大妻中学校 入試対策
2022年度「大妻中学校の社会」
攻略のための学習方法
傾向
2019年度では問題数が大きく減ったが、2020年度以降は以前の傾向にもどった。全体としての難易度は上がってきており、今後の傾向に注意しておかれたい。
大問それぞれが、地理・歴史・政治や時事問題と、分野ごとの総合問題形式で出される。
短いリード文もあるが、設問は下線部や穴埋め部分に対する一問一答の形が大部分である。記号選択問題は少なく、用語記入が多い。
記述は、出来事・用語の説明や、簡単に理由を訊くようなものが多かったが、2019年度以降では思考力も要求される内容が多くなった。
解答数はまた増えているが、考えさせる問題を増やすという傾向はみられるため、暗記だけでは対応できない問題が増えることが予想される。その点を考慮した訓練が必要になりそうである。
地理分野
総合問題形式で、各地の地名・地勢・産業の特色などについて幅広く出題される。
地図やグラフ、統計資料も多く用いられ、地形図の読み取りの問題も過去に見られた。
また、世界地理についての質問も織り交ぜられるので、主な国や地域はチェックしておく。
伝統産業の位置など、細かい知識を問われる場合もあるので、単に用語だけでなく、関連事項も覚えている必要がある。
地図・白地図・資料集などで地名や位置、周辺の様子も合わせて整理しまとめておくとよい。
歴史分野
ある一つのテーマをもとに、いろいろな時代について総合的に問うパターンが多く見られる。
過去には、世界遺産のある土地に関係する歴史や各時代の外国との交流などに関しての出題などがあり、その話題は多岐にわたる。
この分野では、難しいとされる出来事の並び替えの問題も出されている。
発生した時期が近い出来事の並び替えなどは、年号をはっきり覚えておくか、年表のように一連の流れを思い出せるようにしておかないと正確には答えられない。
人物や出来事について一通り覚えたら、次に年表を使って時間の流れに沿ってまとめていき、地図や白地図で合わせて場所も確認しておく。歴史史料をもとに考えさせる設問もみられるので、資料集の図版などを見分けられるようにしておきたい。
また、用語を書かせる問題が多数あるので、漢字で書けるようにする必要がある。
政治分野
憲法や政治の仕組みについて総合的に訊かれる問題が多い。
近年は、国際社会について・少子化問題・公害病を題材とした問題など、現代社会や世界の問題、時事問題などについて訊かれる問題も多く出題されている。
日本国憲法や三権の仕組みとはたらきといった基本事項を頭に入れたら、新聞・ニュースで社会の出来事や時事問題にも注目して、考えを深めておくようにしたい。
記述問題は一行ほどで物事の説明や理由を答えるものが多いが、過去には国際社会の問題で、3つのキーワードを使ってアフリカの他民族国家について考えさせるという、知識だけでは十分に答えられないような出題例もあった。全体としては典型問題が多いので、記述対策問題集などで練習し、重要事項について簡単に説明できるくらいの知識を持って、皆が答えられるような問題では失敗しないようにしたい。
まとめとして
まずは基本的事項をしっかり定着させることに専念する。記入式が多く、原則は漢字で書くのが条件なので、人名・地名・用語は漢字で覚える。また、地図・白地図が使われて位置を訊かれる問題も多いので、統計のデータと合わせて正確に記憶する。さらに、年表で出来事の流れをたどっておく。基本に忠実な学習をまずは心がけることである。
ただし、本校の場合、ときおり難しめの問題が混ざることがある。数年前の問題で1980年代の貿易交渉・GATTについて訊かれているが、最近の試験ではあまり見かけない問題である。また、選択肢に細かい情報が含まれていて、選びにくい場合もある。テキストや資料集に出ているような事項であれば、少し細かい知識まで手を広げておく努力が他の受験生と差をつけられるポイントかもしれない。
2020年度以降ではまた問題数が増えたが、思考力を要する問題も出されている。記述問題も思考力を要する内容になってきている。傾向が変わってきているので、最新年度の試験をよく見直して柔軟に対応したい。
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2022年度「大妻中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数が44問と以前の傾向に戻った。問題数の増減については年度による変化に注意をしておかれたい。適語記入と記号選択が多いので、全体として時間は足りるだろう。
基本的事項の問題も多いので、テンポよく解いていこう。長いリード文は無いので、一問一答の感覚でまず最後まで一通りこなして、難しい問題を考える時間を残そう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
近畿地方を題材に、地形や産業などについて訊かれている。
問1 (あ) 淀川は滋賀県では瀬田川、京都府では宇治川と呼称されている。
(い) 鈴鹿山脈は岐阜県・滋賀県・三重県の県境に位置する。
問2 (う) 日本海流(黒潮) (え) くじら (お) 真珠
