西武学園文理中学校 入試対策
2022年度「西武学園文理中学校の理科」
攻略のための学習方法
[物理・化学の前半と生物・地学の後半]
得意な分野から手をつけて、余裕を持ってテストを終わろう。というのが、西武文理中学の理科に対する合格必勝法だ。
大問4問のうち、【大問1】【大問2】は物理・化学からの出題、【大問3】【大問4】生物・地学からの出題とテストの形式が決まっている。
前半の大問には計算を要する問題も含まれ、手強い気がするものの受験生によって得意・不得意分野はまちまだと思うので、最初に書いたように、計算上等と手ぐすねを引いている受験生は【大問1】から、どうも計算が入るといけない、という受験生は【大問3】から始めるとテスト時間が有効に使えることだろう。
算数は冒頭の計算問題から、国語は漢字の書き取りからのような基礎からテストに入っていくというルートがある程度見込めるものの、理科の場合ははじめに一行問題でもない限りどの大問が易しくどの大問が難しいとは解いてみないとわからない。【大問1】がもっとも難しく最後の大問がもっとも解きやすいことも往々にしてある。少なくとも当校の場合、2018年度・2017年度とも後半の方が解きやすいと感じた。
分野の好き嫌いは別とすれば、後半から手をつけた方が精神的に余裕が持てるのは間違いない。
[じっくりと、正確さを大切に]
またこの学校の場合、テスト時間が社会と合わせて60分となっており、その半分が理科に使えるとすると30分、その間に大問4つと小問20前後を解いていけば良いことになる。これは単純に比較して他校の問題よりは時間にゆとりが持てる作りになっている。
時間に追われて焦ることはないと言うことだ。
おそらく公開模試と比べても問題文をじっくり読み、よく考えて答えることが出来るはずだ。しかも問題文自体が長くなく、知識問題もシンプルに問われている問題が多いので、30分以内にすべて終えることができる可能性が高いと思う。
しかしそれは他の受験生でも同じことで、解きやすいテストは誰にも解きやすいものだ。そこで正確さが大事になる。理科は分量も少なく問題もあまり難しくない。合格を考えるとき、できれば理科で得点を重ねておきたい。それには、早く解くより正確に解くことを第一義に考えてテストに臨みたい。
[前半計算問題の難易度]
たまにユニークな出題(2018年度【大問4】の問2・問4・問5、2017年度【大問1】の問5など)があるとはいえ、知識問題はおおよそが過去勉強してきたテキストの域を出ない、履修済みの内容である。ここはしっかりと正解できるのが受験生の義務だろう。
そうなると、ポイントは計算問題の難易度になるわけで、どの程度までおさえておけば良いか、ということだ。
2018年度の問題には、正直これといった設問は一つも存在しない。計算が苦手、という受験生でもこれならば解ける、と愁眉を開かせる問題がほとんどだ。
ところが2017年度になると【大問1】の問3・問4、【大問2】の問3、さらに【大問4】の問5、と標準またはそれ以上の難度を持つ問題が結構出ている。
これらの設問にすべて答えなくてはいけないと言うことはもちろんないが理科で点数を積み上げておきたい受験生は、うすくてよいので計算問題に特化した問題集を1冊くらい仕上げておくと良いだろう。本年度のように空振りという可能性もあるが、例年のようなテスト内容であれば必ず得点のアシストをしてくれるはずである。
基本的知識を定着させた上で計算問題への対応力も身につけておけば合格はおのずから手に入るものと確信させられる。
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2022年度「西武学園文理中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
テスト時間は社会と合わせて60分で、理科だけに与えられた時間は30~35分くらい。本年度のレベルであれば30分あれば十分に解くことが出来たと思う。
大問は4問で小問の数は20前後、大問のリード文も本年度は通常の入試問題と差がなかったのでますます余裕を持って取り組めたことだろう。しかしまた大長文問題が復活しないとは限らないので、その覚悟で対策には取り組むベ気である。
【大問1】豆電球・LED
- 難度:易
- 時間配分:7分
- ★必答問題
受験生には「電気」関係の分野は苦手な生徒も多い。それが【大問1】から出題されたのであるからずいぶんとあせったことだろうが、LEDの内容も含めてきわめて「易」レベルの出題であり取り組みやすい内容になっている。むしろ最後の記述問題の方が悩んだかもしれない。
問1・問2は「ショート」する回路について問われたもので、ここではまだ乾電池と豆電球しか扱われていない。ご存じの通り「ショート」する回路とは、乾電池から流された電流がていこうのあるもの(豆電球・LED・電熱線)などを通ることなく、直接ふたたび乾電池にもどってしまう回路のことである。ここでは、図3、ず6がそれにあたる。図5は似ているものの乾電池並列のかたちである。
