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開成中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「開成中学校の理科」
攻略のための学習方法

[記述]
まずは暗記レベルの記述を確実に出来るようにします。小問・一行レベルでの知識チェックを多くこなして知識を定着させるとともに、反応が素速くなるトレーニングを繰り返し行ってください。ここで重要なのは正確さです。理科の記述問題には、明確な採点基準があります。模試や過去問の直しでも、模範解答の記述と自分の解答がどう違うのか、しっかりと検証することが大切です。
よく出てくる記述問題は、模範解答をそのまま暗記してしまうのも手です。特に記述が苦手な受験生は、記入式のサブノートを利用してまとめの練習を兼ねて書き込んでいくとよいでしょう。とにかく正確な言葉で覚えてください。実験やグラフの考察では、思考力を要求されています。問題文から実験の様子を想像して考える練習をする必要があります。

[作図]
グラフの作図は、値をとって結ぶだけであれば特に対策は要らないと思われます。ポイントは通る点を先にはっきりと打ち、その形を直線なのか曲線なのかある程度見極めてからつないでいくことです。通っている点を確実に見られます。
植物や昆虫の作図は、スケッチや作図の練習が必要です。必ず自分で描いてみてください。全体のバランスや、本物に似ているかなどは重要ではなく、線をはっきり描き、どことどこがつながっているか、位置関係を明確にしたものが理科の図です。描いた際は必ず理科の先生にチェックしてもらうと良いでしょう。

[計算問題]
計算問題は、簡単な化学計算、力学計算が出来れば問題ありません。出題の仕方はとても分かりやすいので、ここで得点する受験生が多いのではないかと思われます。反対に、ここを苦手にしている受験生は絶対にクリアして差がつかないようにしておく必要があります。
化学計算でつまずくのはたいてい整理の仕方です。グラフや表からの数値の書き抜き方を覚えるとたいていすぐに出来るようになります。力学は書き込みが重要です。てこの回転力(モーメント)や浮力の力のつりあいを矢印を描きながら考えられるようになれば、差をつけられずにすみます。

[分野別の対策]
《生物分野》
知識ノートを作り、昆虫の食べ物、口の形、冬越し、完全変態・不完全変態については自分で図に描いてノートにまとめておきましょう。知らないことや忘れていた知識があったらその都度ノートに書き加えて、着実に知識を増やしていってください。植物も花の名前や実の形、花粉の形をテキストを見ながらまとめて、確実に覚えてください。一行チェック問題集を少なくとも1冊はきっちり完璧に暗記し、何を聞かれても答えられるとようにしておきましょう。
《化学分野》
開成志望で水溶液の性質を覚えていない受験生はいないと思います。易しい問題が出ることの多い分野ですが、この分野(水溶液、気体、金属)は知識を増やしておくとよいでしょう。26年度は、実験器具の扱い方についてもやや詳しい知識が出題されました。ガスバーナー、アルコールランプ、ろ過装置、試験管の扱い方、上皿てんびん、顕微鏡の扱い方は完璧にノートにまとめて覚えてください。
《物理分野》
標準問題が出来れば十分です。簡単な力学計算を中心練習しておいてください。
《地学分野》
その年の時事に絡めた問題が出題されることが多いです。26年度は「日食」、24年度は「地震」や「津波」、「液状化現象」について出題されました。新聞・ニュースなどで時事の知識や理解を深めておきましょう。また、太陽と気象が絡んだ問題は頻出です。日本各地での太陽高度や気温、降水量などのグラフをしっかり理解することが必要です。

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2014年度「開成中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大まかな時間配分は、以下のとおり。
「大問1」 気体の体積変化についての問題(5~10分)
「大問2」 実験器具の使い方・実験操作に関する問題(10分)
「大問3」天体(星座・日食)(10分)
「大問4」樹木の枝のつき方についての問題(10~15分)
さらに、詳しく以下に見ていく。

【大問1】

  • 時間配分:5~10分

気体の体積変化についての問題。

【問1】グラフを描く問題
表の値を書き入れ、グラフを描くだけの問題です。
問題文でも指示されているように、点を一つ一つつないでいくのではなく、点をすべて打ってから、なめらかにつなぐのがグラフを描くときのポイントです。

【問2】グラフを読み取る問題
グラフが正確にかけていれば、おもり3のときの空気の体積の値は12mLになります。計算でも確認したいところですが、これは問3と合わせて行います。表の数値表記にしたがって、12.0と表記することも重要です。

【問4】温度による空気の体積変化
主に、「選択肢を消去していき答えを絞り込む力」が問われている。題材を理科の分野から引っ張ってきているだけで完全に国語の問題である。やはり必答問題。

【問5】絶対零度を見つける
それ以下にならない温度、いわゆる「絶対零度」の存在を知っている受験生もいるでしょう。知らなくても解けますが。空気の体積が0mLになればよいので0℃から270℃下がればよいので−270℃となります。絶対零度が−273℃と知っていればさらに自信を持って答えられることでしょう。

