開成中学校 入試対策
2017年度「開成中学校の理科」
攻略のための学習方法
開成中の満点は70点、際立った難問はなく、標準レベルの問題が並んでいる。
問題の形式としては、問題文・図・写真等を読み取った上で答える問題がおもに出題されており、適語を答える問題・記号選択問題・計算問題が中心である。
図を描く問題、ごく簡単な記述問題も含まれていた。
基本知識を固めることは当然のこととして、計算問題を中心とした問題演習をしっかり積んでおくことが必要である。
一問一答式の問題だけでなく、実験や観察の結果を分析して解答する形式の総合問題の演習もしっかり行って頂きたい。実験器具の使い方を問われることもあるので、実験や観察については、その進め方などもテキストで確認しておいて頂きたい。
また、過去には時事問題が出題される年度もあるので、日頃から科学や自然に関するニュースにも関心を持って欲しい。
分野毎の学習法
生物分野
本年度は生物の誕生と増え方に関する出題であった。
ここ数年を見ると、植物に関する出題頻度が最も高く、昆虫・動物・人のからだの働きに関しての出題も見られる。
この分野の学習法としては、植物の分類・つくり・はたらきを中心に、生物に関する基本知識をしっかり固めることが最優先である。また、実験や観察について考えるタイプの問題演習もしっかり行って欲しい。
地学分野
本年度は川の流れの働きによってできる地形(河岸段丘など)に関する出題であった。
ここ数年では、天体に関する出題頻度が最も高く、次いで気象に関する出題が多い。
この分野の学習方法としてまずは、太陽・月・星の動きを中心に基本事項をしっかり固めることに力を入れて欲しい。天体の動きに関しては、なぜそのように動くのかの理屈を理解した上で覚えて欲しい。地層・岩石や気象に関しても知識をしっかり固めて欲しい。
物理分野
本年はてこのつり合いと浮力に関する出題であった。
ここ数年では、てこ・滑車・ばねなどの力のつり合いに関する出題頻度が最も高く、次いで電気回路に関する出題が多くなっている。
この分野の学習方法としては、ばね・てこ・滑車・振り子・浮力などの基本知識を身につけた上で、計算問題の練習をしっかり行って頂きたい。
化学分野
今年度はガスバーナーを使っての実験と水溶液に関する出題であった。
ここ数年では、気体の発生と性質、溶解度などに関する出題が見られる。また、ガスバーナーなどの実験器具の使い方についても頻繁に問われている。
この分野の学習方法としてまずは、水溶液や気体の性質、指示薬の色の変化など基本知識を固め、中和・溶解度などの計算問題演習をしっかり行って欲しい。また、実験器具の使い方、実験の進め方もしっかり学習して頂きたい。
過去問演習は時間も意識して取り組んで欲しい。その上で、できなかった問題についてはしっかりその原因分析を行い、同じ間違いをしないように対策して欲しい。分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用して頂きたい。
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2017年度「開成中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は30題程度で70点満点。試験時間は40分で例年通りであった。
適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で、ごく簡単な記述問題も見られた。
試験時間は十分あるが、問題文をしっかり読み取ることや計算問題の処理に時間がかかるので、過去問等の時間を意識した問題演習もしっかり積んでおく必要がある。
【大問1】化学分野 ガスバーナー・水溶液
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
ガスバーナーを使っての実験と水溶液に関する出題
問1 酸素に関する説明を選べばよい。助燃性があり、無色無臭。二酸化マンガンに過酸化水素水を加えると発生する。
問2 空気調節ねじを反時計方向に回して空気の量を増やせば、炎は青色になる。
問3 石灰水を白く濁らせる気体は二酸化炭素である。
問4 溶質が気体である塩酸とアンモニア水は、加熱して蒸発させると何も残らない。
問5 二酸化炭素が水に溶けた炭酸水は酸性なので、BTB液を加えると黄色になる。
問6 ガスバーナーの燃料の成分である水素が燃焼して、水蒸気が生じる。
問7 ビーカーの内側の「くもり」の正体は水滴である。
いずれも基本問題。確実に正答したい。
