法政大学第二中学校 入試対策
2018年度「法政大学第二中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は3つ。それぞれに漢字や熟語・論説文の読解・小説の読解が割り当てられている。接続詞や慣用句などのことばの知識は読解問題と合わせて出題される。
文量は、論説文が3000~5000字・小説が5000字ほどで、計8000~10000字程度で多めである。総解答数は約30~45問と年度により差がある。
設問は選択式が多く、数問の書き抜きと1問の記述問題が含まれている。ここ数年、記述問題は論説文の読解で出題されている。60~80字ほどで、筆者の意見の中心部分を問う質問が多い。
[論説文の読解]
社会科学・人文科学の文章がよく使われている。受験生の年齢を考慮した出題で、文章が難しすぎるということはない。ここ数年、記述問題はこちらの分野で出題されている。60~80字と字数は多いが、説明的文章なので文中の重要点を抜き出して解答をまとめられる問題が多い。要点・要旨をしっかり把握できれば、字数を埋められるだろう。説明的文章の読解力を養おう。
・段落の整理
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながり
や論理の流れがわかりやすくなる。
・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引く
などしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおく
などするのも良い。
・要旨
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要
点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把
握が求められている。
[小説の読解]
中学生を主人公にした小説が多く用いられている。受験生と近い年齢の設定なので、その心情や行動も理解しやすいだろう。文学的文章の読解の基本をしっかりマスターして臨もう。
・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味
するところも違ってくる。
・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
・心情の把握
人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで
様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
・主題の理解
作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがあ
る。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
[選択肢問題について]
選択肢の文が長めである点、注意が必要である。文字数が多ければ時間も取られるし、見落としやすい要素もそれだけ増えることになる。細部の一言一句にも油断せず集中して読み切ろう。消去法で弾いていき、最後に2者で迷うことが多い。本文との細かい相違点・共通点を見逃さないよう、過去問で経験を積んでおこう。
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2018年度「法政大学第二中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
素材文は2題で計9500字ほどと前年より増えた。その分、総解答数は31問と10問以上少なくなっている。
字数も多い選択肢問題であまり時間を取られたくないので、選ぶのに迷うようなら後回しにして記述問題と合わせてゆっくり考えよう。
【大問1】漢字・熟語
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
問二 「うば」「しぐれ」「しない」「しろうと」。特殊な読み方の熟字訓。数は多くないので主なものは覚え
てしまおう。
問四 熟語の組み立て。得失・寒暖・可否・師弟。反意語を組み合わせたパターンである。
<時間配分目安:5分>
【大問2】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:25分
- ★必答問題
「自信」という他との比較に左右される自己評価などは気にせず、その時々の自分を肯定し、手を抜かずに生きればよいと筆者は考えている。
問二 いかにも自信をもって当然、という資質が入りそうである。「品行方正」という性質を持つ人が自信満々
で自慢げになることは考えにくいのでウは選ばない。
問三 筆者が自分の周囲の自信のある人に感じていた違和感の正体が、ずばりと言い表わされていたのである。
問四 自信=自己評価は他との比較で高くなったり低くなったりと相対的なものであるため、容易に失われる可
能性があるので常に不安が生じるのである。
問五 受賞したことを「その時かぎりの無責任な評価は本質的なものではない」と筆者は述べている。
問六 失敗した人を無能とあざ笑うのは、人としての品性に欠けていると言える。
問七 「そのとき」とは、直前の「自分をまるごと受け入れ、丁寧に、手を抜かずに生きる」ときである。そう
すれば、他との比較に左右される「自信」などにすがる必要はなくなるのである。
<時間配分目安:25分>
【大問3】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:20分
自分の都合ばかりを優先し体裁を気にする母や、わがままで意地悪ないとこへの憤懣がたまっていた主人公は、ついに良い子でいることを捨てて、いとこにいじわるのお返しをする。
問一 ア 十分に遠ざかってからため息をついているのでお母さんには聞こえない。
イ 「不満」はあるが、「憎しみ」までは抱いていない。
ウ 「お母さんと一緒に」行くのが嫌だったわけではない。
問三 エはよろこぶ様子を見せることが「ごまをする」とまではいかないので合わない。直前で「千絵ちゃんみ
たいな態度を私がとったら、お母さんがゆるさない」とあるので、アの「きちんとした態度」が合う。
問四 「捨てられたのは、はじめてだった」とある。今まではなんとか我慢してきたが、今回の千絵の態度はあ
まりにひどすぎたのである。
問五 「東京とはぜんぜんちがう、のどかですてきなところ」という言い方によって、「田舎」であることを強
烈に意識させる皮肉になっている。
問七 お母さんが「こっちの言葉でしゃべっていない(標準語を話している)」場面で、標準語の「効果」が説明
されている。いつもと違う主人公の態度に、千絵が距離をとり始めたのでそんな言葉づかいになったので
ある。
<時間配分目安:20分>
攻略のポイント
選択式問題が多く、選択肢の字数も多い。できれば素材文を1分600~700字ペースで読み、選択肢もなるべく迷わずに選びたいところだが、どうしても迷う問題は後回しにして、最後にじっくり考える。
ここ数年は記述問題は1問しかないが、配点が大きいので空欄にしてはもったいない。既定の字数を埋めて部分点は確実に稼げるように過去問をこなしておこう。
冒頭の漢字・熟語の問題も3割の配点があるので、ぜひ全問正解して、スタートダッシュを狙いたいところである。
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