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立教女学院中学校 入試対策

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2017年度「立教女学院中学校の算数」
攻略のための学習方法

[正確さとスピード]
45分の時間の中で、中程度レベル以上の問いを20問はこなさなければならない。また、本年度のように突然分量が増え、25問になることもある。
しかも、60%程度、年度によっては70%の正答率が要求される。つまり、スピードも正確さも要求されるというわけだ。
かつてはテスト時間が40分で同量をこなしていたわけだから、それに比べればいくぶん楽になったが、相変わらず厳しいと言える。
しかも、前半の得点源、一行問題がいわゆる「典型的な問題」に見えないことが多い。
解いてみれば「いつもの問題」であっても、一見その姿がわかりにくくなっている。それを試験会場で解きほぐしていかなければならないわけだから、よほどの準備が必要であることが分かる。
正しく解くことは当たり前という前提のもと、ここでは解くスピードについてまとめた。
問題を解く速さを先天的なものと思ってはいないだろうか?性格がせっかちだから急いで解こうとする、おだやかなのでのんびり解いてしまう、というような。
これは違う。
解くスピードは各自が作り上げていけるものであり、作り上げなくてはいけないものなのだ。
つまり、自覚的に、問題を解く時間をコントロールして欲しいということだ。
また、速さと正確さは相反しない。算数が得意な生徒は、速く、しかも正確だ。

[解き方のムダをなくす]
さて、2分で1問をこなしていくにはどうすればよいか。
ある問題を解く場合、解き方が複数あったとしよう。そのとき、できるだけムダのない解き方を身につけてもらいたい。
例として、「角度の問題」を挙げてみる。内角を1つ1つ求めて答えを出した。正しい答えだった。しかし先生は外角の定理を用いて一行で答えを出した。いや、合っていたんだからいいんじゃないか、では終わらせない。
もう一つ、「表面積を求める問題」。円周率の計算を3つも4つもやって、ようやく答えを出した。所要時間15分。「努力のたまもの!しかも正解!」。しかし、先生は分配法則を使って式をまとめ、円周率の計算を1回だけ使ってさらっと答えを出した。ここも、でも解けたんだからいいじゃないか、では終わらせない。
いつもの勉強の中でムダのない解き方に関心を持ち、それを身につけるための努力をおしまない姿勢が必要なのである。
同じ正解であっても、要する時間がそのまま合否に関係してくると言うことを肝に銘じよう。
ただ解いて答えが合っていればよいという段階は早く脱しよう。解き方にこだわりたい。

[スピード練習をする]
教材などの一行問題を「1問1分、10問を10分で解く」と目標を定めて、解く時間を作ろう。
はじめのうちは間に合わなくても、だんだんと速さが増してくるものだ。マイペースなどというのんびりムードでは、いつまでたっても速く解くことはできない。
ただし、解き方が雑になったり、正答率が下がってしまっては意味がない。あくまでも全問正解を目指す。

[見直しをしない]
立教女学院の場合、算数のテストにおいては、まず見直しをしている時間はほとんどないと考えておいて良い。
つまり、一発で正解を出さないといけない。したがって、スピード練習ともかぶるが、普段から「見直しをしない」練習をする必要がある。
これは、見直しという作業を軽んじてよい、と言っているわけではない。
「あとで見直しをすればいいや」という安直な気持ちが、安直なミスを招きやすいのは確か。したがって、やり直しのきかない状況を普段から作り、その中で解くことになれておくこと、と考えてもらえれば納得いくことと思う。
「今日は、(算数の問題を解く際)時間内に終わっても見直さないでおこう」というように心に決めて取り組んでみよう。
公開模試などでも、「今日は見直しをしない(回)」を作ってもよいだろう。

[過去問演習]
過去問に取りかかるのは、上記の心構えのもと、秋頃からでよい。
1回目は、時間との戦いになる。まず間に合わないのが普通であり、がっかりすることはない。問題が持つ質・量を身を以て浴び、覚えること。2回目は、多少余裕が持てているはず。時間配分に注意しながらスマートな答案を心がけること。
3回目は、受験直前に解いてみて、合格できる力を確認してから本番に臨もう。
以上、立教女学院に合格するための学習法をまとめると、
・過去問を解きながら本校の時間配分をしっかりと把握し、時間内に合格点がとれるよう準備する
・苦手な範囲は作らず、どの内容においても中レベルの問題までは対応できるよう仕上げる
・タフな精神力を持って最後まで合格を目指す
となる。

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2017年度「立教女学院中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

45分で大問が4,解答欄が35。

本年度は、平易だった昨年度の反動か数年前の問題水準を取り戻している。
質・量ともに立教女学院本来の姿に立ち返ったせいか問題数に対して持ち時間はかなり厳しめで、例年通り時間配分の巧拙が合否を分けるカギとなった。
設問1つを1分ないし2分で消化していかないと最後まで行きつかない。

【大問1】計算・分配算・仕事算・いもづる算・最小公倍数・通過算

  • 難度:標準
  • 時間配分:16分
  • ★必答問題

(1)~(3)は本校おなじみの面倒な計算問題。

(1)は小数を分数に直すのに手間がかかるが式が長い割にはやりやすかった。

(2)は、2.96以降の小数を(3-0.04)+(30-0.06)+(300-0.08)+(3000-0.1)とすると、整数部分が3333になり、ひく小数の和が0.28となって、はじめの0.28が0になり、答えは3333になる。

