西武学園文理中学校 入試対策
2022年度「西武学園文理中学校の算数」
攻略のための学習方法
[基本的な前半と手強い後半]
西武文理中学の算数は、かつてははじめから難問が並ぶという、今でいう「栄東(東大選抜)」のような水準の問題だった(西武文理は客観式の解答用紙だったが)。時間の経過とともに以前ほどの難問レベルは影を潜めたものの、テストの前半を占める「基礎~中程度」の問題と後半の難問を含む問題では多少難易度に幅があるようだ。通常テストというのはそのように出来ていることが多いが、西武文理はそのギャップがいささか大きく、合格を第一義に考えるのであれば、前半の問題をそつなく正解し、他科目での落ち込みをなくせばその希望は果たせるだろう。ただ、なんとか算数で点数を稼ぎたいと言うことになると、後半の問題群も無視することは出来ず、いくらかでも正解して得点を重ねておきたいところだ。
[まずは前半攻略を]
この時期、受験勉強をしっかりと積み重ねてきていれば【大問1】の計算問題から【大問3】【大問4】くらいまでは高い確率で正解できているものと思われる(2018年度【大問3】(3)は難問)。
ここまでで問われているのは、どの分野に関してもまんべんなく解くことが出来るという基本的な力の確認であって、受験生それぞれのカリキュラムに沿ったまとめのテキスト、たとえば「四科のまとめ」のような典型題を総ざらい出来るテキストを一通りやり終えて自分のものにしておければ大丈夫だろう。これは受験生としては義務に近いノルマであって、誰もが仕上げた上で受験に臨むと思われる。
分野で注意したいのは「平面図形」で、5年生あたりで習う「角度」「面積」など、受験時代の前半に習う単元もきっちり出来るようにしておきたい。
[後半の難問はねばり強く]
2020年度だと【大問5】【大問6】、2018年度は【大問5】【大問6】、2017年度であればやはり【大問5】【大問6】は基本レベルを超えた、応用力を必要とする「やや難」レベルの難問と言えよう。さらに、2018年【大問3】の(3)、2017年【大問4】の(1)も後半の大問に匹敵する難度を持っている。
これらの問題を克服し、算数で80点以上の点数をとる戦略は生徒それぞれの判断に任せて良いと思う。
算数が得意な生徒には、解いていけないというほどの高難度ではないし、東京の学校を第一志望としている生徒にとっては格好の練習材料となるだろう。入試問題集を集めたものや塾などの応用問題集を解くことで全問とはいかずともねばり強く条件を整理できれば正解にたどり着くことが出来るだろう。
算数で無理をして点数を取らなくても良い生徒の場合、4科目のバランスがよい、または、算数が少し苦手である、という場合はあまり深追いしない方が良いだろう。【大問4】までをきっちりと解いて、あとは見直しにあてるというのも合格するための戦術であり何も恥じることはない。
テスト攻略に対するそれぞれの意識は違ってはいても最後まで努力を続けてとれる問題を増やすと言うことには変わりはない。悔いのないよう受験勉強を完遂しよう。
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2022年度「西武学園文理中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
テスト時間は50分で大問は5問、【大問3】~【大問5】では式・考え方を書かせる欄があるので分量としてはちょうど良いというところで、本年度であれば問題が平易であったため時間が足りなくなると言うことはなかったと思われる。
また、ふだんから客観式のテストになれてしまっている生徒は少し特訓して「必要十分」な式・答えを書けるようにしておこう。
【大問1】計算問題・数の性質
- 難度:易
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)計算のきまりにしたがって、「×」「÷」を先に計算する。いきなり7から2をひいたりしてはいけない。
(2)17という数に注目して式をまとめると(110-20+10)×17とすることができる。
(3)分数の簡単な計算で、ここでは( )内の計算を優先する。
(4)36の約数を書き出していき、加えていくという方法しかない。1と36を忘れずに。
(5)も平易な逆算で25×2÷5で( )内の数値が求まる。
【大問2】素因数分解・消去算・場合の数・割合・面積
- 難度:易
