法政大学第二中学校 入試対策
2020年度「法政大学第二中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は3つ。それぞれに漢字や熟語・論説文の読解・小説の読解が割り当てられている。接続詞や慣用句などのことばの知識は読解問題と合わせて出題される。
文量は、論説文が3000~5000字・小説が5000字ほどで、計8000~10000字程度で多めである。総解答数は約30~45問と年度により差がある。
設問は選択式が多く、数問の書き抜きと1問の記述問題が含まれている。ここ数年、記述問題は論説文の読解で出題されている。60~80字ほどで、筆者の意見の中心部分を問う質問が多い。
[論説文の読解]
社会科学・人文科学の文章がよく使われている。受験生の年齢を考慮した出題で、文章が難しすぎるということはない。ここ数年、記述問題はこちらの分野で出題されている。60~80字と字数は多いが、説明的文章なので文中の重要点を抜き出して解答をまとめられる問題が多い。要点・要旨をしっかり把握できれば、字数を埋められるだろう。説明的文章の読解力を養おう。
・段落の整理
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながり
や論理の流れがわかりやすくなる。
・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引く
などしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおく
などするのも良い。
・要旨
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要
点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把
握が求められている。
[小説の読解]
中学生を主人公にした小説が多く用いられている。受験生と近い年齢の設定なので、その心情や行動も理解しやすいだろう。文学的文章の読解の基本をしっかりマスターして臨もう。
・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味
するところも違ってくる。
・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
・心情の把握
人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで
様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
・主題の理解
作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがあ
る。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
[選択肢問題について]
選択肢の文が長めである点、注意が必要である。文字数が多ければ時間も取られるし、見落としやすい要素もそれだけ増えることになる。細部の一言一句にも油断せず集中して読み切ろう。消去法で弾いていき、最後に2者で迷うことが多い。本文との細かい相違点・共通点を見逃さないよう、過去問で経験を積んでおこう。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2020年度「法政大学第二中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
素材文は2題で計8300字ほどと例年と変わらなかった。総解答数は36問とこちらも例年と同程度だった。
字数も多い選択肢問題であまり時間を取られたくないので、選ぶのに迷うようなら後回しにして記述問題と合わせてゆっくり考えよう。
【大問一】漢字の読み書き・ことばの知識
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
問一 ① 絹 ② 劇場 ③ 心臓 ④ きざ(む) ⑤ 政党
問二 ① しりぞ(く) ② さば(く) ③ こころよ(く) ④ けわ(しい)
問三 ① 目がない ② 腹をすえる ③ 鼻を明かす
問四 ① つぶさに――詳細に・丁寧に。
② にわかに――急に・突然。
③ やおら――ゆっくりと・静かに。
【大問二】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
道徳的な善悪が定義されても、「なぜ」それをするべきなのか・「なぜ」それをしてはいけないのかという疑問が提起できるのではないかと、持論を述べている。
問一 「たいていの子供たちは道徳に普遍性がないということに問題を感じる」「何が善いことで何が悪いことか、なんてはっきりしない」とあることが、選択肢ウと合う。
問二 第6段落の最後で、このあと功利主義的な考え方について書くと宣言している。そして「それは要するに」の後で説明しているので、そこを抜き出す。
問三 「善い・悪い」は道徳的、「好い・嫌な」は道徳外的と使い分けていることからも、筆者はこの二つを分けて考えるべきだと思っている。しかし、言葉にするとどちらも「よい・悪い」で表せてしまうところに混乱が生じてしまう、と言っているのである。
問四 第14段落で、「道徳的」に人を非難することが当然のよう(最終的で決定的)に行われていることに対して筆者の疑問が提起されている。
問五 筆者は「道徳的」であることを絶対視する一般の感覚に疑問・義憤を感じていた。意識してそれに慣れようとしていた。
問六 「みんな」「隙間」の言葉から考えて、第14段落の内容の後に入ればうまくつながる。
問七 道徳的な善悪の規準が定義されたとしても、それが「しなければならない・してはいけない」に直結してしまうことに筆者は疑問を呈している。「善=しなければならない・悪=してはいけない」と決めたとしても、「なぜ」という問いはどこまでもついて回ることになる。
問八 同じ12段落の中で、「善い・悪い(善悪)」を道徳的、「好い・嫌な(好悪)」を道徳外的として区別していることが説明されている。
【大問三】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:25分
- ★必答問題
主人公は母親との母子家庭で、母子の関係がぎくしゃくしている。最近、入り浸っている図書館でよく見かける外国人に興味を引かれる。
問一 A. 「最小限度、他人の存在に触れることができる」という言い方から、「少なくともひとりではない」。
C. 部分否定「必ずしも~(なわけでは)ない」。
問三 世慣れている大人の面とまだ現実の厳しさに慣れていない子供の面との両方を持っているということであろう。
問四 「夫がいなくても家を運営していけるという自負」「息子に不自由をさせないという責任」「無理して頑張っている」などのツクオの見方から、選択肢ウが選べる。
問六 年齢もよくわからない。しょっちゅう昼間から図書館にいる。ページをめくるスピードが速すぎてちゃんと読んでいるように見えない。観察していくうちにどんどん想像が及ばなくなっていくのである。
問七 一文の後半がどこにつながるかで考えるとわかりやすい。「暴力でもって~不満を爆発させるタイプの子でもなかった」→「だから、衝突はその言葉だけですみ」とつながれば「だから」の意味が通じる。
問八 母親の「しっかりやってくれ」は、子のために頑張っている疲れといらだちを主人公にぶつけて、「私(母親)に(対して)最悪感をもって存在しろよ」という命令なのだと主人公が考えていることが、次の段落に書かれている。
攻略のポイント
選択式問題が多く、選択肢の字数も多い。できれば素材文を1分600~700字ペースで読み、選択肢もなるべく迷わずに選びたいところだが、どうしても迷う問題は後回しにして、最後にじっくり考える。
ここ数年は記述問題は1問しかないが、配点が大きいので空欄にしてはもったいない。既定の字数を埋めて部分点は確実に稼げるように過去問をこなしておこう。
冒頭の漢字・熟語の問題も3割の配点があるので、ぜひ全問正解して、スタートダッシュを狙いたいところである。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
法政大学第二中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。