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攻玉社中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「攻玉社中学校の社会」
攻略のための学習方法

[形式・分野]
27年度から問題の形式が大幅に変更された。
26年度までの攻玉社の問題は大問2~3つ、総解答数は35前後で構成され、記号選択と用語記入がほとんどで、100字ほどの記述問題が必ず1問出されていた。また、リード文が長いという特徴があった。
27年度から、総回答数は25問前後で、単純に記号選択・適語記入と表現できないユニークな問題構成になっている。以前あった長いリード文と長文記述問題は無くなった。特に設問の型が大きく変わっている。3~4つの知識をまとめて問い、合わせて1問の正解になるという形が多い。またクロスワードパズルのように最終的にできあがる4文字の人名・用語を答えさせるものもある。
もっとも、問われる内容は例年と同じで基本的事項が多く、難易度としては例年と変化は無いと思って良いだろう。合格者平均点は8割近くと高得点の勝負となっている。分野別では地理と歴史の比重が高く、政治分野や時事問題ではまとまった出題はここのところ見られない点も、例年通りである。

[地理分野]
総合問題形式で出題されることが多い。各地の地名・地勢・気候や産業の特色などの基本事項が多く訊かれている。
日本全体について広く問われる場合もあればひとつの地域について少し詳しく答える問題もある。
多少の細かい知識を問われることもあるので、白地図などで地域ごとに関連事項を整理しておくとよい。
地図帳もそばに置いて地名や場所を確認しながら進めること。

[歴史分野]
3分野の中では、歴史分野の出題が多い傾向があるので、特に念入りに学習しておきたい。
内容も、幅広い年代から出題され偏りは無いが、この分野では細かい知識を問われることは少なく、「広い範囲からの浅い」出題が多くなっている。
人物・年代・政治・文化などについての基本的事項を訊かれる問題と、それを時代の流れに沿って整理させるような設問がよく見られるので、やはり年表の活用が有効となる。

[政治・時事問題]
憲法や時事関連の設問が「申し訳程度」に1~2問出されるだけの年もあり、地理・歴史と比べてかなり冷遇されている。
しかし、過去に環境をテーマにした設問(平成23年度)も見られ、全く出されないとも言い切れないので、憲法・三権の仕組みなどテキストに載っていることくらいは一通り頭に入れておきたい。

[記述問題]
最新年度では記述問題が出題されなかった。
今までは、字数は100字前後で、書く際に「3~4つの指定された語句を必ず使い、使ったら下線を引く」「字数制限の下限に達しないものは採点しない」などのきまりで出題されていた。
記述対策ということではなくても、やはり普段から新聞やニュースで社会的な問題に触れ、その背景を考えたり、自分なりの意見を持ったりと考えを深めておけば一段階上の実力がつけられるので、ぜひ心がけておいて欲しい。

[さいごに]
設問の型が大きく変わって戸惑いを覚える受験生も多いと思うが、問題自体は、特別な難しい知識を問われることはないので、テキスト・白地図・資料集で幅広く丁寧な勉強をしてあれば恐れることはない。また、長大なリード文が無くなったので、長文を読むのが苦手な人には楽になったかもしれない。
ただ、「4つの質問がまとまって1つの正解になる」形の場合、時間もその分かかるし、4つのうち1つミスがあると正解にたどり着けないという厳しさは出てくる。幅広い正確な知識が求められている。

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2016年度「攻玉社中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

設問形式が変更されてから、総問題数も25問前後と少なくなった。
ただし、いくつかの質問を合わせて1つの正解となる形式が多く、その分1問に時間はかかる。基本的事項を問われる問題が多いのでそれほど迷うことはないだろう。考える時間が必要な記述問題も出されていない。
知識を答える問題ばかりなので40分で足りるだろう。

【大問1】地理・政治経済分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:20分
  • ★必答問題

地理と経済や時事問題などの複合問題となっている。

問1. 4つの質問の正誤の組み合わせで答える三択問題。事実上4問に正解しなければならない難しさはあるが、問われているのは基本事項である。例えば(2)で瀬戸大橋開通と東京オリンピック開催が同じ年だと考える人は少ないだろう。落ち着いて、つまらないミスだけしないように注意したい。
問2. 手間のかかる設問である。まず、条件から座標を一つ特定し、4つの用語の抜けている数字を考え、与えられた式に当てはめて出た2つの数字が答えとなる。ややこしいが、結局問われているのは用語であり、その用語の意味・内容・関連事項などではないため、その言葉を知っているかどうかだけの問題となっている。座標に示されている県章・県旗や標識にいくつか見慣れないものがあるかもしれないが、実際に問題にされているのはわかりやすいマークなので、さほど難しくはないだろう。ただ、答えに至るまでの手順が多いので、ここもやはり計算ミスなどの無いよう、慌てず慎重に取り組みたい。

【大問2】歴史分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:20分
  • ★必答問題

歴史上の人物や出来事について訊かれている。

問1. ここも4つの人名・地名などから抜き出した一文字ずつを組み合わせて一人の人物名を答えるという問題である。4つのうち3つが特定できれば、答えが誰になるのか推定できそうである。ただ、人物のフルネームとその人物の業績や地名に関してわからないといけないので、大問Ⅱよりやや難しくなっている。とはいえ、難問奇問ではないので丁寧に学習してあれば恐れることはない。
問2 同音異字が並び、国語のテストのようである。ここもその用語を知っていれば答えられるので、基礎がしっかりしていれば大丈夫である。
問3 時代順の並べ替えが2問組み合わさったような問題で、ここは難しかったかもしれない。ただ、問題になっている「6番目」までの順番は難しくないので、そこがわかれば簡単になる。
問4・問5 最後にようやく普通の試験らしい問題が出ている。

攻略のポイント

問題の難易度をみると、本校は中学入試の基本的レベルで安定した実力を有する生徒を望んでいると思われる。
マニアックな知識ではなく、幅広い正確な知識を問われている。
まずはテキストレベルでの確かな学力をつけるべきである。難問・奇問の心配をする必要は無い。
その上で
・歴史・地理に重点が置かれていること
・特に歴史分野で漢字を書かせる問題が多いこと
・設問の形式により、小さなミスが失点につながりやすいこと
といった本校の特徴を念頭に置いて学習を進めることである。
出題の形式は変わっても、テキストレベルの十分な実力があれば対処できる試験なので、傾向の変化に気をもむ必要は無い。パズルのような試験問題を楽しみながら解くくらいの心構えで臨んでほしい。

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