- 時間配分:10分
- ★必答問題
どの問題も「易」レベルの問題でこれまでも解いたことのある典型題ばかりなので、全問正解して先に進みたい。
(1)2022は2で割れるから割って1011、1011は1+0+1+1が3になるので3で割れる。□は3つしかないのでこれでおしまいである。
(2)A+B=50,B+C=70,C+A=80の3つの式をそのまま加えるとA+B+Cの2倍が求まるので2でわってA+B+Cの値を出す。あとはそこからB+CをひけばAが残る。
(3)正方形、たてに長い長方形、よこに長い長方形などの形があるのでそれぞれ図をなぞって(または1×2は6個と言うように調べる)調べていけば良い。
(4)底辺と高さをそれぞれ1とすると、1×1÷2=0.5となる。ここで、底辺を1.2、面積を(0.5×1.14=)0.57としてあてはめ、逆算して高さの割合を求める。ただし、何%短くなっていますか、なのでその数値をそのまま答えに書かないこと。
(5)これも典型題中の典型題で、四分円の面積と長方形の面積が等しいことから長方形の辺COを求めれば良い。
【大問3】場合の数(トーナメント)
- 難度:標準
- 時間配分:10分
トーナメント戦の図が与えられ、ここから最も少ない試合数で優勝する、と最も多い試合数で優勝する、などを求める。いわゆる「敗者復活戦」が存在するので、そこにこの問題のユニークさがあり、あまりそういうシステム(敗者復活戦)を知らないと少し難しいかもしれない。
(1)グループAまたはBの1位のチームが♯4、♯7、♯10の試合に勝てば優勝するので試合数や勝敗数も求まる。
(2)最も多い試合数で優勝する場合は1通りではないので、(1)以外の優勝の仕方を考えれば良い。グループA,Bの2位・3位のチームはトーナメントを無敗で切り抜けても4回試合をしなければならない。それより多い場合があるかどうかを調べることになる。
たとえば、♯3で負けたチームは♯1か2で勝ち、♯3で負け、♯5で勝ち、さらに♯6、8、10と6試合戦う…というのが最多である。
(3)2敗してしまうと優勝のチャンスはなくなってしまう。
【大問4】速さ
- 難度:易
- 時間配分:10分
- ★必答問題
速さの問題と言っても、「海里」「ノット」などあまり使われない単位を用いた単位換算の内容が大半を占めている。
(1)1海里は何mですか、と問われているので地球の円周を40000×1000でm単位に直し、21600で割ればよい。
(2)では逆に時速何kmと問われているので、(1)の答えを1000でわって20をかける。
(3)(2)で求めた大型客船の時速で1036をわれば港Aから港Bまでかかった時間が求まる。1日以上かかっているので何月何日かを答えるときには気をつける。
【大問5】立体図形(体積)
- 難度:標準
- 時間配分:10分
立方体に1つずつ穴を空けていく問題である。解き方は一貫していて、立方体の体積から穴の対積を引くわけだが、(1)から(3)まで、穴が作る立体の対積を求めて引いた方がわかりやすい。
(1)2×2×10の体積を引く。
(2)穴が作る2つの直方体を図示して、たとえば、4×4×10と2×2×(10-4)の和が穴が作る体積として立方体の体積から引く。
(3)ほぼ同様だが、3本の直方体が合わさっているので複雑さは増している。本年度の最難関問題かもしれない。
攻略のポイント
テスト時間は50分で100点満点。
科目ごとの合格最低点・平均点などは発表されていないが、4科目の合格ライン(平均60%以上、特待だと63%以上)からみて、この水準のテストであれば70点以上はとれる力をつけておきたい。
テストの傾向が二極化していて、2021年度・2019年度のように「平易な問題だけで完結する」ときと、2022年度・2020年度・2018年度またそれ以前のような、「後半に難問を含む構成になる」ときがある。いずれの場合もポイントは前半の標準問題を落とさずにしっかりと解けるかどうかなので、レベルの差こそあれその点が合否を分ける鍵となる。また難度の高い設問を含む年にあたった場合は、問題の取捨選択能力を問われる。
本番で、合格点はクリアしたい生徒は標準的な問題を集めた問題集を仕上げること。また、算数で点数を大きくかせぎたい生徒は難問が含まれた応用問題集まできっちりと解きこなして100点を目指してみよう。
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