中学受験プロ家庭教師 栄光学園中学校の傾向と対策
中学受験専門プロ家庭教師が語る

栄光学園中学校の傾向と対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

栄光学園中学校の入試傾向をプロ家庭教師の視点で解説します。役立つプロのノウハウをご覧ください。
お手元に過去問をご用意ください。

受験の攻略ポイント

神奈川県の男子最難関校のひとつ。どの科目においても標準的な問題は確実に解けるようにしておきたい。加えて高いレベルの「思考力」と柔軟な「発想力」が求められている。

算数 自らの手と頭を使って問題にじっくり取り組む姿勢、試行錯誤しながら粘り強く考え続ける力が必須。
国語 「出題傾向」「解答形式」が定着しているので対策はしやすい。難易度はバラつきあり。平易な設問は絶対に落とせない。
社会 「ひとつのテーマ」に沿って各単元から多角的に出題される。地理と歴史は「細かな知識」や「深い理解」が求められる。
理科 いずれの分野の学習においても、知識の暗記に終わらない、きちんとした法則の理解が必須。

新しい傾向の出題が見られました

栄光学園中学校では2018年度入試より、新しい傾向の出題がみられる。2020年度大学入試改革を踏まえた出題とみられ、受験生には対策が必要だ。

 

・2018年 社会【大問4】[問1]

内容説明記述設問に新機軸の出題がみられた。《国会ができる前》と《国会ができた後》で人々から集める税の内容を誰がどのように決めていたのかをそれぞれ説明する。設問内容から大問全体を捉えて「考察」し、その上で自ら「文脈」を整理して説明する能力が求められている。やはり、「思考力・判断力・表現力」を最重要視するという2020年度の大学入試制度を意識した設問になっている。従来の資料読み取り訓練と記述訓練に加えて、それらの力も磨く必要がある。公立中高一貫校で出題される「適正問題」の対策を試みることが一助となるであろう。

算数の攻略ポイント

試験時間:
60分
満点:
70点

場合の数、推理に関する問題、数の性質、速さ、平面図形、立体図形など、さまざまな分野から出題されている。本校の問題は特殊なので、単元ごとの標準的な学習だけでは対応できない。

標準的な問題については、どの分野でも対応できるようにしておくことは、最低条件である。

2023年度

分野・単元 難度 時間配分 必答問題
【大問1】平面図形 やや難 17分
【大問2】立体図形 17分
【大問3】規則性 やや難 12分
【大問4】論理 14分

国語の攻略ポイント

試験時間:
50分
満点:
70点

「論説文」(あるいは「説明文」。2023年度は「論説文」)と「小説」(本年度は昨年度と同じく「海外小説」の「翻訳作品」)、「漢字の書きとり」という大問3題という出題形式が定着している(本年度も同)。


文章量は近年増加傾向にあり、本年度は昨年度よりやや増加して約8500字。「解答形式」は「説明記述」がほとんどを占める。「字数指定なし」(「解答欄」はマス目なしで1~2行。1行=30~35字ほど)が多いが、近年は「指定字数あり」も増えている(本年度は3問)。他に「語句(事項)記述」や「抜き出し」、「脱文挿入」、「本文内容合致」などがある(本年度は「脱文挿入」あり)。「選択肢設問」は少ない(本年度は3問)。そして、「漢字」は「書きとり」のみ15問が基本だったが、本年度は昨年度同様に「10問」に減少した(定着するか? 今後の動向に注目)。「語句の意味」などの「総合的知識」が問われることもある(本年度は出題あり)。
いずれにしても本校の特徴は、やはり「説明記述」だ。「設問内容」は「理由説明」「換言説明」「内容説明」が多く、他には「心情説明」などだが、「設問」が求めている「要素」をいかに「過不足なく」まとめられるかがポイントとなる。当然ながら、本校に即した「説明記述対策」が必要となる。70点満点。試験時間は50分。

2023年度

分野・単元 難度 時間配分 必答問題
【大問一】「論説文の読解」(「脱文挿入」、「説明記述」3問あり) やや難 22分
【大問二】「小説の読解」(「総合的知識問題」、「説明記述」4問あり) 標準 26分
【大問三】「漢字の書きとり」(全10問) 標準 2分

