鷗友学園女子中学校 入試対策
2016年度「鷗友学園女子中学校の国語」
攻略のための学習方法
1.出題形式について
鴎友学園の出題形式は、記述であることがほぼ確定している(過去には、選択肢の問題が出題されたこともあるが、近年は、見られない)。また、年度にもよるが、記述しなければならない字数は、概ね500字程度、選択問題と異なり、実際に書く時間が相応に必要となるので、(試験時間との関係で)その時間も考慮する必要がある。
もっとも、文章量(本文の文字数)については、文学的文章の字数が多い反面、説明的文章の字数は少なめになっている。文学的文章と説明的文章を総合すれば、標準的と思われる。また、模擬試験等で出題される文章量と比べて、決して多いとはいえないので、サピックス等での通常の学習(教材・模擬試験等)を行っていれば、極端に文章量が多く感じることは無いだろう。
2.記述式問題について
記述式問題については、その採点基準、すなわち出題趣旨を把握することが重要になる。これさえできれば合格点以上の点数を得ることが可能になる。そのため、採点基準の個数を判断し、さらに制限字数を併せ考えて、場合によっては自分の言葉(理解)で言い換えながら記述する能力を身に着けることが一般的には必要となる。
もっとも、鴎友学園の記述式問題については、過度の心配は不要である。なぜならば、「設問の指示(誘導)に従」って書けるように、あらかじめ出題者が配慮して設問を組んでくれていることが多いからだ。設問の検討の箇所でも述べたが、鴎友学園の設問文をよく読むと、「書くべき内容(要素・ポイント)」が明記されている場合がほとんどである。
例えば、大問2の設問1では、「血液型の現状も含めて」説明しなさい、と明確に指示をしてくれている。また、設問2では「平均への回帰の法則の内容も含めて」説明しなさい、と指示をしてくれている。
だから、最終的には、過去問を使って、設問の指示に素直かつ忠実に記述できるように練習すればよいことになる。
さらに、上述で答案として書く字数が500字程度であることを指摘した。たしかに書かなければならない文字数が多いと、書くための時間がより必要になり、試験時間が不足しがちになりそうであるとも思われるかもしれない。しかし、制限字数が多いということは、ある意味で受験生にとって望ましいとも言えよう。すなわち、(筑駒や開成のように)制限字数が少ない場合、解答にあたって本文中の表現を「自分の言葉で」言い換える必要が生じるが、制限字数が多ければ、過度の言い換えは不要であり、本文中の表現を利用しながら答案を作成することが可能となるからである。
3.漢字・知識
繰り返しになるが、鴎友学園では、独立した漢字の問題が5問(配点10点)出題される。本文中の語句を漢字化する問題の場合には、文脈を考えて解答する必要があるが、独立した漢字の問題の場合、その必要はない。まさに、日々の漢字の学習(漢字のテキスト・小テスト等)が直結するので、怠りなく取り組むように心がけよう。
最後に、文法事項や文学史等の出題は、出題方針の変更がない限り考える必要はない。その点でいわゆる国語の知識の学習に必要以上に気を配る必要はないとも言える。しかし、本年度大問1が寛政の改革当時の時代背景を(社会科の学習で)きちんと理解していれば(設問の解答には直結しないが)、文章自体は相当程度読みやすかったはず。大問2についても、普段から科学的な事柄を自分の頭で考える勉強をしていた受験生であれば、すんなりと筆者の主張が理解できたと思われる。こういった意味で、4教科の学習を通して、幅広い知識を得ておくことは、出題文の理解においてかなり有益であると考えられる。
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2016年度「鷗友学園女子中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、茂木ちあき著、「清政-絵師になりたかった少年」より。記述式問題が4問(目標時間20~25分)。
大問2は、池内了著、「それは、本当に『科学』なの?」(「考える方法-〈中学生からの大学講義〉2所収」)より。記述式問題が2問(目標時間15~20分)。
大問3は、漢字の書き取りが5問(目標時間2~5分)。
【大問1】文学的文章
- 時間配分:20~25分
(みなさんが日本の歴史で学習した)出自経歴不明の謎の絵師東洲斎写楽。主人公の正之助が、実は東洲斎写楽であったという設定の下、歴史上実在する人物も織り交ぜて描かれた作品を題材とした出題。
本文を、概ね10分前後で一読・確認した上で、解答することが望まれる。
問1 「家に帰るたび」、「画帳を見るのが楽しみ」、であるにもかかわらず、その一方で「(見るのが)恐ろしくもあった」とあることから、この矛盾する点について、文中の記載に触れながら、客観的・論理的に説明することが求められている。行数指定で4行、80字から100字程度で解答することが求められている(採点基準を考慮しながら答案作成に(以下、「解答時間」という。)3分から4分程度)。
問2 単に「打ち付けた」のではなく、「右手がはれるまで」打ち付けた、とあることから、この記載の特殊性に注目して、文章中の事項を丁寧に読み取って説明することが求められている。行数指定で3行、60字から75字程度で解答することが求められている(解答時間2分から4分程度)。
問3 蔦重が、「正之助を」認めると、「一瞬」、「驚き」の表情を浮かべた、とある点についての理由説明を求められている。蔦重が目にした人物が、正之助以外の、見知らぬ絵の達者な者であれば、同様の反応をしたとは考えられないことを踏まえて、蔦重が「驚い」た理由を本文に即して端的に説明することが求められている。行数指定で2行、40字から50字程度で解答することが求められている(解答時間2分から3分程度)。
問4 「武骨で荒々しく、何かに憤っているような」、「たたきつけるような」、「今にも動き出しそうな、血の通った生々しい生命力」と表現されている点についての適切な説明が求められている。それぞれの比喩のもつ意味・理由を文章中から正確に読み取って、表現する必要がある。行数指定で4行、80字から100字程度で解答することが求められている(解答時間3分から4分程度)。
【大問2】説明的文章
- 時間配分:15~20分
複数の学者・小説家等による、中学生向けに書かれた書籍の一部を題材とした出題。「ニセ科学」について具体例を挙げ、それが蔓延する理由についてわかりやすく説明されている。本文を、概ね10分前後で一読・確認することが望まれる。
問1 「血液型に関する現状」と「血液型の例を挙げることによって筆者は何を主張したかったのか」、これら2点を本文に即して客観的に読み取り、論理的にまとめて説明することが求められている。制限字数は100字以内、概ね90字程度で解答することが求められている(解答時間4分から5分程度)。
問2 「平均への回帰の法則の内容」と「平均への回帰の法則がどのように役立つと筆者は主張しているのか」、これら2点を本文に即して客観的に読み取り、論理的にまとめて説明することが求められている。行数指定で4行、80字から100字程度で解答することが求められている(解答時間4分から5分)。
【大問3】漢字の書き取り
- 時間配分:2~5分
標準的な書き取り問題が5問。各進学塾等で学習する漢字トレーニングで十分対応できる出題になっている。鴎友学園受験者であれば、完答が求められる。
攻略のポイント
1 出題形式は、冒頭にも記載したように、ほぼ一貫している。年度による難易度の変化も、目立って異なることは無いようにみられる。各設問の難易度も平均しているので、各設問について80%程度の得点(採点基準にまんべんなく触れることができる程度)を目標に学習すべきである。
2 漢字について2点×5問=10点がほぼ毎年出題される。上記設問検討でも記載したように、各進学塾の漢字トレーニングで十分対応できる内容なので、ここでの失点は避けなければならない。日々の(毎週行われる小テスト)漢字学習を怠りなく消化するように心がけるべきである。
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