(3)はそのまま通分しても求まるが、分母が24と72のもの、同じく40と120のものをそれぞれ先に加えたほうが計算は楽になる。ふだんから計算問題を解くときになにかいい解き方はないものか、といつも考える頭を作っているといいアイデアが浮かぶものである。

(4)は基本的な分配算。ここは平易。

(5)は典型的な仕事算。AとBの仕事量の比を2:3と求め、全体の仕事量を36と置ければ容易に解ける。③は全体の仕事量からB10時間分の仕事量をひけば、残りがAの行った仕事量になり、休んでいた時間も求まる。

(6)は難題。3種類のいもづる算。難しく言えば不定方程式。条件から鉛筆とボールペンを1つにまとめることができるが、あとは数がうまくあてはまるところを調べていかなくてはならない。【大問1】ではこの問題が最もやっかいだ。

(7)は最小公倍数を使う問題で、誰もが一度は解いたことがあるだろう。①、②はすぐ求まる。③はどうだろう。85000を②の数値で割ると125.…となり、125=5×5×5より、1辺が①の数値の5倍であることが分かる。

(8)は標準よりやや上の通過算。電車全体がかくれていた時間と通過した時間から②③を求めなければならない。

本年度の【大問1】は(6)~(8)のレベルがやや高めだったので、1・2問の失点はやむをえまい。

【大問2】周期算・平方数

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

(1)は周期算の基本問題。計算ミスのみがこわいので落ち着いて取り組みたい。

(2)は西暦の「2017」をなんとか問題に使おうという意欲が見られた問題で、そのため厄介な問題になっている。2017を1けたと2けたの平方数の和で表すわけだが、結局1けたの数をあてはめながら探していくしかなく、2けたの整数が早く見つけられた生徒は短時間で終わったことだろう。

【大問3】消去算

  • 難度:
  • 時間配分:12分

本年度最大のポイントはここ!
この問題をどう扱えたかによって合格か不合格か大きく左右されたたことだろう。

問題文を読んでいくと、よく解かされた「やりとり」の問題と間違えやすい。AからBへ、BからCへ、CからAへ…と続けて渡すのではなく、A・B・Cが同時に箱の中に入っているアメ玉の半分を渡すのだ。だから還元算ではなく、解き方しては消去算になる。
問題の条件を読み誤っていつものやりとりと思い、手を付けた者は答えは全滅である。

(1)は慎重に「シャッフル」と呼ばれる作業を2回行おう。

(2)では、はじめにA・B・Cが持っていたアメ玉の数を○○、✕✕、△△とする。
1回シャッフルを行うと持っている個数は、Aは○△、Bは○✕、Cは✕△となり、それぞれの個数が240、264、208であるから、3つの記号に対して3つの式が成り立つので消去算を利用して○✕△の値を求める。最後に○✕△を2倍することを忘れないように。
このように書くと標準的にも思えるかもしれないがあまり経験したことのない問題だけに苦戦を強いられそうである。

(3)は2回のシャッフル後の数値が与えられているので(2)と同等の作業を2度くり返せばよい。集中力を最大限に発揮し、息をつめて問題を解かないと正解までたどり着けそうにない。

【大問4】総合問題(割合と比、単位、グラフ)

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

最後の問題は易しいのか難しいのかなかなか判断に困る問題になっている。全体としては基本的なことを聞かれているので半分以上はあてておきたい。

(1)は割合と比の典型題。これはやさしい。

(2)(3)は単位換算に気をつける計算問題(といってもよかろう)。こちらは標準的か。

(4)は不思議なほど簡単に求まる問題。というのかこの位置でこんな簡単に求まってよいのか、とむしろ心配になるほどだ。

(5)はグラフを見ながら今までの内容を動員して解く問題で、簡単といえば簡単。ただし、条件をとりそこなうとどちらも不正解になってしまう。

【大問3】が難しかっただけに【大問4】でどれだけ得点できたかもテストの重要なポイントだっただろう。

攻略ポイント

テスト時間45分で90点満点,
合格者平均点は61.8点(69%)ということで,目標点を55~65点とすればよい。

本年度はこの目標値を達成するのはそれほど容易ではなくなっている。
昨年度の問題に関しては「本年度(平成28年度)のテストにだけしぼって話すと,計算などケアレスミスがなければ十分に到達可能な数字だと思う。満点でもおかしくはない」と書けたものの、本年度の問題は全体に水準が高く、65点をとれれば十分に算数の力があると認められる。

ここ数年テスト問題の難易度は「易」「難」を交互にくり返している。本年度は「難」の年だった。来年は果たしてどうか…

最後に、立教女学院の算数を攻略するためのポイントとして

・過去問に多く触れ、立教女学院独特のスピードを要求される問題に慣れる。
・そのかたわら典型的標準問題の解法を1問でも多く身につける。
・前半に時間を要する問いが出るときがあるので、時間配分に気をつけてテストの終わりまで手が届くよう心がける。
・時には合格ラインに直接結びつくことはない難易度の高い問題にあたって、免疫をつけておく。

をあげておきたい。

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