雙葉中学校 入試対策
2021年度「雙葉中学校の理科」
攻略のための学習方法
雙葉中理科の満点は50点。問題文や図などを読み取った上で解き進めていく考察力や思考力が必要な問題や計算問題も含まれる。また、記述問題も出題される。とは言っても、標準レベルの問題も多く、まずは塾のテキスト等で学んだ知識をしっかり固め、知識問題での失点を極力しないことが攻略への近道である。問題を解く上では、慌てて解答用紙を埋めようとするのではなく、問題文をしっかり読み取ることに時間をかけて欲しい。分野毎の学習方法は以下の通りである。
<分野毎の学習法>
生物分野
本年度は大問1の中に人のからだの働きに関する問いがあったが、この分野の全体に占める割合は小さかった。ここ数年を見ると人のからだの働き、昆虫の生態、植物などをテーマにした問題が見られた。いずれも単なる知識を問うものだけではなく、問題文を読んだ上で、各設問を考えながら解き進めていくものが多い。
この分野の学習法としては、まずは植物、昆虫、動物、人のからだの働きについての基本知識を確実に覚えることが第一であり、その上で、植物のはたらきや人のからだのはたらきを確認するための実験や観察の進め方についてもしっかり確認し、問題演習をしっかり行って欲しい。また、日頃から図鑑を見る、生物に関するニュースに気を配るなど、生物についての関心を持つことも大切である。
地学分野
本年度はプレートと地震に関する出題であった。ここ数年を見ると、月や星などの天体の動き、流水の働き、地層・岩石・化石などに関する出題が見られた。中でも地層のボーリング調査に関する問題の出題率が高く、今後も重点をおいて学習して欲しい。その他、天体・気象などの基本知識をしっかり覚えておくことも必要である。
この分野に関しても、単なる丸覚えだけでは対応できないタイプの出題が中心なので、長めの問題文を読んで解き進めていくタイプの問題演習もしっかり行っておきたい。火山噴火・地震によっておこる液状化などの様々な現象、フェーン現象、地球温暖化などの気象に関するやや詳しい事柄についても興味を持って学習して頂きたい。また、時事的な内容の出題も考えられるので、天体・気象・地震や火山噴火などのニュースにも関心を持って頂きたい。
物理分野
本年は熱の伝わり方および浮力とてこのつり合いに関する出題で、この分野の比重が大きかった。力のつり合い、電気回路、光の性質、磁石に関する出題などが見られた。
この分野の学習としては、てこ、浮力、滑車など力学の計算練習はもちろんのこと、電気、音、光などについても幅広く知識を身につけて頂きたい。また、問題集等を使用して、問題演習もしっかり行って欲しい。
化学分野
今年度は過酸化水素水の分解に関する出題であった。ここ数年を見ると、気体の性質、水溶液と化学変化、水の三態変化、二酸化炭素の発生、酸化などに関する出題も見られた。中でも、化学変化に関する出題頻度が高い。
この分野の学習方法としては、水溶液の性質や気体の性質、指示薬の色の変化などの基本知識は確実に覚えた上で、計算問題の練習もしっかり行って欲しい。「中和」「酸素の発生」「二酸化炭素の発生」「金属と水溶液の反応」「燃焼」「溶解度」などをテーマにした計算問題の練習に時間をかけたい。
過去問の練習もしっかり行って頂きたい。過去問を進める上では時間の使い方を意識して欲しい。問題文や図を読み取ることが大きなポイントとなる出題なので、その読み取りにどの程度時間をかけてよいのかを確認しながら過去問演習に取り組んで頂きたい。また、過去問以外では、同じようなタイプの問題の演習にも取り組んで欲しい。問題の選択については、プロの家庭教師に相談して頂きたい。
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2021年度「雙葉中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は25題程度で50点満点。試験時間は30分であった。(H22年より試験時間は30分)適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で、簡単な記述問題も見られた。試験時間が30分しかないが、あせらずに落ち着いて解くことが大切。問題文や図・表の読み取りを落ち着いて行って欲しい。
【大問1】化学・生物 過酸化水素の分解
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問1 「栄養分の貯蔵」「毒性のある物質の分解」より肝臓。
問2 止血の働きを持つ血液の成分は血小板。
問3 火をつけた線香が激しく燃えたことから、発生した気体は酸素。
問4 A液に含まれる物質の影響かどうかを調べるためには、その物質を含まない単なる蒸留水との比較実験が必要。
問5 酸素の発生量は過酸化水素水の量で、発生速度はカタラーゼの濃度によって決まる。
問6 過酸化水素がすべて反応して無くなると、酸素の発生は止まる。再度過酸化水素水を加えると酸素の発生が始まる。カタラーゼを含む溶液の働きを触媒とよび、反応の前後でその量は変化しない。
