中学受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
中学受験専門プロ家庭教師が語る

雙葉中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「雙葉中学校の社会」
攻略のための学習方法

スライド式学習

「雙葉対策」では「地理」「歴史」「公民」全単元・全分野と「時事問題」(単独での出題は少ないが「多角的思考」には不可欠)の「知識」を確実に定着させることが最優先。「基礎的事項」はもちろん、細部にわたる「知識」や「深い理解」も必要なので、テキストの「注」や「囲み説明」等のチェックも重要。

完璧な「知識定着」が欠かせないのだが、悲しいことに人は忘れるもの。時が経てば経つほど忘れる。ここに落とし穴がある。基本的に「暗記」が最重要となる「社会」では、各単元をいつ学習し定着させたのか、その時期が問題となる。塾では通常、本格的な受験勉強が始まる5年になってから、「地理」⇒「歴史」⇒「公民」と単元消化していき、6年の夏休み前には終える。

その後は「復習」となるが、メインは圧倒的に定着すべき事項の多い「歴史」にならざるを得ない。そのまま、秋から冬となり「過去問演習」と続いていく。6年で学習した「公民」はまだしも、「地理」はどうだろうか? 実質的に1年以上の空白が生じてしまう。それはまずい。「地理」での「深い知識」が必要な雙葉では絶対に許されない。

そこで、独自の「復習」が必要となる。塾での学習時期とはずらして(スライドさせて)、まだ時間的に若干の余裕がある5年の冬休みやその後の春休みを利用して徹底的に「地理」の「復習」をしておくことがポイントだ。「重要事項チェック問題集」のようなものを活用するといい。さらに、その後も定期的に「地理」の理解を深めるような学習を内緒で続けておくことで、ライバルに差をつけておこう。

 

いもづる式学習

全ての単元に共通だが、「暗記事項」はそれぞれ単独(要は「一問一答方式」)で定着させても無意味だ。バラバラに覚えているだけでは、自分が覚えた通りに問われなければ結びつかないし、関連問題にも答えられない。ましてや、雙葉攻略のポイントである「多角的思考」など絶対に無理だからだ。

そこで重要となるのが「いもづる式学習法」。「点」で覚えているものを「線」で結び、さらには「面」をも理解するには不可欠の学習法だ。1つの「暗記事項」を確認する際、それに関連すると思われる「事項」を次から次へと思いつく限り引き出していく。単元も無視する。もし「言葉」としては覚えていても「内容」があいまいになっているものがあれば、すぐに確認しておく(ここでも「復習」できる)。

また、それらは「線」で結びついているはずなので、どのように結びつくのかを確認していく。その上で、それらが結びつく背景(=「面」)をも理解するようにする。このようにして改めて暗記し定着させた「事項」はどのような問われ方をしても、「線」で結びつけて答えられることになる。

さらに、単元もまたいでいるので、多様な問題にも対応できる。無論、「多角的思考」にも「いもづる式学習法」は力を発揮する。

 

手づくり式学習

特に「歴史」単元の「復習」で必要となる。塾での「歴史」の学習は通常、「政治史」を軸とした「通史」として「時代別」「時代順」になっている。しかし、雙葉などの上位校ではそうした単純なものはない。特定の切り口での「分野史」が多いし、必ずしも「時代別」「時代順」ではなく様々な時間軸で出題される。

それらに対応するために必要なのが「手づくり年表」だ。「政治史」「社会経済史」「外交史」「文化史」「人物史」等の「分野史」別の「年表」を作成しながら復習する。その際、「原始」~「現代」という長い時間軸にする。当然、「重要事項」だけしか記入できないが、それでいい。「関連事項」を頭に思い浮かべるようにすれば、「いもづる式学習」にもなる。

さらに、その「年表」には「世紀」と「日本の時代名」「中国の王朝名」も対応させて記入しておきたい。「世紀」と「時代」がすぐに結びつかないと答えられない問題が多いからだ。「年表づくり」を楽しみながらやってみよう。

 

細部へのこだわり式学習

「攻略のポイント」でも指摘したが、「雙葉対策」で欠かせないのが「細部へのこだわり」だ。「多角的思考」をするに当たっての前提は無論、それぞれの「要素」をいかに正確に読み取るかということ。そこから「考えるヒント」を見つけ出す。そのためには「細部」にこだわって読み取ることが必要となる。

