示されている｢５つの県の特色･特徴｣を説明した(Ａ)～(Ｅ)について、それぞれの県の特定と関連する出題が並ぶ。｢地理｣の基礎的な問題がほとんどだが、やや悩ましいものもある｡いくつか確認する。

[問１]　｢説明文についての県名記述設問｣(漢字指定)。
｢説明文｣(Ａ)～(Ｅ)の県名を答える。｢キーワード｣から｢県名｣を特定していきたい。(Ａ)｢竿燈祭り｣⇒｢答え｣は｢秋田県｣､(Ｂ)｢温泉の数と地熱発電が日本一｣⇒｢答え｣は｢大分県｣､(Ｃ)｢47都道府県で人口最少｣⇒｢答え｣は｢鳥取県｣､(Ｄ)｢児島湾の干拓｣⇒｢答え｣は｢岡山県｣､(Ｅ)｢世界文化遺産｣｢観光業｣｢伝統的な繊維産業｣⇒｢答え｣は｢栃木県｣(これは紛らわしい。｢富岡製糸場｣＋｢繊維｣で｢群馬県｣と勘違いしないこと。｢観光業｣とあるので、｢日光の社寺｣の｢栃木県｣と特定すること)｡
＜時間配分目安：２分半＞

[問２]　｢説明文についての選択肢設問｣(４択)。
(Ａ)の県(＝｢秋田県｣)にある｢半島名｣を答える。｢答え｣は選択肢(ア)の｢男鹿(おが)半島｣｡平易なのだが、(イ)の｢牡鹿(おしか)半島｣(⇒｢宮城県｣)と混同しないこと。｢地名｣などは正確に定着させることが重要。
＜時間配分目安：30秒以内＞

[問３]　｢説明文についての事項記述設問｣(漢字指定)。
(Ｂ)の県(＝｢大分県｣)にあるほぼ円形に広がる｢半島名｣を答える。これは抜け落ちている可能性がある。｢答え｣は｢国東(くにさき)半島｣(｢読み｣にも注意)｡一般的によく知られている｢半島｣ではないので、注意したい。本校では、｢ディープな知識｣が求められると心得よ。平易なのだが、(イ)の｢牡鹿(おしか)半島｣(⇒｢宮城県｣)と混同しないこと。｢地名｣などは正確に定着させることが重要。
＜時間配分目安：30秒以内＞

示されている｢北海道の地図｣に関する出題。｢湖｣､｢緯度特定｣､そして、意表をつく｢説明記述｣と｢地理｣の｢エアポケット｣のような設問ばかりだ。なかなか悩ましい。検討する。。

[問１]　｢地図に関連する選択肢設問｣(４択)。
地図中に(ａ)として示されている｢洞爺湖｣の説明で｢正しいもの｣を答える。選択肢(ア)｢マリモ｣＝｢阿寒湖｣(北海道)､(ウ)｢日本一深い｣＝｢田沢湖｣(秋田県)､ここまではすぐに｢不適切｣だと判別できるはず。残りは厄介だ。(イ)｢典型的なせき止め湖｣､(エ)｢カルデラ湖で有珠山の近く｣､どうだろうか？　｢有珠山｣＝｢北海道｣なので、｢答え｣は｢(エ)｣と特定したい。尚、｢典型的なせき止め湖｣としては｢中禅寺湖｣(栃木県)を覚えておきたい｡やはり、本校は一筋縄ではいかない。
＜時間配分目安：１分以内＞

[問２]　｢地図に関連する説明記述設問｣(｢字数指定｣なし、｢40字ほど｣の解答欄)。
地図中に(ｂ)として示されている｢千島海流｣について、別名｢親潮｣とよばれる｢理由｣を説明する。はっ？　という感じに違いない。｢親潮｣は知っていても、その｢由来｣など知らなくて当然。が、あきらめてはいけない。｢知っていること｣に結びつけて考えていく。｢海流｣で｢親｣⇒魚など｢魚介類｣の｢親｣⇒｢魚介類｣を｢育てる｣⇒｢エサ｣が豊富､とつながるはずだ。従って、たとえば、｢魚介類のエサとなるプランクトンが豊富で、まるで魚介類を育てているようだから。｣といった｢答え｣になる。｢わたしが知らない｣→｢誰も知らない｣→｢知らなくても解ける｣と考えること。
＜時間配分目安：２分以内＞

[問３]　｢地図についての選択肢設問｣(５択)。地図中に示されている｢緯線｣(ｃ)について、｢北緯何度か｣を答える。｢北緯40度｣が｢秋田県大潟村｣ということは知らなくてはいけないので、選択肢は(エ)｢45度｣か(オ)｢50度｣に絞られる。｢秋田県｣→｢北海道｣､さすがに、｢緯度｣で｢10度｣は離れ過ぎだと判断したい。よって、｢答え｣は｢(エ)｣だ。｢緯度５度｣で｢約550㎞｣になる。尚、日本付近のおおよその｢緯度｣｢経度｣はつかんでおくと便利だ。
＜時間配分目安：30秒＞

