西武学園文理中学校 入試対策
2022年度「西武学園文理中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は4~5つ。大問1と大問2が論説文の読解と小説の読解、大問3~5が四字熟語・慣用句・漢字の読み書きなどの言語事項という形が、ここ数年続いている。
素材文の字数は計8000~10000字ほど。総解答数は25~30問。設問は選択式と抜き出しが多い。「文中の語を使って」書く問題も数問出される。
[説明的文章の読解]
社会科学・人文科学の分野からの文章が多い。一般に向けた説明的随筆文が多いので、難解な用語などはなく、読みやすい。読解力があれば、十分に得点できるだろう。
説明的文章の読解の基本を身に付けよう。
・段落の整理
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。
・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。
・要旨
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。
[文学的文章の読解]
学生・生徒が主人公で、主人公の視点で描かれた小説が多く用いられている。受験生と年齢が近いので、その言動や気持ちも理解しやすいだろう。適切な読解力があれば答えられる問題がほとんどである。
文学的文章の読解の技を練習しよう。
・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
・心情の把握
人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
・主題の理解
作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
[言語事項]
試験の最後にまとめておかれている。まずここから解き終えて読解問題に進むのが良いだろう。
四字熟語・ことわざ・慣用句とその意味などが出題されている。漢字も読みと書きの両方が出されている。いずれもことばの知識や漢字練習帳などで見たことのある内容である。教材をしっかりこなして、ぜひミス無しで満点を狙いたい。
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2022年度「西武学園文理中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は26問で、文量は7500字ほど。選択肢問題が多く書き抜きが4問。2020年度以降は出題されていなかった記述問題だが、2022年度では短文記述が出された。本文を読むスピードがあれば時間は足りるはずである。分速600~700字くらいで読めれば、考える時間も十分残せるだろう。
【大問一】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:22分
コンクリートや鉄でできた強く合理的で大きな建築が自然災害の前では無力であることを知り、かつての木造建築のような人間に合ったスケールの世界の到来を予見している。
問1 「転換」の原動力は「危険を感じた時、頑丈な巣に頼ろうとする」人間の「習性」で
ある。「頼る癖」があるとも書かれており、「習性」「癖」が設問の文では「傾向」と言
い換えられている。
問2 55字以内であるから、2行ほどの長さになると見当をつけ、直前の「科学や技術の発達を~進んできたように書かれる」を見つける。
問3 地震や火災にも耐えうる強く合理的な建築を作ろうと考え、大通りと広場と不燃建
築による「強く合理的で大きな」都市ができていったのである。
問4 木材という自然の制約のおかげで東京という都市は人間に合ったスケールを獲得し、「世界でもまれな美しい都市」になった。しかし木造建築は火災には弱く、関東大震災では多くの犠牲者を出してしまった。
問5 東京は木のおかげで美しく温かくやわらかかったが、コンクリートや鉄を使うようになってヒューマンなスケールが失われて小ささを失い、醜くなった→選択肢エ。
問6 建築をいくら強く合理的で大きくしても大災害には対抗できないと感じられた、と筆者は述べている。
問7 筆者は身近な材料を使った小さな建築に魅力を感じており、人間という生物が大きなシステムを受動的に受け止めるのではなく、自ら巣をつくりエネルギーを手に入れるという「大きなものから小さなもの」への世界の流れを予感している。
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:24分
- ★必答問題
病気の母とともに祖父母の家で暮らす主人公。田舎の生活でたくましくなっていくが、母の病は進行し、やがて来る別れを予感させる。
問1 ウ. 川で遊んだりする時期から、柿の実が落ちて稲刈りで忙しい時期までが描かれ
ている。
問2 A. 柴は山野に生える雑木→木を折る音「ぽきぽき・ぱちぱち」など。
B. 「蛇の舌のような」→「ちらちらと」。
C. 寝息→「すうすうと」。
D. 重たい音→「ぽとっぽとっと」。
E. ころがった→「ころころと」。
問3 ア. 友達もまだいなくて一人で遊んでいる場面なので、合わない。
オ. 「お母さんの寝ぼすけ」は本心からの悪口ではなく、昼まで寝ていなけれ
ばならない母親の状態への不安・寂しさなどが入り混じった、発散の叫びであろう。
問4 一つには本人の言葉通り、子供は家にばかりいないで外で遊ぶことが大切であるという意味があるだろう。村の子供たちと打ち解けさせようという意図とも考えられる。もう一つは主人公は気づいていないが、母親の病が伝染性であるあるため、なるべく一緒にいさせたくないという祖父母と医者の配慮であったことが文中で示されている。
問5 夕方まで遊んでいる主人公を心配して病気の母が川土手まで迎えに来ている場面がある。自分の昼間の様子を話すことで安心させる(選択肢イ)とともに、楽しく遊んでいることを伝え一日中家にいる母親の気を紛らわそうとしている(選択肢オ)のである。
問6 「母の様子や言動以外」という条件があるので、一番に候補に挙がる「母は一日中、寝床に寝てすごすようになった」は使えない。その直後の祖母の様子「祖母が母屋から~泊ってゆくようになった」からも、母の病状が悪化したことが読み取れるので、ここを使う。
問7 おそらく母親の病気は結核という伝染性の病で、主人公も近くに寄ることを禁じられている。それでも母への思慕は抑えがたく布団に潜り込んでしまうのであり、母は危険と知りながらもそんな主人公を抱きしめずにはいられないのである。
問8 イ. 祖母の行動や布団にもぐり込んだ場面での母親の様子などから、病状が悪化していることを主人公は感じ取っており、「遠くに遊びに行かなくなった」ことが暗にそれを示している。
ウ. 医者の勧めに従って、雀をとって母親に食べさせたりしている。
【大問三】比喩表現
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
① 「二つ折り」が羽を、「花を捜す」が花から花へ飛んでいる様を思い起こさせるので、蝶。
② 「長い」のだから、蛇。
③ 「弾機仕掛け」から跳ねるような動き、「粉」であるから細かいものということで、蚤。
④ 「3」に形が似ていて、とにかく数が多い→蟻。
⑤ 「明かりがついている」から、蛍
【大問四】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
ア. 指揮 イ. 探訪(たんぼう・たんぽう) ウ. 常備
エ. はくぼ――日没後の黄昏(たそがれ)。
オ. 老朽――古くなり、役に立たなくなること。
攻略のポイント
素材文の文量を考えると、読むスピードは必要である。分速600~700字を目標に練習しよう。この速さで読めるようになれば、他の学校でも困ることは無いはずである。
設問は選択肢と書き抜きが多いので、文の細かい部分を見落とさない注意力や書き抜く部分を素早く見つけられるテクニックを身に付けたい。また、「文中の言葉を使って」まとめる問題では、設問の条件に合った形でまとめる必要があるので、その点を常に意識して問題に取り組もう。
ことばの知識も2割~3割の配点を占めるので、ぜひ全問正解できる力をつけておこう。
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