前半は肝臓の働きや血液の成分に関する問題、後半は過酸化水素水の分解に関する問題。いずれも基本知識が身についているかが問われる内容。「カタラーゼ」が肝臓に含まれることから、テキスト等で学習した酸素の発生に、二酸化マンガン以外に「生のレバー」も使えるという解説があったことと結びついたかどうかがポイント。ここでの間違いが多かった時は、人のからだの働きおよび酸素の発生について塾のテキスト等で復習すること。
【大問2】地学 プレートと地震
- 難度:標準
- 時間配分:6分
問1 地盤に力が加わってできるものは「断層」。
問2 日本付近のプレートに関する問い。問題中の図に描かれているので、それを見ながら答えればよい。
問3 P波が到達してからS波が到達するまでの間の小さな揺れを初期微動といい、震源から離れるほど初期微動継続時間は長くなる。またこれを利用して、大きな揺れが予想されるときに緊急地震速報が気象庁から発表される。
問4 記述問題。海底で起きた地震の情報をいち早く得るために、地震計は海底にも設置されている。
記述問題も含まれるが難問ではない。基本知識を基に与えられた図を見ながら考えれば十分に正答可能な問題が並んでいる。
【大問3】物理 熱の伝わり方
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
問1 熱している場所から同心円状に熱が伝わっていく。
問2 熱している場所から近い順に、A→C→Bの順に熱が伝わる。
問3 暖められた金属の蓋は膨張し、ガラス容器の口の部分の体積は変わらないので、蓋を開けやすくなる。
問4 アルミニウムと鉄では、アルミニウムの方が熱を伝えやすい。
問5 暖められた水は膨張して上昇することにより、対流が起こる。
問6 200Lで40℃の水を42℃にするためには、200×(42-40)より400カロリーの熱が必要。この熱が80℃のお湯から与えられる。400÷(80-42)÷5×60 の計算結果を四捨五入して、126秒の時間が必要。分と秒の計算に注意すること。
問5まで知識を中心とした出題。アルミニウムと鉄の熱の伝わりやすさに関する知識が身についているかが1つのポイント。
問6は熱量の計算問題。単位の変換を含めてやや複雑な計算になるので、落ち着いて処理して欲しい。カロリー計算ができなかった場合や前半の知識問題を落とした場合は、テキスト等でしっかり復習すること。
【大問4】物理 浮力とてこのつり合い
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
問1 100㎤のおもりが完全に水に浸かっているので、100gの浮力が働く。
ばねばかりの表示は、105-100 より5g。
問2 おもりの重さが105gなので、浮力も105gになると浮き始める。ビーカーの中の水の体積は500㎤なので、25gの食塩を溶かすことにより食塩水の密度が1.05g/㎤となり、おもりに働く浮力が105gとなる。
問3 625÷500 より食塩水の密度は1.25g/㎤となる。105÷1.25 より、おもりのうち84㎤が水に浸かると浮力と重さが等しくなりつり合う。
問4 支点からの距離が長い方にかかる重さが小さい、つまり浮力が大きい。
水に浸かったおもりと食塩水に浸かったおもりでは、体積が同じなので、食塩水に浸かったおもりの方に大きな浮力が働く。
問5 Aに働く浮力は30gなので、糸にかかる重さは60-30より30g。
30×10÷15 より、Bの糸には20gがかかっている。従って、Bに働いている浮力は40g。30㎤の食塩水に10gの割合で食塩が溶けていることになるので、10÷40×100 より25%となる。
浮力に関する出題で、問4・5ではてこのつり合いも加わる。水に食塩を加えても体積は変わらないが、加えて食塩の分だけ重さは増える、このことに注意が必要。
攻略のポイント
標準レベルの出題も多く見られるが、知識の丸暗記だけでは答えられない思考力・考察力を必要とする問題も含まれる。また、記述問題が多く、事象の本質をしっかり理解していないと書けない問いも多い。
本校の出題の例年の特徴として、実験や観察などに関する問題文、図、表を正確に読み取る力が他校の入試問題以上に求められる。今後も同じような傾向の出題が予想される。
本校の攻略のポイントとしては、まずは苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を身につけることがあげられる。その上で、過去問や問題集を使って、問題文や図・グラフなどを読み取って解くタイプの問題演習を数多く行って欲しい。さらに、記述問題の練習にも時間をかけたい。演習に使う問題に関しては、塾や家庭教師に相談して頂きたい。
時事的な内容を含む出題も多い。入試直前の時事問題対策も忘れないように。
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