【大問2】地学分野 川の流れ・河岸段丘
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
川の流れの働きに関する出題
問1 B~Dの範囲で川が蛇行していたと考えられる。
問2 高さの最も高いアが一番古く、最も低いウが一番新しい。
問3 砂と泥の層はこの地域全体に広がっていることから図が作成できる。
問4 土地の隆起または海面の低下により川の流れが速くなり、侵食作用の力が大きくなる。
問5 川が蛇行しているとき、外側では流れが速くなり、侵食作用の力が大きくなる。
問6 川の流れで運ばれてきた堆積物は、角が取れて丸みを帯びているが、氷河の上にのって運ばれてきた堆積物は丸みがなく角ばっている。
問1~問4は河岸段丘のでき方を理解しているかがポイント。問4、5は易問。
問6の記述は、堆積岩の一般的な特徴を理解していれば十分対応可能かと思われる。
【大問3】生物分野 植物・動物の誕生と増え方
- 難度:標準
- 時間配分:9分
植物と動物の誕生と増え方に関する出題
問1 受粉する部分は「柱頭」。柱頭・花柱・子房を合わせて「めしべ」と呼ぶ。
問2 図2のAの部分は図3のエの部分になる。
問3 めだかの受精卵は付着毛で水草などにからみつく。
問4 胎児が必要とする栄養や酸素は、母親の胎盤からへその緒を通して与えられる。
問5 胎児内の二酸化炭素等の不要物は、へその緒から胎盤を通して母親の血液に吸収される。
問6 ヒトは生まれた後しばらくは母乳で育つが、メダカは生まれた後2,3日たつと自分でえさを食べるようになる。
問7 グラフよりAとDは生まれる時点での体長が受精卵の10倍以上になっている。
問8 受精してから生まれるまでの間に親から栄養を受け取って育つ生物は、あらかじめ受精卵に栄養をたくわえておく必要がなく、受精卵は小さいものになる。
問9 問8の条件からヒトとダイズが該当する。問題文の「ダイズの実は一度大きくなってから水分がぬけてやや小さくなる」という説明より、Aがダイズになる。
生物の誕生に関する標準的な問題が並んでいる。問題文やグラフの読み取りにも注意が必要である。
【大問4】物理分野 てこのつり合い
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
- ★必答問題
てこのつり合いに関する出題
問1 支点の左右で回転力(支点からの距離×重さ)が等しいときに棒はつり合う。
(36-7.2)×20÷36より16g
問2 26×16÷20 より支点から20.8cmの位置、棒の左端から15.2cmの位置に動かせばつり合う。
問3 棒の右端に16×2+20の52gの重さがかかっていると考えられる。
36×52÷60 より支点から31.2cm、棒の左端から4.8cmの位置に動かせばよい。
問4 20:16=5:4 支点からおもりの位置までの距離をこの比の逆比、4:5にすればよい。72cmを4:5に分けると32cmと40cmになるので、ひもの位置を左に4cm動かせばよい。
問5 左右の重さの比は5:4で変わらないので、ひもの位置も動かさないでよい。
問6 33.6×20=2.4× 棒の重さ +38.4×16より棒の重さは24g。
問7 棒の左端を支点として計算する。このとき、ひもにかかる重さは、20×2+16×2+24 より 96g
96× 棒の左端から支点までの距離 =32×72+24×36 より支点の位置を棒の左端から33cmにすればよい。
問8 問6、問7より、おもりの数が増えると、等間隔ではないが支点の位置は左へ動いていることがわかる。
てこのつり合いに浮力をからめた問題だが、浮力の知識はそれほど必要とされていない。
てこのつり合いの計算練習(棒の重さを考える場合も含めて)をしっかり行った受験生にとっては決して難問ではないであろう。
攻略のポイント
ここ数年合格者平均点は60点近く(満点は70点)で、約8割の正答率が要求される。
今年度の出題では、大問2の河岸段丘に関する出題が最も間違いやすく、その他の問題はほぼ完全に正答することが求められる。
開成中理科の攻略ポイントとしては、まず各分野まんべんなく基本知識を固めること。そして、水溶液・力学等の計算問題の練習をしっかり行うことがあげられる。中でも、てこのつり合いは出題頻度が高いので、時間をかけて学習して頂きたい。
入試直前には過去問等を使って時間を意識した問題演習も行って欲しい。
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