当然、トレーニングが欠かせない。過去問や練習問題等を用いて、各「要素」の細かな「意味」「資料の数字」や「関連事項」などを全て材料として、そこから何が導き出せるのかを確認する練習をしなくてはいけない。導き出せることについては、過去問や問題集の「解説」に示されているはずなので活用する。

こうした「細部へのこだわり学習」を続けることで、次第に様々な「要素」から着目すべき「手がかり」が自然と浮かび上がるようになる。後は自分の「知識」とつなげて考えればいい。

 

意識継続式学習

いついかなるときも、常に何かを「意識」しながら学習することが重要だ。漠然と机に向っていても無駄なだけ。その時々、何を目的としてどのような学習(たとえば、上記の「○○式学習」)をしているのか、具体的に「意識」し続けていることが大切。

そうして何かを「意識」することが継続できるようになったら、次は同時にいくつものことを「意識」しながら学習したい。雙葉の入試本番ではたった30分という制限時間の中で、様々な「要素」を考え「条件」をクリアして答えなくてはならない。

だからこそ、「設問」を正しく理解しているか? 「要素」は全て確認したか? 「他の設問」との関連は大丈夫か?「条件」を満たしているか? つまらないミスはないか? といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」しながら学習する必要がある。

当然、「時間」も「意識」すること。入試では見直しの時間はないと思った方がいい。常にそれらの「意識」を継続しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ。

 

 

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

2018年度「雙葉中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問「地理」(「時事」が1問あり)。「都道府県それぞれの形状」を表した10の「図」からの出題。小問は全9問(解答数9)、「選択肢」(「複数完全解答」あり)、「事項記述」(「地名」あり)、「説明記述」(1問。「字数指定」なし)。

大問「公民」(「歴史」が1問あり)。「戦後70年間での日本社会のさまざまな変化についてのリード文」からの出題。小問は全8問(解答数9)、「選択肢」(「不適切」あり)、「事項記述」(「複数完全解答」あり)、「説明記述」(1問。「字数指定」なし)

大問「歴史」(「世界地理」が1問あり)。「どの時代にも変わらず人類が追求してきた、暮らしを安定させ向上させることについてのリード文」からの出題。小問は全18問(解答数19)、「選択肢」(「複数解答」「不適切」「年代整序」「時期特定」あり)、「事項記述」(「人名」「国名」あり)、「説明記述」(3問。全て「字数指定」なし)。

時間配分は、「説明記述」で各2分、その他は2分弱で3問を解くというペース。無論、メリハリのある「戦術」が求められる。

【大問1】「地理」(「時事」が1問あり)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

「47都道府県」のうちの10ヵ所についての「それぞれの形状」を表した「図」①~⑩に関連する出題。「地理」のなかなか厄介な小問が並んでいる。先ずは、それぞれの「図」の「都道府県」を特定しないことには何も始まらない。が、「縮尺」「方位」がバラバラなので、悩ましいものもある。
誰もが特定できるのは、①=「新潟県」、④=「青森県」、⑥=「愛知県」、⑧=「北海道」、⑨=「千葉県」だろう。
その他については、「海岸線」が「太線」で示されていることなどから、見極めていきたい。「左を向いた人の横顔」のように見える②=「山形県」、「横長で右に小さく海岸線」がある③=「東京都」、「海岸線がなく縦長」の⑤=「長野県」、「左下に2つの島」が連なっている⑦=「熊本県」、「右上がリアス海岸でその下は砂浜海岸」の⑩=「宮城県」だと判別したい。尚、1問だけ「時事問題」が紛れている。では、いくつかの小問を確認してみる。

[問1] 「図についての選択肢設問」(9択/複数完全解答)。「地理」単元。
上記都道府県のうち、「図⑤」と「隣り合うもの」を「すべて」答える。

「図⑤」=「長野県」だ。「隣接都府県」は頻出なので、「長野県」が最多の「8県」ということは知らなくてはいけない。確認しよう。時計回りに、北から新潟県、群馬県、埼玉県、山梨県、静岡県、愛知県、岐阜県、富山県だ。したがって、「答え」は①⑥だ。尚、「隣接都府県」が2番目に多いのは、「埼玉県」(7都県)と「岐阜県」(7県)だ。自分でチェックしておこう。