【大問2】

  • 時間配分:10分

実験器具の使い方・実験操作に関する問題。

【Ⅰ】混合物を分けるホウ酸と鉄クギとガラスの粉を分ける問題
塩酸は水溶液ですからホウ酸も(塩酸の水に)とけてしまいます。さらに、鉄を濡らすと錆びてしまいます。この順序を確定するために「鉄クギをさびないようにホウ酸と分けて」という指示があるので注意。まず「磁石で鉄クギだけを取り出す」→「ホウ酸・ガラスの粉の混じったものに水を加えてホウ酸だけとかす」→「ろ過する」。ここで問題文を確認すると「鉄クギとホウ酸を別々にびんに保存するための方法」とあります。つまりろ過してろ紙に残ったガラスの粉は不要、ろ液を蒸発させてホウ酸を取り出すことが重要です。細かく丁寧に指示されています。国語力が必要です。

【Ⅱ】実験器具の扱い方についての問題。
実験器具の扱い方についての問題です。

【問2】 メスシリンダーのめもりを読む
液体の中央部(平らになっているところ)を読む、目盛りの1/10まで目分量で読み取る。以上の2点がポイントです。

【問5】 上皿てんびんの使い方
①重さが分からないものの重さをはかる
動かさないものを左に、上げ下ろしする方を右の皿に置きます。この場合、分銅を上げ下ろしするので分銅が右です。
②決まった重さをはかりとる
今度はホウ酸を上げ下ろしするのでホウ酸が右、分銅は左です。

【大問3】

  • 時間配分:10分

天体の問題(星座・日食)。

【問1】星の名称(夏の大三角)
はくちょう座が見えますから、位置関係からPはわし座のアルタイルと分かります。

【問2】星空の方位と時刻を求める
判断材料は星ではなく月です。三日月が地平線近くに見えています。これは夕方、西の空と分かります。

【問3】星空の季節を考える
夏の大三角が夕方、西に見えています。問題文には「はくちょう座は8月下旬の夜10時に天頂」とあります。そこで、問2より図の時刻を夕方6時頃とすると、10時の4時間前ですから8月下旬なら天頂(南中)よりも60°前(東)ということになります。その季節の星座は夕方東の空から上ってくるはず→夏の大三角と180°離れている星座→冬の星座(が夕方東にある)→「冬!」と判断してもよいでしょう。

【問4】4月の動き(1日後)
次の日に同じ位置に月がくる時刻。「月の南中時刻は毎日48分遅くなる」南中に限らず同じ位置にくるのが48分遅くなります。また、三日月は満ちていく途中の月です。

【問5】金環日食
2013年5月に金環日食が観察された時刻7時半頃でした。早く学校に行って、校庭や屋上で観察した受験生も多かったでしょう。

【問6】金環日食と皆既日食を判断する
月と地球の距離から金環になるか皆既になるか判断する問題です。地球と月の距離が遠いと金環。アが金環、ウが皆既はすぐに判断できるでしょう。見慣れた日食の図を、自分で再現できるかどうかという問題です。太陽の端から出た光の線が、地球の手前で交差すれば金環、交差する前に地球に当たれば皆既です。

【問7】月面から見た日食を考える
地球から金環日食が観察できるのは、月の見かけの大きさが太陽の見かけの大きさより小さくなったときです。図で確認しておくことも大切です。月で日食が起こるのは太陽・地球・月と並んだときなので、月から太陽までの距離は「太陽から地球」+「地球から月」と考えます。大きさよりも距離の比が大きくなっていますから、月から見ると地球より太陽の方がずっと小さく見えるはずです。日食が起こった場合、地球が太陽を完全に隠すことになるわけです。

【問8】月食の欠け方
問7の関連問題です。月食は月が地球の影に入って起こります。しかし、月から見た地球が大きく見えるということは、地球から見える「月に映った地球の影」も大きく見えるはずです。欠けている部分から地球の影を考え、月よりも大きな円になるものを考えます。

【大問4】

  • 時間配分:10~15分

樹木の枝のつき方についての問題。

【問3】別の図に置きかえる
図3の中から中位と下位の2つの図を、枝を線に書き変えて、1つの図に重ねて書いたらどうなるか、という問題です。枝が少ない下位の方から確認すると簡単にできます。中位の枝から確認すると時間がかかるので、攻め方で差が出る問題といえます。また、問題文をよく読まずに上位の枝を探したりすると、大きなロスタイムになります。

【問5】データ処理問題文に従い、値をまとめていく問題
表1を読んで「何をしているのか」をまずは理解し、表2では上位と下位の枝の数を比較します。上位に枝がある方向と同じ方向に枝があるかないかを考えます。

【問6】上位と中位の枝が下位の枝に及ぼす効果
(う)と(き)を比較します。上位は中位より下位の枝に及ぼす影響が小さいことが分かります。中位のほうが下位に近いうえ、上位より枝が長いので日光をより遮ります。

攻略のポイント

開成の理科は、受験生のレベルに対してかなり難度の低いものになっています。毎年大問1~2題、やや難~難問も出題されますが、そのほかは易問~標準レベルのものばかりで、ほとんどの受験生が出来てしまい、差がつかないはずです。言い換えれば、理科の得意な受験生にとってはもったいない試験になり、苦手な受験生には負担にならないといえます。40分という時間も、配分さえ間違えなければ十分かと思われます。

出題形式や内容もまんべんなく、分析力・思考力・数値処理力のバランスのよい、ある程度完成した受験生を求めていると思います。まずは、標準的な理科の内容を、確実に押さえておくことが肝心です。一行問題で、十分な知識をまず身につけて、正しく言葉・用語が使えるように練習しておきましょう。実験・実験器具などについても繰り返し反復しておいてください。

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