西武学園文理中学校 入試対策
2019年度「西武学園文理中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は4~5つ。大問1と大問2が論説文の読解と小説の読解、大問3~5が四字熟語・慣用句・漢字の読み書きなどの言語事項という形が、ここ数年続いている。
素材文の字数は計8000~10000字ほど。総解答数は25~30問。設問は選択式と抜き出しが多い。「文中の語を使って」書く問題も数問出される。
[説明的文章の読解]
社会科学・人文科学の分野からの文章が多い。一般に向けた説明的随筆文が多いので、難解な用語などはなく、読みやすい。読解力があれば、十分に得点できるだろう。
説明的文章の読解の基本を身に付けよう。
・段落の整理
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。
・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。
・要旨
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。
[文学的文章の読解]
学生・生徒が主人公で、主人公の視点で描かれた小説が多く用いられている。受験生と年齢が近いので、その言動や気持ちも理解しやすいだろう。適切な読解力があれば答えられる問題がほとんどである。
文学的文章の読解の技を練習しよう。
・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
・心情の把握
人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
・主題の理解
作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
[言語事項]
試験の最後にまとめておかれている。まずここから解き終えて読解問題に進むのが良いだろう。
四字熟語・ことわざ・慣用句とその意味などが出題されている。漢字も読みと書きの両方が出されている。いずれもことばの知識や漢字練習帳などで見たことのある内容である。教材をしっかりこなして、ぜひミス無しで満点を狙いたい。
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2019年度「西武学園文理中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は29問。選択肢問題と書き抜きが多く、いわゆる記述問題はここ数年は出題されていなかったが、2019年度では1問出題された。
本文を読むスピードがあれば時間は足りるはずである。分速600~700字くらいで読めれば、考える時間も十分残せるだろう。
【大問1】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:21分
「優先席」の押しつけがましい姿勢やガラス張りのホームの過保護さについて異論を唱えている。
問1 B. 「意志の発動にはそれぞれに限定条件がある」「人間性といってもいろいろである」と、「それぞれ」「いろいろ」なことを並べているので、「また」が入る。
E. 「ない方がいい」か、「あるいは」「あってもなくても同じである」のどちらかということである。
問2 抱いた「違和感」について人々に「問いたい」のは、優先席の持つ「押しつけがましい姿勢」であると述べている。ここが「違和感」の原因・対象である。
問3 「公共空間を移動するのに実質的に役立つような施設」はいいものであると述べている。例としてエレベーターが挙げられているが、「ホームの点字ブロック」も条件に当てはまるので、エとオを選ぶ。
問4 傍線部を簡単に言えば、「普通」は「思わず(自然に)」「援助してしまう(同情や親切心)」ものだということである。数段落後の「自然な接触による自然な同情心の発露」が同じ内容を表しているが、字数が合わない。さらに数段落後にもっとまとめて「自然な同情や親切心の発露」があるので、ここなら字数も合う。
問5 文末で「ホームのガラス張り」の「過保護さ」を問題視している箇所がある。そこで詳しく説明しているので、五十五字で抜き出す。
問6 「窮屈な道徳的圧迫」とは、弱者はこちらの本心を押し殺してでも助けねばならないという心理的強制といったことであろう。選択肢ウだけ、そうした圧力に対する反発であり素直な本音である。
問7 選択肢エが第十二段落に、選択肢オが最終二十段落に述べられているので合っている。
【大問2】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:21分
- ★必答問題
イジメにあい、万年筆を盗んだ犯人に仕立て上げられてしまった主人公とその母親の悔しい気持ちが描かれている。
問1 「暗示」であるから、はっきり示されている部分ではない。暗い気持ちや嬉しい気持ちを黒い雨雲や快晴の空で表すような「情景」による心理描写が小説ではしばしば用いられる。ここでも、嫌なことが起こりそうな予感が「雨の降りだしそうな黒い雲」によってそれとなく示されているのである。
問2 「私のことを信じてくれる人なんて、きっとどこにもいないのだ」という気持ちが絶望感であろう。
問4 ランドセルから音がしたことで、だれか(おそらくは自分にいじわるをしてくる生徒たち)が万年筆を自分のランドセルに入れたことが予想されたのである。
問6 傍線部は、母親が先生から主人公が犯人だと話を聞いた後で、主人公の様子から無実ではないかと考え始めるよりは前という時点であるので、アが選べる。
問7 情景描写が使われている。雨などで濡れそぼった状態は「つらさ」「みじめさ」「敗北感」などを表すときによく用いられる。ここでは主人公とその母親が、先生たちにまで信じてもらえないつらさ・無念が表されているであろう。
【大問3】四字熟語
- 難度:標準
- 時間配分:3分
1. 暗中模索――手がかりの無いまま、いろいろとやってみること。
2. 意味深長――非常に深い趣や含蓄があること。
4. 首尾一貫――最初から最後まで、考え・行動などが変わらないこと。
5. 千載一遇――千年に一度しか巡り合えないような良い機会。
【大問4】慣用句
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
1. 目から鼻へ抜ける――非常に利口で賢いさま。
2. 骨を折る――苦労する・力を尽くす。
3. 白羽の矢が立つ――多くの中から特別に選ばれる。
4. 竹を割ったよう――性格がさっぱりしていること。
【大問5】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
1. 殺風景――趣が無く味気ない。
4. 「ひかく」――「皮」は生きものの皮膚。「革」は皮に加工を施した素材。
5. 「いちじるしい」――際立って目立つさま。
攻略のポイント
素材文の文量を考えると、読むスピードは必要である。分速600~700字を目標に練習しよう。この速さで読めるようになれば、他の学校でも困ることは無いはずである。
設問は選択肢と書き抜きが多いので、文の細かい部分を見落とさない注意力や書き抜く部分を素早く見つけられるテクニックを身に付けたい。また、「文中の言葉を使って」まとめる問題では、設問の条件に合った形でまとめる必要があるので、その点を常に意識して問題に取り組もう。
ことばの知識も2割~3割の配点を占めるので、ぜひ全問正解できる力をつけておこう。
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