<時間配分目安:1分半>

[問2] 「図についての自然地名記述および選択肢設問」(河川名/10択/完全解答)。「地理」単元。
上記都道府県のうち、「日本で一番長い川よりも流域面積が広く、流域面積が日本で一番広い川よりも長さが短い川」を答える。また、「その川が流れる都道府県」を上記の「図」から答える。

何やら設問がややこしいので、正確に理解する必要がある。要は、「長さ」と「流域面積」を合わせて比較する問題。ともに「上位3河川」は必須定着事項だ。「長さ」⇒「信濃川」「利根川」「石狩川」、「流域面積」⇒「利根川」「石狩川」「信濃川」の順。よって、設問条件に合致する「答え」は「石狩川」だ。そして、流れているのは「北海道」なので、もうひとつの「答え」は⑧になる。尚「河川」に関しては本校に限らず頻出なので、「源流・河口の位置」も含めてしっかりと復習しておくこと。

<時間配分目安:1分弱>

[問4] 「図についての自然地名記述設問」(山脈名)。「地理」単元。
上記都道府県のうち、「図⑤」には「日本の屋根」と呼ばれる「山脈」が連なっているが、このうち、「日本海側にある隣り合う県にまたがっている山脈の名前」を答える。

「日本の屋根」は無論、「日本アルプス」のこと。

北から、「飛騨山脈」(北アルプス)、「木曽山脈」(中央アルプス)、「赤石山脈」(南アルプス)。「図⑤」の「長野県」には、これら全ての山脈が走っており、「木曽山脈」以外は他県にまたがっている。

そのうち、「日本海側にある隣り合う県」となれば、「答え」は「飛騨山脈」だ。同山脈は「新潟県」「富山県」「岐阜県」にまたがっている。尚、「赤石山脈」は「山梨県」と「静岡県」にまたがっている「山地」「山脈」などについても地図上でしっかりと押さえておきたい。

<時間配分目安:30秒強>

[問6] 「図についての選択肢設問」(2問/5択/複数完全解答)。「時事」単元。
上記都道府県の「図⑦は2016年に、図⑩は2011年に、大きな自然災害の被害を受けた」が、これらについて示されている(イ)~(ホ)の説明で「正しいもの」をそれぞれ答える。

「図⑦」は「熊本県」、「図⑩」は「宮城県」。「熊本県」で「2016年」といえば「熊本地震」(2016.4.14・16)、「宮城県」で「2011年」といえば「東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)」(2011.3.11)がそれぞれ発生している。各選択肢を確認する。(イ)「火砕流」、(ハ)「やませ」、(ニ)「高潮」による被害は「不適切」で、「図⑦」の「答え」は(ホ)「地震による土砂崩れの被害」、「図⑩」の「答え」が(ロ)「大津波による被害」となる。本校での「時事問題」は例年わずかだが、誰もが定着させているので、決して手を抜いてはならない。

<時間配分目安:2問で1分>

[問9] 「図に関連する条件付き理由説明記述」(字数指定なし、「50字ほど」の解答欄)。「地理」単元。
上記都道府県の「図③や図⑥にある日本を代表する貿易港」に関連して、「現在日本の輸入品の第1位は機械類」だが、「機械類の輸入が多くなった理由」を説明する。

「条件」は「理由を二つあげて説明する」こと。「図③」=「東京都」⇒「東京港」、「図⑥」=「愛知県」⇒「名古屋港」だが、ここでは直接は関係ない。

かつて日本の貿易の特徴といえば「加工貿易」だったが、ここ20年ほどの間に「機械類」の「輸入」が一気に伸びて現在ではトップになっている。なぜなのか? 「2つの理由」とは? ここで、「海外生産による逆輸入」と「新興諸国からの輸入」という2つの「キーワード」を思いつきたい。あとは、「過不足なく」まとめていく。

たとえば、「日本の企業が海外生産したものの逆輸入が増え、また、工業が発達した新興諸国からの輸入も増加したから。」といった「答え」になる。尚、「輸入」は「機械類」(26.0%)、「石油」(10.0%)、「液化天然ガス」(5.6%)、「輸出」は「機械類」(37.0%)、「自動車」(16.2%)、「自動車部品」(4.9%)の順。これらも覚えておくこと。

