。特に、計算問題の練習は十分に行いたい。
桐朋中入試で合格点を取れる力を身につけるためには、まずは夏休み中を目途に各分野の基本の学習を終えておきたい。 そのうえで、9月以降は過去問や苦手単元のさらなる学習、グラフや表の読み取りを含む総合的な問題演習にも時間をかけて欲しい。模試や総合的な演習は、まだ仕上がっていない分野を見つける絶好のチャンスでもある。
できていない問題については、なぜ間違えたのかの分析をしっかり行い、苦手分野の克服につなげて欲しい。苦手分野の確認や克服に関しては、家庭教師を有効的に利用して頂きたい。
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2017年度「桐朋中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は20題程度で60点満点。試験時間は30分で例年通りであった。
適語を答える問題、記号選択問題が中心で、計算問題や記述問題もあった。標準レベルの問題が中心だが、ややレベルが高く思考力を必要とする問題も見られた。
テスト時間が30分と長くはないので、できる問題から確実に解答欄を埋めていくことが求められる。
【大問1】 物理 電気回路
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
問1 アルミはくA・アルミはくC・金属棒が接しているので、電球①が点灯する。
問2 1回転する間に2回点灯する。1分間に20回転するので、2×20=40回点灯。
問3 アルミはくE・アルミはくF・金属棒が接しているので、電球①だけが点灯する。
問4 金属棒がアルミはくEとFに接しているときは①だけ、FとGに接しているとき は②だけ、EとGに接しているときは①②両方が点灯する。EとFに接している
のは60度分、FとGに接しているのは15度分なので、4:1になる。
問5 EとGが接しているのは30度分なので、①が点灯しているのは90度分。
従って①が点灯している時間と点灯していない時間の比は90:90=1:1
問4と問5は思考力を必要とするやや難しい問題。問1~問3は確実に正答して欲しい。
<時間配分目安:8分>
【大問2】化学 燃焼・ものの溶け方
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
問1 酸素には助燃性がある。空気が入った集気びんに比べて酸素のみが入った集気
ビンの中の方がろうそくは明るく、激しく燃焼する。
問2 ろうそくは水素と炭素からできている。水素が燃焼すると水蒸気ができるが、
酸素だけの集気びんの中の方が水蒸気は多く発生し、くもる度合いが大きい。
問3 難問。結晶硫酸銅を容器の上の方につるすと、溶けた硫酸銅水溶液が容器の底
に沈み、結晶硫酸銅のまわりの濃さがあまり大きくならないので、早く水に溶
けることになる。
問4 結晶硫酸銅に含まれる無水硫酸銅と水の重さの比が16:9になるので、無水
硫酸銅20gを含む結晶硫酸銅の重さは31.25gになる。
問3の記述と問4の計算は難問。問1と問2のろうそくの燃焼に関する問題は確実に正答したい。
<時間配分目安:9分>
【大問3】生物 魚類の生態
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問1 羽毛を持つのは鳥類のみ、その他の性質は魚類にもほ乳類にも共通してみられる。
問2 ほ乳類は肺で、魚類はえらで呼吸する。
問3 図1より、メスの体長が大きいほど体内の卵数が多いことがわかる。
問4 表1を読み取り、割合の計算を行えばアとイが正しいことがわかる。
問5 表1よりAが最も大きく、Dが最も小さいことがわかる。またCとDの大きさ
はさほど変わらないと考えられる。
問6 たて軸が「処理時間÷エサの重さ」であることに注意する。体長の小さな魚では、処理時間÷エサの重さが大きくなり、多くのエネルギーが必要となる。
問7 体調の大きな魚では、エサの重さに関わらず「処理時間÷エサの重さ」が小さく、エネルギーをあまり使うことなくエサを食べることができることがわかる。
問1・問2は基本知識の易問。問3以降はグラフや表の読み取り問題。図2の理解がやや難しいが、全体的に落として欲しくない問題が並んでいる。
<時間配分目安:7分>
【大問4】地学 気温の変化
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問1 日なたで温度を測るときは、太陽の光により温度計自体の温度が上がらないよう
に、太陽光をさえぎるようにして測る。
問2 日較差の大きな図1が日なたの温度変化である。
問3 太陽光が地面を暖め、地面が空気を暖める。従って、地面の温度が最も高くなり、
地面付近の気温、地上から1.5mの空気の順に高くなる。
問4 湿った地面では、水分が蒸発するときに熱を奪うので、温度上昇が鈍る。
問5 黒い土は太陽光の熱を吸収しやすく、温度が上昇しやすい。
グラフの読み取り問題ではあるが、知識あれば解答できる標準レベルの問題が並んでいる。
<時間配分目安:6分>
攻略のポイント
大問1・大問2に計算問題や思考力を必要とする問題が配置されているが、全体的には知識がしっかり定着していれば正答できる標準的な問題が並んでいる。
また、グラフや表の読み取り問題が多く、例年の傾向通りであった。グラフの読み取り自体は決して難しくないので、落ち着いて取り組んで頂きたい。
本年の出題を見ると、前半に物理分野・化学分野、後半に生物分野・地学分野と並んでいる。試験時間の30分の使い方として、自分の得意な分野から解答欄を埋めるといった工夫も必要であろう。
本校の理科を攻略するためには、まずは各分野の基本知識を確実に固めることが必要不可欠である。できれば夏休みまでを目途に、各分野の基本をしっかり固めたい。
その上で、グラフや表の読み取りなど、出題傾向に沿った問題の練習を厚めに行って欲しい。また、簡単な記述問題の練習も行って頂きたい。
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