雙葉中学校 入試対策
2017年度「雙葉中学校の理科」
攻略のための学習方法
雙葉中理科の満点は５０点、標準的な問題が多いが問題文や図などを読み取った上で解き進めていく力が要求される。
各設問を見ると、際立った難問はなく、塾のテキスト等で学んだ知識をしっかり使えれば解けるレベルである。慌てて解答用紙を埋めようとするのではなく、問題文をしっかり読み取ることに時間をかけて欲しい。
各分野ごとの学習方法は以下の通りである。
生物分野
年度は植物のつくりと働きに関する出題であった。
ここ数年では、植物・昆虫・人のからだの働きなどをテーマにした問題が見られたが、いずれも単なる知識を問うものではなく、問題文を読んだ上で、各設問を考えながら解き進めていくものであった。
この分野の学習法としては、まずは植物や動物、人のからだの働きについての基本知識を確実に覚えることが第一であり、その上で、植物のはたらきや人のからだのはたらきを確認するための実験や観察の進め方についてもしっかり確認し、問題演習をしっかり行って欲しい。
また、日頃から図鑑を見る、生物に関するニュースに気を配るなど、生物についての関心を持つことも大切である。
地学分野
本年度は気象をテーマにした地層に関する出題であった。
ここ数年では、星の動き、地層と岩石、東京の地形などに関する出題が見られた。また、今年は出題されなかったが、ここ数年で地層のボーリング調査に関する出題が何回か出題されており、
この分野に関しては特にしっかり学習しておきたい。その他、天体・気象などの基本知識をしっかり覚えておくことも必要である。この分野に関しても、単なる丸覚えだけでは対応できないタイプの出題が中心なので、長めの問題文を読んで解き進めていくタイプの問題演習もしっかり行っておきたい。
火山噴火・地震によっておこる液状化などの様々な現象、フェーン現象、地球温暖化などの気象に関するやや詳しい事柄についても興味を持って学習して頂きたい。
物理分野
本年は力のつりあいに関する出題であった。
ここ数年では、電気、磁石に関する出題などが見られた。この分野の学習としては、てこ、滑車など力学の計算練習はもちろんのこと、電気、音、光などについても幅広く知識を身につけて頂きたい。
化学分野
今年度は水溶液に関する出題であった。ここ数年では水の三態変化、熱量、二酸化炭素の発生、酸化などに関する出題が見られた。化学変化に関する出題頻度が高い。
この分野の学習方法としては、水溶液の性質や気体の性質などの基本知識は確実に覚えた上で、計算問題の練習もしっかり行って欲しい。「中和」「酸素の発生」「二酸化炭素の発生」「金属と水溶液の反応」「燃焼」「溶解度」などをテーマにした計算問題の練習に時間をかけたい。
過去問の練習もしっかり行って頂きたい。過去問を進める上では時間の使い方を意識して欲しい。問題文や図を読み取ることが大きなポイントとなる出題なので、その読み取りにどの程度時間をかけてよいのかを確認しながら過去問演習に取り組んで頂きたい。また、過去問以外では、同じようなタイプの問題の演習にも取り組んで欲しい。問題の選択については、プロの家庭教師に相談して頂きたい。
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2017年度「雙葉中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は４題、小問数は２０題程度で５０点満点。試験時間は３０分であった。（H２２年より試験時間は３０分）
適語を答える問題、記号選択問題が中心で、簡単な記述問題や作図問題も見られた。問題数は決して多くはないので、問題文や図・表の読み取りを落ち着いて行って欲しい。
【大問１】物理 力のつり合い
- 難度：標準
- 時間配分：7分
問１ 線対称の軸を３本（２本でも可）引き、その交点が重心となる。
問２ 支点より右側に重心がくるので、棒は時計回りに回転する。
問３ 支点の左側・右側で回転力（支点からの距離×おもりの重さ）が等しくなれば棒はつりあう。棒の重さはすべて棒の重心にあると考える。
問４ おきあがりこぶしが起き上がるためには、机に触れている点から真上に伸ばした線より起き上がりこぶしの底に近い側に重心があればよい。
問１～問３はてこのつりあいに関する基本問題だが、問３は記述問題になっている。支点のどちら側の何ｃｍ離れた場所におもりをつるせばよいか明確に記述して欲しい。
問４はやや難問で思考力を必要とする１題。
＜時間配分目安：７分＞
【大問２】生物 植物のつくりと働き
- 難度：やや難
- 時間配分：7分
- ★必答問題
問１ a 植物は体内の水分量を調整するために蒸散を行う。
b 空気中に最も多く含まれる気体ということから、窒素だとわかる。
c 光合成は水と二酸化炭素を材料に行われる。
問２ （１）図よりBが働いていると何になるかが判断できる。
（２）問題文より、Aが働かなくなるとCが働くようになることに注意。
（３）Cに異常が生じると、めしべもおしべもできなくなるので、子孫を残すこと
ができなくなる。
問３ 問題文の中に「根粒は、ダイズのようなマメ科の植物の根に見られる」と書かれてあり、これがヒント。レンゲソウはマメ科であるので根に根粒がある。これを土の中に混ぜ込むことにより、土の中に肥料（窒素）を増やすのが目的。
問１は基本知識の問題。 問２・問３は思考力を必要とする出題。問題文の中にヒントがあるので、しっかり読み取れているかがポイントになる。
＜時間配分目安：７分＞
【大問３】化学 水溶液
- 難度：やや難
- 時間配分：8分
問１ 実験の結果より、セロハン膜の左右の水溶液の濃さの差が縮まるように、水が移動していると考えられる。
問２ キュウリのまわりは濃い食塩水になるので、セロハン膜の実験と同様に、キュウリ内の水が外に移動していくと考えられる。
問３ これも同様に、卵のまわりの薄い膜の内と外で濃さの差が小さくなるように水が移動する。
問４ 実験結果を表した表より、食塩水の方が沸点が高い。
問５ １００ｇの水に２５ｇの砂糖を溶かしたとき濃さが２０％になる。２０ｇの砂糖を溶かしたときではないことに要注意。溶かした砂糖の重さと沸点の上昇度は比例関係にあることが表より読み取れる。
実験の内容、結果についての説明や表をしっかり読み取れるかどうかがポイント。問５は間違いやすい一題。
＜時間配分目安：８分＞
【大問４】地学 気象
- 難度：標準
- 時間配分：8分
問１ 気象衛星の名前は「ひまわり」。台風の雲は、台風に向かって反時計まわりに吹き込むようにできる。
問２ グラフより、最も雨量の多かったのは③の時間帯とわかる。
問３ 図を見るとわかるように、雨量計の底が目盛りの０になっていない。雨量を測定する前に、目盛りの０の位置まで水を入れておく必要がある。
問４ 雨水を受ける面積を容器の底面積の２倍にすることにより、目盛りの間隔も２倍にして、目盛りを読み取りやすくしている。
問１は基本知識を問う問題。それ以外は、グラフや図を読み取る力と思考力を必要している。
＜時間配分目安：８分＞
攻略のポイント
１から４まで標準レベルの出題が中心であるが、知識の丸暗記だけでは答えられないやや難度の高い問題も多い。実験や観察などに関する問題文や図を正確に読み取る力が他校以上に求められる。今後も同じような傾向の出題が予想される。
本校の攻略のポイントとしては、まずは苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を身につけることがあげられる。その上で、過去問や問題集を使って、問題文や図・グラフなどを読み取って解くタイプの問題演習を数多く行って欲しい。
演習に使う問題に関しては、塾や家庭教師に相談して頂きたい。
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