【大問2】「公民」(「歴史」が1問あり)

  • 難度:
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

「戦後復興から高度経済成長期を経て日本経済は大きく発展し、人びとの生活や社会がさまざまに変化してきたことについてのリード文」からの出題。「不適切選択肢設問」が多いことには注意を要するが、おしなべて平易な「公民」の小問が並んでいる(1問のみ「歴史」あり)。一気呵成に得点を重ねたい大問だ。1問だけ検討する。

[問4] 「下線部についての選択肢設問」(4択)。「公民」単元(「時事的要素」あり)。
リード文中の下線部④「多くの難民が発生」について、示されている(イ)~(ニ)の「難民」の説明で、「正しいもの」を答える。

各選択肢の「キーワード」で正誤判別する。

(イ)「日本は2010年以降5年間で1万人以上の難民を受け入れ」⇒日本は先進国の中で「難民受け入れ」が極端に少ないことは知っているはず(上記5年間での「難民認定者」たった95人)=不適切

(ロ)「国連加盟国によってつくられる『国境なき医師団』」⇒無論、「国境なき医師団」は国連機関ではなく「NGO(非政府組織)」=不適切

(ハ)「現在、世界で最も多く難民が発生している地域は東南アジア」⇒「シリア難民」で分かるように、「中東」「アフリカ」地域で約7割を占める=不適切

(ニ)「保護を必要とする難民の数は2016年末時点で過去最多」⇒「国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)」によれば、2016年末時点で過去最多の6560万人=適切。

よって、「答え」は(ニ)。尚、「国際連合機関」や「NGO」の代表的なものは必ず押さえておきたい。

<時間配分目安:1分弱>

【大問3】「歴史」(「世界地理」が1問あり)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:14分

「縄文時代から昭和時代まで、人類が生活を向上させるために道具や技術を発展させてきたことや、暮らしを守るための争いになどにいてのリード文」からの出題。「不適切」「複数」「整序」などの「選択肢設問」、「事項記述」、「説明記述」等々と目まぐるしく解答形式が変わっていく本校おなじみのパターンなので、混乱しないこと。
また、「正誤判別」で紛らわしいものがあり、なかなか厄介な「歴史」の大問だ(「世界地理」が1問あり)。悩ましい設問を中心に検証する。

[問2] 「下線部に関しての年代整序選択肢設問」(4択/複数完全解答)。「歴史」単元。
下線部②の「農業」に関して示されている(イ)~(ニ)を「日本で始められた順に並べて」答える。

本校に限らず上位校では頻出の「年代整序」。各選択肢の「キーワード」から「時代(時期)」を特定していきたい。

(イ)「牛や馬を使って耕作」⇒「牛馬耕」は「鎌倉時代」以降
(ロ)「千歯こき」⇒「江戸時代」以降
(ハ)「石包丁」⇒「弥生時代」以降
(ニ)「クリやマメ、イモなどを栽培」⇒「縄文時代」以降

したがって、「答え」は(ニ)→(ハ)→(イ)→(ロ)となる。「農業」では他に、「肥料」で「草木灰」⇒「鎌倉時代」~、「牛馬糞」⇒「室町時代」~、「金肥」⇒「江戸時代」~。「二毛作の始まり」⇒「鎌倉時代」~、「二毛作の広がり」⇒「室町時代」~なども判別できるようにしておくこと。尚、「年代整序」では「年代」の「数字」だけに頼るのではなく、「背景」や「流れ」を理解した上で「整序」していくことが肝要だ。

<時間配分目安:1分弱>

[問4] 「下線部に関する不適切選択肢設問」(5択)。「歴史」単元。
下線部④「法律や政治のしくみ」に関して、「律令を定めて中央に権力を集中させた」ことについての(イ)~(ホ)の説明で、「あてはまらないもの」を答える。

