開成中学校 入試対策
2018年度「開成中学校の理科」
攻略のための学習方法
開成中の満点は70点、際立った難問はなく、標準レベルの問題が並んでいる。問題の形式としては、問題文・図・写真等を読み取った上で答える問題が中心であり、適語を答える問題・記号選択問題・計算問題が中心である。攻略のための学習法としては、基本知識を固めることは当然のこととして、計算問題を中心とした問題演習をしっかり積んでおくことが必要である。一問一答式の問題だけでなく、実験や観察の結果を分析して解答する形式の総合問題の演習もしっかり行って頂きたい。実験器具の使い方を問われることもあるので、実験や観察については、その進め方などもテキストで確認しておいて頂きたい。
また、過去には時事問題が出題される年度もあるので、日頃から科学や自然に関するニュースにも関心を持って欲しい。
分野毎の学習法
生物分野
生物分野 本年度は昆虫に関する出題であった。ここ数年を見ると、植物に関する出題頻度が最も高く、次いで、昆虫・動物・人のからだの働きに関しての出題が多い。
この分野の学習法としては、植物の分類・つくり・はたらきを中心に、生物に関する基本知識をしっかり固めることが最優先である。また、実験や観察について考えるタイプの問題演習もしっかり行って欲しい。
地学分野
本年度は天体および暦に関する出題であった。ここ数年では、天体に関する出題頻度が最も高く、次いで気象に関する出題が多い。
この分野の学習方法としてまずは、太陽・月・星の動きを中心に基本事項をしっかり固めることに力を入れて欲しい。天体の動きに関しては、なぜそのように動くのかの理屈を理解した上で覚えて欲しい。地層・岩石や気象に関しても知識をしっかり固めて欲しい。
物理分野
本年はてこのつり合いに関する出題であった。ここ数年では、てこ・滑車・ばねなどの力のつり合いに関する出題頻度が最も高く、次いで電気回路に関する出題が多くなっている。
この分野の学習方法としては、ばね・てこ・滑車・振り子・浮力などの基本知識を身につけた上で、計算問題の練習をしっかり行って頂きたい。
化学分野
今年度は物の溶け方と二酸化炭素の性質に関する出題であった。ここ数年では、気体の発生と性質、溶解度などに関する出題が見られる。また、ガスバーナーなどの実験器具の使い方についても頻繁に問われている。
この分野の学習方法としてまずは、水溶液や気体の性質、指示薬の色の変化など基本知識を固め、中和・溶解度などの計算問題演習をしっかり行って欲しい。また、実験器具の使い方、実験の進め方もしっかり学習して頂きたい。
過去問演習は時間も意識して取り組んで欲しい。その上で、できなかった問題についてはしっかりその原因分析を行い、同じ間違いをしないように対策して欲しい。分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用して頂きたい。
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2018年度「開成中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は30題程度で70点満点。試験時間は40分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で、ごく簡単な記述問題も見られた。
合格者の平均点は例年60点前後で、高い正答率が要求される。
試験時間は十分あるが、問題文をしっかり読み取ることや計算問題の処理に時間がかかるので、過去問等の時間を意識した問題演習もしっかり積んでおく必要がある。
【大問1】物理分野 てこのつり合いに関する出題
- 難度:標準
- 時間配分:9分
問1・問2 支点からの距離×おもりの重さ=回転力とすると、支点の左右で回転力が等しいときに、棒はつり合う。
問3 回転力が一定であれば、支点からの距離とおもりの重さは反比例の関係になる。
問4・問5 支点から左右のおもりまでの距離の比と、左右のおもりの重さの比が逆比になればよい。
10:おもりBの重さ=おもりBの重さ:40となるので、
おもりBの重さ×おもりB重さ=10×40=400=20×20
したがって、おもりBの重さは20gである。
問6 支点の左側の回転力が2×20=40 なので、右側の回転力も40にすればよい