問3 アは昼夜人口比率の高さから働く場の多い都市を有する大阪府、ウは第一次産業割
合が高いことから果樹栽培などが盛んな和歌山県とわかる。イとエでは、イの第二次産
業割合の高さから四日市市などがあり中京工業地域に属している三重県、残るエが奈
良県と考えられる。
問4 (1) Ⅹ. 知床半島を中心に国立公園にも指定されている(知床国立公園)。世界遺産の登録名は「知床」となっている。
Y. 立ち入りを禁止されている一部の島を除き、すべての島々が小笠原国立公園として指定されている。
(2) A. アフリカ地域は政情の不安定さや紛争の多さから遺産の保護や管理が十分でないことが多く、盗難などの被害もみられる。
問5 図Ⅱからスマートフォンなどの電子機器が急速に普及している状況がわかる。これまで書物や書面など紙を媒体にしてきたものが、電子書籍やメール・SNSなどインターネットを通じてやり取りされる形が増え、髪の生産量が減っていると思われる。
問6 (1) ハザードマップには、浸水が予想される範囲や火災が広がりやすい地域を示したものなどがある。
(2) 津波の到達が早く高台などに逃げる時間がない場合に、すぐ避難できるように各地の沿岸部に設置されている。X:最も島の多い県は長崎県。果実はミカンのことである。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
- ★必答問題
日本の港の歴史という話題で、各時代の人物や出来事について訊かれている。
問1 (あ) 青森 (い) 金印 (う) 藤原純友 (え) 平清盛 (お) 鎖国
問2 エ. 長崎県ではなく、鹿児島県の種子島である。
問3 「漢委奴国王」と記された金印が福岡県志賀島で発見されたことから、奴国は現在の福岡県付近にあったと考えられている。
問4 ウ. 聖徳太子ではなく中大兄皇子についての説明であり、また、倒したのも蘇我蝦夷・入鹿父子である。
問5 701年、大宝律令が発布された。律は刑法、令は主に行政法にあたる。
問6 平安京遷都(794年)→藤原道長の摂政(1016年)→白河上皇の院政(1086年)→壇ノ浦の戦い(1185年)。
問7 Aは自動車関連が多いという輸出品目の特徴から名古屋港、Cは集積回路や自動車の工場が多い九州地方の特徴や魚介類の消費が多い点からも福岡県・博多港、残るBが神戸港である。
問8 鎌倉時代に問丸(問)としておこり、のちに一般の商品も扱うようになって問屋とよばれるようになった。
問9 室町幕府の第3代将軍は足利義満。
問10 平戸は長崎県北部に位置する。
問11 城の近くに家臣とその家族を集めて、他国との婚姻関係を強く制限している。家臣の統率を容易にし、国内の情報が人を通じて他国へ流出することを防ぐ目的があると考えられる。
問12 ア. 商人たちによる自治都市であり、大名の支配は受けていなかった。
ウ. マルコー=ポーロは日本を訪れていない。
エ. 延暦寺があるのは現在の滋賀県大津市坂本本町である。
問13 朱印船貿易の主要な輸出品は銀であった。多くは、世界遺産にも登録されている石見銀山で採掘されたものである。
問14 太平洋側を南に下り、八戸(青森県)・宮古(岩手県)・石巻(宮城県)・銚子(千葉県)と経由するルートになる。
問15 横須賀は神奈川県、呉は広島県にある港である。
問16 平和主義を規定しているのは憲法第9条。
問17 エ. 沖縄返還が1972年のことである。
【大問3】現代社会分野
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
日本国憲法や国際社会について訊かれている。
問1 ミャンマーは国民の大多数が仏教徒であるが、ロヒンギャはイスラム教徒が多く、使う言語も異なることなどから迫害を受け、多くの難民が発生している。
問2 世界人権宣言は「すべての人民とすべての国が達成すべき基本的人権についての宣言」で、その後の世界の人権に関する規定の規範ともなった明文化された基準である。
問3 (1) Ⅹ. (例)結婚したり子供が生まれたこと
Y. (例)子育てが一段落し、時間の余裕ができたこと
A. イ B. ア C. ウ
(2) ア. 戦前は女性には参政権は認められていなかった。
イ. 女性には被選挙権も認められていなかった。
ウ. 家制度ではむしろ、女性の権利は大きく制限されていた。
問4 エ. 現在、選択的夫婦別姓は法的に実現していない。
問5 刑事裁判においては被害者に代わって検察官が被告人を告訴し、被告人には弁護人を付ける権利が保証されている。
問6 基本的人権は、「侵すことのできない永久の権利」であるとされる。
攻略のポイント
以前の傾向に戻り、年度により変化が見られる。全体としての難易度も上がり、記述問題をはじめとしてただ暗記したことを答えるだけではない問題が増えてくることが予想される。基本事項の問題も多いのでこれまで通り基礎力の充実を図ることは当然として、知識+その先を考える思考力を養えるよう、社会での出来事についてよく考える習慣をつけたい。出来事の原因や予想される結果など、一歩深く考えながら学習するよう心がけよう。
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