中学受験プロ家庭教師 慶應義塾普通部の傾向と対策
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慶應義塾普通部の傾向と対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

慶應普通部の入試傾向をプロ家庭教師の視点で解説します。役立つプロのノウハウをご覧ください。
お手元に過去問をご用意ください。

受験の攻略ポイント

慶應義塾系列の男子校。どの科目も、試験時間が短いためスピードを意識した演習をしておこう。また「教養人」を求めている慶應らしく「一般常識」を問う設問も多いので、日頃から意識しておこう。

算数 全問記述式で、式や考え方を記述させるスタイル。しかも試験時間が短いためスピードが要求される。
国語 難易度は一部を除き、「標準」か「平易」のレベル。ポイントは「知識問題」。
社会 最大のネックは「試験時間」。難易度から判断して、瞬時に「捨て問」を判別し次の問題に向かうことが必須。
理科 基礎知識が幅広く問われている。難しい問題で差をつけるのではなく、受験者の一般教養を問う傾向。

新しい傾向の出題が見られました

慶應義塾普通部では2018年度入試より、新しい傾向の出題がみられる。2020年度大学入試改革を踏まえた出題とみられ、受験生には対策が必要だ。

 

・2018年度 社会 【大問7】

学校に対する「携帯電話の学校への持込許可」という生徒からの「学校生活をより快適にするための提案」について、「どのような問題点があるか」を「1つ」挙げ、それに対する「有効な対策案」を自由論述させることにより、「思考力・判断力・表現力」を問う。新傾向問題対策のサンプルは少ないのが現状だが、「公立中高一貫校」で出題されるいわゆる「適性問題」についての対策などがひとつの方法となるはずだ。

算数の攻略ポイント

試験時間:
40分
満点:
100点

場合の数、数の性質、速さ、平面図形、立体図形(展開図に関する問題)の出題が多い。また、手を動かして作業していく問題がよく見られるのも本校の特徴である。一方、典型的な特殊算の問題は、それほど多くは出題されていない。

2023年度

分野・単元 難度 時間配分 必答問題
【大問1】計算問題 4分
【大問2】論理、割合 標準 5分
【大問3】規則性 やや難 5分
【大問4】立体図形 標準 4分
【大問5】平面図形 標準 4分
【大問6】平面図形 4分
【大問7】速さ 標準 9分
【大問8】場合の数 やや難 5分

国語の攻略ポイント

試験時間:
40分
満点:
100点

本校は近年、大問3題が続いている(以前は4題だった)。2023年度は「小説」と「随筆」(昨年度は「小説」と「論説文」)、「語句の知識」(「漢字の書きとり」含む)という3題。文章量は6000~7000字ほど。

本年度は昨年度の約7200字から一気に減少して約5800字。「設問形式」は、「選択肢」「抜き出し」「説明記述」「空所補充」「脱文挿入」などと多種多様だ(ここ4年は「脱文挿入」未出)。「説明記述」は例年数問(本年度は昨年度同様の4問)で、字数も「10~30字程度」と少ない(本年度は「30~40字」とやや増加)。当然、「設問内容」もバラエティーに富むが、慶應義塾(「普通部」に限らず)の特色として「漢字」以外のさまざまな「総合的知識問題」があるので、幅広い「知識」を日頃から身につけておくことが必要だ。また、「抜き出し」が比較的多いことも本校の特徴だ(本年度は8問と昨年度から倍増)。100点満点。試験時間は多くの上位校より短い40分。

2023年度

分野・単元 難度 時間配分 必答問題
【大問一】「小説の読解」(「説明記述」2問、「抜き出し」5問。「総合的知識問題」あり) 標準 24分
【大問二】「随筆の読解」(「説明記述」2問、「抜き出し」3問。「総合的知識問題」あり 標準 10分
【大問三】「語句の知識」(「漢字の書きとり」「熟字訓」「漢字パズル」) やや難 6分