1×10+3×10=40 なので、1と3におもりを下げればよい。
問7 同様に、回転力が40になるおもりの下げ方を考える。
1×40=40 2×20=40 4×10=40
1×10+3×10=40 1×20+2×10=40で合計5通り。
てこのつり合いに関する基本的な計算問題が中心。7でやや思考力が要求されるが、開成中合格のためには確実に全問正答しておきたい。
【大問2】生物分野 昆虫に関する出題
- 難度:標準
- 時間配分:9分
問1 カマキリの保護色は、獲物に気付かれずに近づくことと、敵に見つからないようにすることの2つの点で役立つ。
問2 カマキリなど昆虫の足は胸部についていることに着眼すること。
問3 カマキリ、バッタ、トンボは不完全変態である。
問4・問5 多くの昆虫は寒くえさの少ない冬は、卵や蛹の状態で冬を過ごす。例外として、「ナミテントウ」等は成虫の状態で落ち葉や石の下に隠れて冬を越す。
問6 ナミテントウのえさは、幼虫も成虫も「アブラムシ」である。
問7 ナミテントウは成虫で冬を越すことにより、春になった時にえさのアブラムシを見つけやすい。
ナミテントウについてはやや細かい知識が必要。問7では思考力も要求されるが、それ以外は昆虫についての基本知識を問う問題が並んでいる。
【大問3】化学分野 ものの溶け方と二酸化炭素の性質に関する出題
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1 表1より、水の量と硝酸カリウムの溶ける量は比例の関係にあることがわかる。
問2 水の量と硝酸カリウムが溶ける量は比例の関係にあることと、表2の水の温度と溶ける量の関係を使って考えればよい。
問3 60℃の水100gに硝酸カリウムは109g溶ける。109÷(100+109)=0.5215・・より四捨五入して約52%
問4 80℃の水100gには硝酸カリウムは169g溶け、269gの水溶液ができる。
また、20℃では31.6gしか溶けないので、137.4gの固体が出てくる。水溶液が200gでは、1374÷269×200=102.1・・・より、四捨五入して102gの固体が出てくる。
問5 二酸化炭素の性質に関する基本問題。一般的に、気体は水の温度が低い方がよく溶ける。
問6 二酸化炭素が水に溶け、酸性の水溶液(炭酸水)ができる。
ものの溶け方と二酸化炭素の性質に関する出題。計算問題も多くの問題集で取り上げられている標準的なもの。知識問題は基本的なものであり、確実に正答したい。
【大問4】地学分野 天体と暦に関する出題
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
問1 1日が24×60=1440分なので、1440÷360×0.5=2分
問2 3月21日は1月2日の78日後
78÷29.5=2あまり19 なので、満月から19日後、満月から新月が約15日なので、新月の約4日後の月で、三日月に近い月が西の空に見える。
問3 暦についての計算問題。3月21日から9月20日までが186日、9月21日から翌年の3月20日までが179日。
問4
(1)水星・地球・火星が一直線に並んでいるので、表1の数値を用いて計算すればよい。
(2)図2のように天体が並んでいるとすると、地球から近い順に、土星・木星・太陽(日)・水星・火星・金星・月となる。
これを、日を1番目に並べかえると、日・水・火・金・月・土・木問題文の説明より、24÷7=3あまり3なので、2番目は金曜日となる。
天体の動きや暦に関する計算問題が中心。問4については、問題文をしっかり読んで出題の意味をしっかり理解すること。
攻略のポイント
ここ数年合格者平均点は60点近く(満点は70点)で、約8割の正答率が要求される。超難関校開成中学とはいえ、理科の出題においては標準レベルのものがほとんどで、攻略ポイントとしては、まず各分野まんべんなく基本知識を固めること。
そして、水溶液・力学を中心に計算問題の練習をしっかり行うことがあげられる。中でも、てこのつり合いは出題頻度が高いので、時間をかけて学習して頂きたい。
入試直前には過去問等を使って時間を意識した問題演習も行って欲しい。
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