「律令制度」という視点で正誤判別する。

(イ)「中大兄皇子たちは蘇我氏を倒した」⇒「律令制度」をめざす「大化の改新」のきっかけとなった「乙巳の変」(645年)=適切

(ロ)「全国各地の生産物が税として都に運ばれる」⇒「律令制度」の税制である「租庸調」の「調」=適切

(ハ)「新しく開いた田や畑を自分の土地とすることを認める法律」⇒「墾田永年私財法」(743年)⇒「律令制度」が崩れるきっかけ=適切

(ニ)「貴族を役人として地方に派遣」⇒「律令制度」の地方支配の仕組みである「国郡里制」の「国司」=適切

(ホ)「聖徳太子がつくった、能力のある人を役人としてとりたてる制度」⇒「冠位十二階」(603年)⇒「飛鳥時代」で「律令制度」以前=不適切

よって、「答え」は(ホ)。「正誤判別」では、「内容」は当然として「時期」についても的確に判別することが肝要。

<時間配分目安:1分弱>

[問6] 「下線部についての選択肢設問」(5択/複数完全解答)。「世界地理」単元。
下線部⑥の「琉球」は「古くから日本や中国・朝鮮半島以外の地域とも貿易を行っていた」が、「その地域に含まれるもの」を、示されている(イ)~(ホ)から「二つ」答える。

各選択肢は、(イ)「インドシナ半島」、(ロ)「ハワイ諸島」、(ハ)「カムチャッカ半島」、(ニ)「ルソン島」、(ホ)「アラビア半島」。「琉球」(=沖縄)を中心とした「世界地図」を頭に描く。それさえできれば、「答え」は(イ)(ニ)だと特定できるはずだ。仮に1か所でも位置が不明な地域がある場合は、改めて「世界地図」を確認しておくこと。尚、「カムチャッカ半島」は「ユーラシア大陸の北東部にある半島」(ロシア)、「ルソン島」は「フィリピン」。

<時間配分目安:1分弱>

[問7(2)] 「下線部に関する選択肢設問」(6択)。「歴史」単元。
下線部⑦「(大陸のさまざまな文化を取り入れ)独自に発展させてきた」に関して、「平安時代にうまれた日本風の文化」についての説明(イ)~(ヘ)で、「正しいもの」を答える。

無論、「国風文化」のことだとは分かるはず。細部にこだわり各選択肢の「キーワード」で正誤判別していく。

(イ)「寝殿造」「たたみ」⇒「たたみ」は「室町時代」の「書院造」以降=不適切

(ロ)「天皇のきさきであった紫式部」「源氏物語」⇒「紫式部」は「一条天皇の中宮(皇后)藤原彰子(しょうし)に仕えた女官」=不適切

(ハ)「貴族に茶をのむ習慣」「茶の湯のための部屋」⇒「茶をのむ習慣」は「鎌倉時代」、「茶の湯のための部屋(茶室)」は「室町時代」以降=不適切

(ニ)「端午の節句や七夕」「打ち上げ花火」⇒「端午の節句や七夕」は「奈良時代」、「打ち上げ花火」は「江戸時代」以降=不適切

(ホ)「貴族は琴・笛をたしなみ」「囲碁や双六・蹴鞠を楽しむ」⇒「琴・笛、蹴鞠」は「平安時代」以降でいいが、「囲碁や双六」はいつからか? 知らなくて当然=不明

(ヘ)「防人や貴族たちの和歌を集めた『古今和歌集』」⇒「古今和歌集」は「平安時代」だが、「防人の歌」は明らかに「奈良時代」の「万葉集」=不適切。

したがって、「消去法」で「答え」は(ホ)だと判別できる。ちなみに、「囲碁や双六」は「飛鳥時代」から楽しまれていた(「隋書倭国伝」にすでに記されている)。尚、「文化史」を苦手としている諸君が多い。確実に復習し定着させておくことが肝要。

<時間配分目安:1分>

[問9] 「下線部についての説明記述設問」(字数指定なし、「25字ほど」の解答欄)。「歴史」単元。
下線部⑨「工業の近代化」について、「政府は官営工場をつくり、どのようにして欧米の技術を取り入れたか」を説明する。