理科の攻略ポイント

試験時間:
30分
満点:
100点

物理・化学・生物・地学の4分野からの出題であった。ここ何年かの出題を見ても、各分野から大問4題の出題構成である。本校の理科で最も特徴的なことは、「日頃から自然や科学に興味を持っているか?」が問われるつくりになっていることである。

特に生物分野では、形・色・生態などなどかなり細かい点まで問われることが多く、図鑑や資料集などに目を通しておく姿勢が求められる。

2023年度

分野・単元 難度 時間配分 必答問題
【大問1】生物 カタクチイワシ やや難 7分
【大問2】物理 自転車のしくみ 標準 8分
【大問3】化学・物理 プラスチックの性質 やや難 8分
【大問4】地学 地震 標準 7分

社会の攻略ポイント

試験時間:
30分
満点:
100点

「地理」「歴史」「公民」「時事」、全ての単元から出題される。そして、「考察問題」、さらには、単元を超えた「一般常識」を問う問題も頻出(2023年度は昨年度同様にひとつの大問になっている)。

大問は5~6題(本年度は6年連続での6題)。単元別の配点比率としては、「歴史」がメインなのは変わらないが、他は揺れ動いているので要注意。本年度は「歴史」が4割で「地理」は3割弱、次いで「一般常識」が2割弱で、「公民」と「考察問題」がそれぞれ5%強で「時事」はほんのわずか。全解答数は50~60程度(本年度は昨年度並みの57)。各大問は原則的にそれぞれ1単元対応だが、単元が混在する大問や総合問題もある(本年度も混在あり)。解答形式は、「事項等記述」(「漢字指定」等あり)、「選択肢」(「不適切」「組み合わせ」「複数完全解答」「整序」などあり)、「説明記述」(数問。本年度は2問)。「地図」「地形図」「統計資料」「歴史史料」「写真」「図版」「絵図」などからの出題がある(本年度は「地図」「統計資料」「歴史史料」「写真」「絵図」)。「基本レベルの問題」の中に「超難問」が紛れ、さらに、他の上位校では類例のないほど「大人の一般常識」が徹底的に問われる(慶應義塾は「教養人」を求めている)。いずれにしても、時間と解答数を考えると、「スピード」と「処理能力の高さ」が求められる「1点を争う勝負」となる。100点満点。試験時間は30分。

2023年度

分野・単元 難度 時間配分 必答問題
【大問1】「歴史」(「位置特定」あり) 標準 5分
【大問2】「地理」(「考察問題」の混在あり) 標準 5分
【大問3】「歴史」「公民」(「一般常識」の混在あり) 4分
【大問4】「歴史」(「考察問題」の混在あり) やや難 7分
【大問5】「地理」(「時事問題」「一般常識」の混在あり) 標準 5分
【大問6】 「一般常識」(「国旗」に関する問題) 4分

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学校 慶應義塾普通部
偏差値 2023予測偏差値63(四谷大塚80%)・59(サピックス80%)
併願校 聖光学院中慶應湘南藤沢中慶應中等部芝中渋谷教育学園幕張中市川中栄東中桐朋中浅野中渋谷教育学園渋谷中サレジオ学院中逗子開成中が多く見られる。
*入試日程の変更にご注意ください
合格者 合格最低点など具体的な数値は非公表だが、問題の難易度から判断すると、およそ7割程度が合格ラインではないかと推測される。出身塾別で見ると、サピックスが多く、早稲田アカデミー・四谷大塚・日能研が続いている。リーダーズブレインの生徒も同様の塾生が多いが、近年サピックス生の増加が見られる。
進学実績 ほぼ全員が慶應義塾大学に進学。進学できる学部は、普段の成績と本人の希望をあわせて確定する。
その他 慶應義塾系列の男子校。慶應義塾大学への内部進学を前提とした授業カリキュラムを行う。
基本情報 所在地 〒223-0062 神奈川県横浜市港北区日吉本町1−45−1
最寄駅 東急東横線・目黒線・市営地下鉄「日吉」より徒歩5分
連絡先 ℡:045-562-1181
沿革 明治31年慶應一貫教育体制が確立。
慶應義塾普通部

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