駒場東邦中学校の傾向と対策
駒場東邦中学校の入試傾向をプロ家庭教師の視点で解説します。役立つプロのノウハウをご覧ください。
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受験の攻略ポイント
東京の男子最難関校の1つ。どの科目も、標準的な問題が解けるということは最低条件として、それらを土台とした高レベルの「思考力」と、それらの知識を正確に記述する「表現力」をみがいておこう。
算数 | 数論と図形の分野は出題頻度が高く、逆に特殊算はあまり出題されない。相応の対策が必須。 |
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国語 | 「小説」大問1題という出題形式で一貫。「配点」の3~4割を占める「説明記述設問」の対策は必須。 |
社会 | 本校らしい「一筋縄ではいかない問題」の対策として、「多角的思考」を身につけることが重要。 |
理科 | 「実験観察問題」は、なぜその答えになるのか、理解を進めつつ勉強をしてきたかどうかがポイント。 |
算数の攻略ポイント
駒場東邦といえば、数論と図形。これは2大テーマといってよい。それほどこれらの分野は出題頻度が高く重要である。逆に、いわゆる特殊算はあまり出題されていない。
また、理由を説明させる問題や、作図をさせる問題が出題される場合があるのも本校の特徴である。
2023年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問1】(1)調べ上げ | 易 | 3分 | ★ |
【大問1】(2)平面図形 | 標準 | 7分 | |
【大問1】(3)整数 | やや難 | 12分 | |
【大問2】平面図形 | 標準 | 7分 | ★ |
【大問3】数の性質 | 標準 | 10分 | ★ |
【大問4】立体図形 | やや難 | 7分 |
国語の攻略ポイント
「小説」の大問1題という出題形式で一貫している(2023年度も同じ)。小問数は12~15問程度(本年度は昨年度より1問減って12問)。
その中で「漢字の書きとり」(例年全15問)、「総合的知識問題(国語常識含む)」も出題される。文章量は7000~10000字ほど(本年度は昨年度とほぼ同じで約9200字。ただ、近年、増減が激しいので要注意)。「設問内容」は、「選択肢」(「不適切」「複数解答」などあり)、「抜き出し」、「空所補充記述」、「語句記述」、「説明記述」等と多彩だ。本年度は「選択肢」(「不適切」、「複数解答」、「総合的知識問題」あり)、「説明記述」、「漢字の書きとり」。そうした中で本校の合否を左右するのはやはり、例年「配点」の3~4割超を占める「説明記述設問」(本年度は3年連続で5問。配点は5割強)。しかも、「字数制限」が厳しいことも大きな特色だ。「20字~140字程度」まで、毎年さまざまな「字数指定」がある(本年度は「30字~120字」)。そのような範囲内で、「必要な要素」をいかに「過不足なく」まとめていけるかが勝負となる。本校の入試担当者も「記述は丁寧に採点している」と明言しているので、「細部」までのこだわりが求められていることを肝に銘じておくこと。
尚、本年度、本校としては初めて「資料読み取りの考察問題」(不適切選択肢)が出題された。明らかに2021年度から実施されている「大学入学共通テスト」を意識した設問で、新たな傾向として定着するのか来年度以降に向けて要注目だ。120点満点。試験時間は60分。
2023年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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「小説の読解」(「漢字の書きとり」と、「選択肢」6問、「説明記述」5問) | やや難 | 60分 | ★ |
理科の攻略ポイント
物理・化学・生物・地学の4分野から出題された。昨年同様大問1は各分野からの小問集合、大問2以降は各分野から大問1題ずつ、合わせて大問5題の構成。
基本知識を問う問題から思考力を問う問題まで多様だが、まずは各分野において確実な知識をしっかり身につけることが最優先である。
2023年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問1】 小問集合 | 標準 | 8分 | |
【大問2】 化学 物質の性質と判別 | 易 | 8分 | ★ |
【大問3】 地学 地層と化石 | やや難 | 8分 | |
【大問4】 生物 フクジュソウ | やや難 | 8分 | |
【大問5】 物理 振り子の運動 | 標準 | 8分 | ★ |
社会の攻略ポイント
「地理」「歴史」「公民」「時事」と全ての単元から出題される。2023年度は加えて昨年度同様に「思考問題」があった。大問はなく、「ひとつのテーマについてのリード文(会話文)」などに関連してさまざまな小問がある「総合形式問題」が本校の基本スタイル(本年度は「リード文」)。
単元別の配点比率は、近年揺れ動いている(要注意だ)。かつては基本的には「地理」と「歴史」がメインだったが、昨今は「歴史」が圧倒的に多くなり、「地理」の影が一気に薄くなっている。本年度は「歴史」が約36%で、「公民」が約26%、「思考問題」は15%、「地理」と「時事」はともに約11%。小問数は10程度で解答数が20強(本年度は小問が10で、解答数は21)。解答形式は「選択肢」(「不適切」「組み合わせ」「複数完全解答」などあり)、「事項・人名等記述」(「漢字」などの指定あり)、「説明記述」(例年10問弱だったが、近年は減少傾向で本年度は昨年度よりさらに減って4問)。「地図」「地形図」「統計資料」「歴史史料」「図版」「絵図」「写真」などからの出題が例年ある(本年度は「歴史史料」が未出)。
他校ではあまり類を見ない問題もあるので要注意だ。特に「統計資料の読み取り」では難易度の高いものがある。新たな大学入試制度で重視される「思考力・判断力・表現力」を意識した問題が3年前に初めて出された。一昨年度は未出だったが、本年度は昨年度に引き続き出題された(やはり、対策が不可欠だ)。
いずれにしても、「思考力・処理能力の高さ」と同時に「スピード」も求められる。80点満点。試験時間は40分。
2023年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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「総合」(「地理」「歴史」「公民」「時事」、「思考問題」) | 標準 | 40分 | ★ |
駒場東邦中学校の合格者の声
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伸びる受験生はどうしているのか?家庭でのサポートで親が気をつけるべきことは何か?勉強のサポートの仕方から親子の関係性など・・・ぜひ参考にしてください。
学校 | 駒場東邦中学校 |
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偏差値 | 2023予測偏差値66(四谷大塚80%)・60(サピックス80%) |
併願校 |
1月入試では渋谷教育学園幕張中・市川中、2月は筑波大駒場中・聖光学院中・海城中・浅野中・栄光学園中・早稲田中・が多く見られる。 *入試日程の変更にご注意ください |
合格者 | 合格最低点を見ると、年度による差があるが、事前の過去問対策では最低60%はクリアしよう。出身塾別で見ると、サピックスが多く、日能研・四谷大塚・早稲田アカデミーが続いている。 |
進学実績 | 東大・東工大・一橋大を始めとした国立大に50%、早稲田大・慶應義塾大・上智大に100%以上、MARCHに30%が合格している。また、毎年卒業生の5割程度が上記大学の進学を目指して大学進学浪人を選択している。 |
その他 | 高校での募集を行わない完全中高一貫校。首都圏トップクラスの進学校で、東邦大学への推薦制度があるが、卒業生のほぼ全員が有名国私立大学へ進学している。 |
基本情報 |
所在地 〒154-0001東京都世田谷区池尻4-5-1 最寄駅 京王井の頭線「駒場東大前駅」徒歩10分・東急田園都市線「池尻大橋駅」徒歩10分 連絡先 ℡:03-3466-8221 沿革 昭和32年開校。 |