反抗期の子供の心理や親子関係について説明している。

問１　「反抗期」の心理をまとめている部分が使える。認知能力の発達により、「自分独自の世界」ができてきて、「親の言いなりになることに抵抗」を示し、「自分の意志」を主張したくなるのである。
問２　Ａ. 空欄直後の「心の中で何を考えているかは外からはわからない」が選択肢ウと合う。
　　　Ｂ. 前段落の内容が選択肢アにつながる。
　　　Ｃ. 選択肢イの内容から空欄Ｃのあとの反抗期についてのまとめにうまくつながる。
問３　青年期には「自分独自の世界ができてくる」が心の中は外からはわからないので「親にも窺い知れない」ため、「何を考えてるんだかわからない」ということになる。そのことを「壁」と感じているのである。
問４　怒鳴ったり取っ組み合いになったりという激しい「直接的」な反抗は実際には少なく、あからさまには反抗しないが心の中やちょっとした態度で「間接的」な反抗をする場合が多いのである。
問５　オ. 親が「何でも知っているつもり」ならばそもそも「世代間境界の設定」など無いと思っているはずであるから、太郎の意見は矛盾している。

息子の清澄のことは何でも分かっていると思い込んでいた主人公だが、母の意見を聞いて自分の思い込みを考え直す。

問１　Ⅰ　思いの丈――思いのすべて・ありっ丈(あるだけ全部)。
　　　Ⅱ　すこぶる――非常に・たいへん。
　　　Ⅲ　無造作に――念入りでないこと。
問２　「ありがたいなって思う時もあった」けれど「もう少し心配してくれてもよかった」とも思っているようである。
問３　解説文で清澄の父親である全がデザイナーを目指して挫折していることが示されている。そうした経験から「全がなし得なかったことをどうして清澄なら可能だなんて言えるのだろう」「あの子に突出したセンスとか才能とかあるわけない」という否定的な思いがあり、さらに母親として「自分の子供のことは何でも知っている」と思っていることで断定的な言い方になっている。
問４　ア. 「他の人よりは恵まれた人生」などと他との比較で考えてはいない。
　　　ウ. 「過去に戻れたとしてもまた全と結婚するのだろう」と考えているので合わない。
　　　エ. 「子どもたちを無事に成長させることができた」と思っている様子はない。
　　　オ. 選択肢ウと同様、「間違った選択ばかりしてきた」とは思っていない。
問５　それまでは自分の勝手な思い込みにすべてを当てはめて清澄のことを考えていたが、母親との会話を通して清澄と自分の考えは違って当たり前であり、才能があってもなくても、失敗してもしなくてもそれは息子の自由な選択に委ねられていると考えられるようになった。
問６　イ. 「強いいかりを感じ」てはいない。
　　　エ. 久しぶりに「母と娘」として二人きりで話し合えたことを示しており、「母に甘える気持ちが生じていた」わけではない。

「反抗期」についての説明をまとめればよい。青年期には認知能力の発達により抽象的思考が働きだし、自分独自の世界ができてくる。親とは異なる考えや個性ができて自分の思うようにしたいという意思が強くなり、親とは独立した存在になろうとしているのである。

１．毛頭――(打消しの語をともなって)少しも～(ない)。
２.  骨子――物事の重要な部分。
３.  善後策――後始末をうまくつけるための方法。
４.  未練――あきらめきれないこと。
５.  形相――(特に怒りなどの激しい)顔つき。
６．横行――悪事がひんぱんに行われること。
７．支障――さしさわり・物事の進行に具合の悪い事情。
８．委ねる――すべてを任せる。