理科の攻略ポイント

試験時間:
40分
満点:
50点

今年度は、「二酸化炭素の水への溶け方」をテーマとした総合問題1題の出題であった。近年は総合問題1題のみの出題であることが続いている。

1つのテーマに関して掘り下げて考えさせるという独特な問題のつくりになっている。塾のテキスト等の学習内容の理解は当然必要であるが、学んだ知識を用いて、与えられたテーマについて考える力が試される。本校受験者は日頃の学習において、単なる丸暗記に終わることなく、なぜ?を考え、分析し、分析結果を表現する学習を心がけて欲しい。

2023年度

分野・単元 難度 時間配分 必答問題
【大問1】二酸化炭素の水への溶け方 やや難 40分

社会の攻略ポイント

試験時間:
40分
満点:
50点

3年前に「歴史」単元の未出題という、中学入試の「社会」では前代未聞、驚天動地のできごとがあった本校。2023年度は再び驚きの展開となった。

ほとんどが「考察問題」で、「歴史」がわずかにあり、「地理」「公民」「時事」はゼロという出題内容だ(他に「一般常識」あり)。極端な揺れ幅なので、来年度以降も要注意。

ただ、本校の大きな特徴である「ひとつのテーマ」が全ての「大問」を貫いていることには変わりない。本年度は「牛乳」(近年では「三大都市圏」「旅行」「鉄鋼業」「横浜港」「お茶」「木」「紙」「石炭」「くるま(車輪がついた乗り物)」など、昨年度は「日本図(日本地図)」)。大問数は3~4題が基本だったが、本年度は6題。目まぐるしく変転する単元別配点比率、本年度は「考察問題」が8割強で、「歴史」は1割半ほど、そして、「一般常識」が1割未満。

解答形式では長短ないまぜの「説明記述」「考察論述」(本年度は「30字ほど」~「200字ほど」まで)が多く(本年度は11問)、次いで「事項等記述」や「選択肢設問」など(本年度はともに1問)。本校の特色は、他校ではあまりない「グラフ作成」「作図」「地図への書き込み」といった「作業問題」があることだったが、ここ3年は未出(ただし、油断は禁物だ)。「選択肢」「事項等記述」はさほど難易度は高くないが、やはり「説明記述」「考察論述」は一筋縄ではいかない。しかも、全体では相当の文字数を記さなくてはならないので(本年度は650字ほど)、時間配分を考えての優先順位を設けるといった「戦術」が求められる。また、「神奈川御三家」らしく「神奈川の御当地問題」も以前はよく出題されていた。
尚、ここ数年の出題内容の「揺れ動き」と4年続けての極端な「異変」から判断すると、2021年度から導入された新たな大学入試制度で重視される「思考力・判断力・表現力」が徹底的に問われていることは明白だ。来年度以降に向けても改めて大きな課題となる。50点満点。試験時間は40分。

2023年度

分野・単元 難度 時間配分 必答問題
【大問1】「歴史」(「説明記述」1問あり) 4分
【大問2】「考察問題」(「考察説明記述」2問) 標準 6分
【大問3】「考察問題」(「考察説明記述」と「時期整序」が各1問) 標準 4分
【大問4】「考察問題」(「考察説明記述」3問と「選択肢」1問) 標準 10分
【大問5】「考察問題」(「考察説明記述」3問) 標準 10分
【大問6】「考察問題」(「考察論述」1問のみ) やや難 6分

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学校 栄光学園中学校
偏差値 2023予測偏差値67(四谷大塚80%)・62(サピックス80%)
併願校 1月入試では、渋谷教育学園幕張中、2月は開成中麻布中駒場東邦中早稲田中浅野中聖光学院中海城中筑波大駒場中渋谷教育学園渋谷中が多く見られる。
*入試日程の変更にご注意ください
合格者 合格最低点を見ると、年度による差があるが、事前の過去問対策では最低60%はクリアしよう。出身塾別で見ると、サピックスが多く、日能研・四谷大塚・早稲田アカデミーが続いている。リーダーズブレインの生徒も同様の塾生が多い。
進学実績 東大東工大一橋大を始めとした国立大に60%前後(東大だけでは約20%)、早稲田大慶應義塾大に約100%合格している。また、毎年卒業生の4割程度が上記大学の進学を目指して大学進学浪人を選択している。
その他 キリスト教(カトリック)系の男子進学校。難関大学への進学実績からその人気は高い。高校募集は行わない完全中高一貫教育。
基本情報 所在地 〒247-0071 神奈川県鎌倉市玉縄4−1−1
最寄駅 JR東海道線・横須賀千・根岸線「大船」より徒歩15分またはバス「栄光学園前」下車
連絡先 ℡:0467-46-7711
沿革 昭和22年開校。
栄光学園中学校

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