「官営工場」での「欧米技術の取り入れ方」だ。すぐにはピンとこないかも知れない。であれば、たとえば、「富岡製糸場」を考えてみよう。フランスの製糸設備(繰糸機械)を導入し、フランス人技師のブリューナを招いて、製糸生産と女工の技術養成をしたことは覚えているはずだ。よって、たとえば、「欧米の技術者を招き指導を受け、機械設備を輸入した。」といった「答え」になる。どのように考えればいいのかがわからない場合、具体的事例から結びつけていくのがいい。

<時間配分目安:2分>

[問13] 「下線部に関する年代整序選択肢設問」(9択)。「歴史」単元。
下線部⑫「(鎌倉幕府の)滅亡」と下線部⑬「(豊臣秀吉の)全国統一」の「間にあったこと」を、示されている(イ)~(リ)の中から「6つ選び」、「年代の古い順に並べたとき」に、「4番目」になるものを答える。

2段階での「年代整序」、なかなか厄介だ。

先ずは、「鎌倉幕府滅亡」→「豊臣秀吉の全国統一」、ざっくりと「建武の新政」~「安土桃山時代後半」以外を「消去」する。(ロ)「壇ノ浦の戦い」⇒平安時代末期、(ニ)「関ヶ原の戦い」⇒安土桃山時代末期、(リ)「平治の乱」⇒平安時代後半、以上を「消去」して残りが「6つ」だ。

各選択肢から「時代(時期)」を特定していきたい。(イ)「室町幕府滅亡」⇒室町時代末期、(ハ)「刀狩令」⇒安土桃山時代後半、(ホ)「朝廷が二つに分かれる」=「南北朝」⇒室町時代初期、(ヘ)「応仁の乱」⇒室時代中期、(ト)「桶狭間の戦い」⇒室町時代末期、(チ)「本能寺の変」⇒安土桃山時代前半。したがって、以上を「整序」すると、(ホ)→(ヘ)→(ト)→(イ)→(チ)→(ハ)となる。したがって、「4番目」なので「答え」は(イ)だ。尚、「年代整序」で「同時代」の「順序」には特に配慮せよ。

<時間配分目安:1分半>

攻略のポイント

●最大のポイントは「選択肢設問」の攻略だ。特に、「正誤判別」では「適切」「不適切」が入り乱れ、「複数解答」も多いのでとにかく紛らわしい。どうするか? 重要なことは、「多角的思考」と「細部へのこだわり」だ。前者は、「リード文」「設問文」「統計資料」「歴史史料」等の「要素」と「自らの知識」を多角的に結びつけて考察するということ。そのために欠かせない「条件」が「細部へのこだわり」だ。考察する「要素」を読み違えていては元も子もない。いかに「要素」を正しく「読解」するかが重要になる。過去問演習等を通じて、「細部」にこだわった「要素」の「読み取り」を繰り返し練習する。そして、どのような「要素」を組み合わせるのかを「解説」で必ず確認し、自分でも「多角的思考」ができるよう、十分に訓練しておきたい。

●「社会」の合格ラインは非公表だが、70%は目指したい(過去10年間の「4科合計の合格最低得点率」は65.7%、本年度は低く59.3%)。「試験時間」を考えれば「戦術」は不可欠。基本は「取れる問題を確実に押さえる」こと。「取れそうにない問題は潔く捨てる」という覚悟も求められる。無論「単純ミス」は絶対にダメだ。「基本的知識」を確実に押さえることで、基礎点(6割強)は獲得可能だ。あとは「本校対策」の結果として勝ち取る。

●「地理」では「地図」「統計資料」などが必ず出題されるので(本年度は「都道府県の形状」のみ)、確実に覚えておくこと(「地図上の位置」「地形図」「地図記号」の確認は必須)。また、「統計資料」は必ず最新版を使いたい。テキストとしては「日本のすがた」(矢野恒太記念会編集)が分かりやすくてオススメだ。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

雙葉中学校の科目別
入試対策一覧

中学受験のために
家庭でできること

インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは

リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。

TOP

創業以来、
最高峰のプロ教師陣を輩出

TRADITION
SINCE 1985

1985年法人設立以来、プロ家庭教師のクオリティーにこだわり続け、現役プロ教師の中でもトッププロと呼ばれる真の実力を兼ね備えた合格実績豊富な家庭教師のプロだけをご紹介しています。
特に中学受験·大学受験·医学部受験専門のプロ教師のクオリティーに自信があります。