桜蔭中学校の傾向と対策
桜蔭中学校の入試傾向をプロ家庭教師の視点で解説します。役立つプロのノウハウをご覧ください。
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受験の攻略ポイント
女子御三家。私立女子校の最難関だけあって、どの科目も「深い理解」が求められる。またそれらの知識を前提に、高レベルの問題を限られた時間内で適切に処理する「判断力」を養っておこう。
算数 | 処理量が多く、細かい部分での注意深さや正確さと、考え方・式をコンパクトにまとめる力が問われる。 |
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国語 | 大学入試にも匹敵する分量の問題文を速読する力が問われる。8割を占める「記述問題」の対策も必須。 |
社会 | 試験時間を考えると、基本姿勢として取れる問題を確実に押さえつつ、逆に潔く「捨て問」にする判断も必要。 |
理科 | 難易度が高めの典型問題が出題される。暗記事項は膨大だが、当然深い理解を伴う暗記が求められる。 |
新しい傾向の出題が見られました
桜蔭中学校では2018年度入試より、新しい傾向の出題がみられる。2020年度大学入試改革を踏まえた出題とみられ、受験生には対策が必要だ。
・2018年 国語【大問一】[問一]
冒頭から新機軸の知識問題が出された。従来の「漢字の書きとり」に「熟語の完成」を合体させた複合的な出題。まずは本文中のカタカナを漢字に直し、その漢字を使用した熟語を完成させる。内容的にはさほど難易度は高くないが、今後もこのような出題傾向に対応できるよう、あらゆる知識を確実に定着させておく必要がある。
算数の攻略ポイント
規則性、速さ、立体図形、数の性質に関する問題がよく出題されている。このうち、規則性、速さ、立体図形、数の性質、不定方程式に関しては特に重要である。また、いろいろな分野を融合させた問題もあるので、極端に苦手な分野がないようにしたい。
2023年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問1】計算問題と小問 | やや難 | 17分 | |
【大問2】速さと規則性 | 標準 | 14分 | ★ |
【大問3】場合の数 | やや難 | 7分 | |
【大問4】立体図形 | やや難 | 12分 |
国語の攻略ポイント
「論説文」(あるいは「随筆」)と「小説」の大問2題という出題形式が定着している(2023年度は3年ぶりに「随筆」と「小説」)。
ただ、「韻文」(詩や短歌・俳句)が出題される年度もあるので要注意。「漢字問題」や「総合的知識問題」は小問扱い。総文字数は例年7000~8000字ほど(本年度は昨年度より増加して約9000字)。「解答形式」は「説明記述」が中心で、「選択肢」「抜き出し」「空所補充」「語句記述」などは少ない(本年度は「空所補充漢字記述」が2問だけ)。
本校で特筆すべきはやはり、「説明記述問題」だ。配点比率では全体の8割ほどを占める(ここ数年は減少傾向だったが、本年度はちょうど80%)。また、「記述総字数」は1000字超になる年もある(本年度は昨年度よりやや減って900字ほど)。以前は、「200字以内指定の長文説明記述」1問が最終関門の定番だったが、ここ4年は全て「字数指定なし」の出題(新傾向として定着した感あり。本年度は全8問)。「必要な要素」を外さずに、「的確で正しい日本語の文章」を短時間で仕上げるという高度なテクニックが要求される。100点満点。試験時間は50分。
2023年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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[大問一]「随筆の読解」(「説明記述」4問と「漢字の書きとり」3問) | 標準 | 22分 | ★ |
[大問二]「小説の読解」(「説明記述」3問と「総合的知識問題」2問、「漢字の書きとり」5問) | 標準 | 28 |
理科の攻略ポイント
物理・化学・生物・地学の4分野から出題されている。近年の出題傾向を見ても4分野からまんべんなく出題されることが多い。塾のテキストや問題集を使って学習していれば解答できる標準的な問題が中心だが、思考力が必要となる難問も含まれる。
どんな難問であっても考える上で基本となる知識が必要となるので、各分野の基本をまんべんなくしっかり身につけることが大切である。
2023年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問1】 化学 金属と水溶液の反応 | やや難 | 9分 | ★ |
【大問2】 生物 セミについて | 標準 | 6分 | |
【大問3】 地学・生物 天体・植物 | 標準 | 7分 | ★ |
【大問4】 物理 台ばかり・物体の運動 | やや難 | 8分 |
社会の攻略ポイント
「地理」「歴史」「公民」「時事」、全ての単元から出題される。また、「考察問題」「一般常識」などの出題もある(2023年度は「考察問題」あり)。
大問は2~4題(本年度は3題)。単元別配点比率では、「歴史」「地理」「公民」「時事」「その他」の順(本年度は「地理」と「歴史」がともに3割強、「公民」2割半、「時事」と「考察問題」がともに1割未満)。全解答数は50前後(本年度は昨年度よりやや減って46。5年ほど前までは40前後だったが、ここ数年は明らかに増加傾向)。
解答形式は、「リード文」や「説明文」に関しての「事項・人名・地名等記等述」(原則的に「漢字指定」)、「選択肢」(「空所補充」「不適切」「整序」「組み合わせ」「正誤判別」などあり)、「説明記述」(例年数問。本年度は昨年度と同じ3問)。出題内容は多様で、「地図」「地形図」「統計資料」「歴史史料」「写真」「図版」等々の「読み取り」も求められる(本年度は、「地形図」「歴史史料」「写真」は未出)。
尚、本年度3年ぶりに、新大学入試制度で重視されている「思考力・判断力・表現力」を意識した出題があった(やはり要注意だ)。いずれにしても、時間と解答数を考えると、「スピード」と「思考力・処理能力の高さ」が必要不可欠となる。60点満点。試験時間は30分。
2023年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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[大問Ⅰ]「地理」(「時事」と「考察問題」各1問の混在あり) | 標準 | 13分 | |
[大問Ⅱ]「歴史」(「時事」1問と「地理」2問の混在あり) | 標準 | 12分 | ★ |
[大問Ⅲ]「公民」 | 標準 | 5分 |
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学校 | 桜蔭中学校 |
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偏差値 | 2023予測偏差値71(四谷大塚80%)・62(サピックス80%) |
併願校 |
1月入試では渋谷教育学園幕張中・浦和明の星女子中、2月は豊島岡女子中・慶應中等部・お茶の水女子大学附属中・洗足学園中が多く見られる。 *入試日程の変更にご注意ください |
合格者 | 合格最低点は非公表となっているが、受験生のレベルを考えると、事前の過去問対策では最低70%はクリアしたい。出身塾別で見ると、サピックスが多く、早稲田アカデミー・四谷大塚・日能研が続いている。リーダーズブレインの生徒も同様の塾生が多い。 |
進学実績 | 東大・東工大・一橋大を始めとした国立大に50%、早稲田大・慶應義塾大・上智大に90%以上、MARCHに45%が合格している。 |
その他 | 高校での募集を行わない完全中高一貫校。女子御三家のひとつ。東大合格者数は、女子校では全国1位。 |
基本情報 |
所在地 〒113-0033 東京都文京区本郷1-5-25 最寄駅 JR/都営三田線「水道橋」徒歩5分・丸ノ内線/都営大江戸線「本郷三丁目」徒歩7分 連絡先 ℡:03-3811-0147 沿革 大正13年設立。 |