問3はLEDの性質を聞かれている。専門的なことを応える必要はない。この実験で用いられている発光ダイオード(LED)には、長い線と短い線がついており、図7から電流が長い線からはいるときは光り、図8から電流が短い線から入ると光らない。このことから、LEDには豆電球と異なり、電流を一方向からだけ流すことが分かる。
したがって、問4ではアは電流が下の導線を通り、イでは短い線とつながっているので光らず、ウのみが光ることになる。
問5では、LEDの利点である「発熱が少ない」を逆手にとって答えることが出来る。東北地方や北海道の気候が他の地方に比べてどのような特徴があるか、また、信号機は昼夜ついていないといけないことなどから答えが推測できる。
できればここは全問正解したい。
【大問2】塩酸の性質
- 難度:標準
- 時間配分:9分
塩酸について、計算問題も含めていろいろ答える問題になっている。計算がやや複雑なので「標準」扱いだが、聞かれている内容は「易」レベルである。
問1は塩酸が酸性の水溶液であることが分かっていなくてはならない。その上でBTB液の偏食を見る。BTB液はもともとが緑色であり、酸性・アルカリ性の水溶液の時には変色する。
問2は問題文がわかりにくいが、ようするに5%のうすい塩酸をつくるためには、35%の塩酸が何g必要になるか、ということである。200×0.05から溶けている塩化水素の重さを出してといても良いし、35%と5%という割合から溶くことも出来る。いずれの場合も割り切れないので問題の指示通り四捨五入して答える。
次からは、塩酸とそれに溶かした金属、さらに発生した水素を用いての問題に移る。
問3では、アルミニウム0.50gを溶かすと水素は640cm3発生するので、水素を1000cm3発生させるためにはアルミニウムが何g必要になるか、という比例の問題である。0.50:x=640:1000、比例式で表すとこのようになる。もちろん分数を用いた割合式でも良い。この設問も割り切れないので四捨五入に注意する。
問4はもう少し複雑で、まずアルミニウム0.30gから発生する水素の体積を求めると、640ので384cm3である。混ざったものから発生した水素784からこの384をひくとマグネシウムから発生した水素の体積が残る。うまい具合に残るのであとは比例の問題として解く。
問5は典型的な時事問題である。日本ではガソリンカーが優勢であるが他国ではEVや水素を燃料とした自動車が注目されている。もういやというほど答えてきた設問だろう。ただ、いつまでたってもマスクを大切につけている民族ではあるので、はたして新しい車に飛び移れるかどうかは疑問だ。
【大問3】植物(葉)
- 難度:易
- 時間配分:7分
- ★必答問題
生物分野本年度は植物、特に葉のはたらきに特化して質問されている。後半はややユニークな設問も見られる。
問1は知識問題で、ヒマワリの葉は幹から互い違いに出ている。「互生」と呼ばれる付き方だ。同じところから出ているアの「対生」とは対照的だ。
しかしいずれの付き方も問2の答えの通りで、「どの葉にも日光が当たるように」工夫しているのである。
問3は葉の種類について聞かれているが、ある程度の結論は問題文にあるので、算数で言うところの直方体の体積と表面積の問題と類似している。算数のそれ、と考えるといかに基本的な問題であることが分かるだろう。聞かれているままに計算し答えれば良い。
問4は問3の数値をふまえて答える問題で、最終的な結論は受験生に委ねられている。図5の葉を持つ植物の方が光合成・蒸散ともに活発で養分を作る力が強いことは明白である。
【大問4】日食・月食
- 難度:易
- 時間配分:7分
- ★必答問題
日食と月食に関する長めのリード文があり、そこから設問が発生している。
問1は下線部①にある数値を参考にして地球から月までのきょりを求める。太陽・月の直径と、地球から太陽・月までのきょりは比例している(同じ大きさに見えるから)から、3500:1400000=x:150000000となり、xを答える。もちろん分数で表しても良い。
問2も近年おなじみの設問で皆既日食と金環日食の違いについての知識が必要となる。ポイントは太陽をかくすことになる月と地球とのきょりである。
問3は超基礎的な知識で、ここを間違えているようではなかなか日は昇らない。
問4も問3同様、しっかりと覚えておきたい知識。
問5は図3から、地球の大きさと月の大きさを比べてはどうか。
2022年11月8日には皆既月食が起こることになっている。来年度も狙われそうな分野である。
攻略のポイント
合格点などが発表されていないので明確な合格点は書けないものの、理科では60点中40点とれれば合格に対して必要十分な点数と言えるだろう。
【大問1】~【大問3】は総じて基本問題なので高得点が期待できる。ただし、【大問3】問5は記述問題で本年度の中では高難度の設問である。【大問4】は計算問題を含むやや難度高めの地学の問題になっている。
まずは基本的知識をどの分野でもまんべんなく自分のものにしておくことが大切である。と同時に標準的な計算問題もまた手がけて自分のものにしておくこと。また、この学校特有の出題傾向(長文・ユニーク設問)にも慣れておく必要がある。これらのことをやりとげることで、合格に十分な点数は取れるようになるだろう。
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