｢本校の学校行事と縄文時代～明治時代までの歴史的ことがらを結びつけたリード文｣からの出題。｢歴史｣の平易な問題の中に、ドキッとするような難問が顔を出す。いかにも本校らしい。尚、[問３]で｢120以内｣という｢長文説明記述｣が出題されている。ビビってしまうかも知れないが、示されている｢説明文｣をつないでいけば難なく記述できるのだ。｢こけおどし｣に負けぬこと。以下、他の２問だけ検証したい。

[問１(ｂ)]　｢下線部に関連する選択肢設問｣(４択)。
下線部①｢学校｣に関連して、｢江戸時代｣の｢私塾｣についての説明で｢正しいもの｣を答える。何とも悩ましい問題だ。各選択肢の｢キーワード｣を確認すると、(ア)の｢シーボルト｣｢長崎｣｢鳴滝塾｣＝｢適切｣、(ウ)の｢吉田松陰｣｢京都｣｢松下村塾｣⇒｢京都｣ではなく｢萩｣なので＝｢不適切｣､ここまでは問題ないはずだが、他の判別が難しく戸惑ってしまう。(イ)の｢緒方洪庵｣｢江戸｣｢芝蘭堂｣⇒知らなくても不思議ない。｢江戸｣の｢芝蘭堂｣は｢大槻玄沢｣なので＝｢不適切｣(ちなみに、｢緒方洪庵｣は｢大阪｣の｢適塾｣)､(エ)の｢林羅山｣｢昌平坂学問所｣｢国学｣⇒｢林羅山｣に始まる｢昌平坂学問所｣は｢国学｣ではなく｢朱子学｣を正学としたので＝｢不適切｣(｢大学入試レベル｣だ)｡結局、｢答え｣は｢(ア)｣でいいのだ。｢確証｣は重要だが、最後は｢己を信じる｣こと。
＜時間配分目安：１分以内＞

[問６(ａ)]　｢下線部に関連する説明記述設問｣(｢字数指定｣なし、｢100字ほど｣の解答欄)。
下線部⑥｢諏訪神社｣に関連して、｢鎌倉幕府｣の｢御家人に対する対応｣は､｢承久の乱｣と｢蒙古襲来｣とでは違っているが、その｢違い｣について説明する。｢蒙古襲来｣のとき､幕府は御家人に対して十分な｢恩賞｣を与えることができなかったことは誰でも知っているはず。が、｢承久の乱｣ではどうだったのか？　｢違い｣があったというのだから、十分な｢恩賞｣を与えられたということになるに決まっている。では、なぜか？　ここは考える。｢承久の乱｣＝後鳥羽上皇に勝利⇒幕府は上皇側が支配していた土地を手中に収めた｡このように結びつけたい。なので、たとえば､｢承久の乱では幕府が後鳥羽上皇に勝利し、上皇側が支配していた土地を手に入れたので御家人に十分な恩賞を与えられたが、蒙古襲来では新たに土地を得たわけではなく、十分な恩賞を与えられなかったという違い。｣といった｢答え｣になる。改めて、｢知っていること｣を結びつけて考えることの重要性を肝に銘じよ。
＜時間配分目安：２分半＞

｢東京オリンピック｣に関連する２つの｢説明文｣からの出題。｢戦中～戦後｣の｢出来事｣についての｢正誤判別｣で難しいものがある。それを考えてみる。

[問２]　｢説明文に関連しての選択肢設問｣(複数完全解答/７択)。
｢1940年に東京でオリンピックが予定されていたが、中止となった｣ことに関連して。｢1940年代の出来事｣として｢正しいもの｣を｢全て｣答える。｢年代｣の｢数字｣だけに頼るのではなく、｢背景｣や｢流れ｣も駆使して判別していく。選択肢(ア)｢太平洋戦争がはじまる｣⇒これは誰もが知らなくてはいけない｢1941年｣＝｢適切｣､(イ)｢五･一五事件が起こる｣⇒これまた知っていて当然だが、仮に｢何年｣は忘れても、｢柳条湖事件｣の｢翌年｣という｢流れ｣＝｢不適切｣と判別したい､(ウ)｢アメリカからはじまった不景気｣＝｢世界恐慌｣⇒｢満州事変｣の｢背景｣＝｢不適切｣､(エ)｢広島と長崎に原子爆弾投下｣＝無論、｢1945年｣＝｢適切｣､(オ)｢朝鮮戦争はじまる｣＝知っていて当然の｢1950年｣＝｢不適切｣､(カ)｢サンフランシスコ平和条約｣⇒｢朝鮮戦争｣が｢背景｣＝｢不適切｣､(キ)｢学童疎開｣＝｢太平洋戦争中｣＝｢適切｣と､それぞれ判別できるはずだ。よって、｢答え｣は｢(ア)(エ)(キ)｣となる。多角的に判別することが、｢複数完全解答｣でのミスを防ぐポイントだ。
＜時間配分目安：２分＞

｢選挙権年齢引き下げ｣という｢時事ネタ｣を切り口とした｢選挙制度の問題点や憲法改正についてのリード文｣からの出題。｢公民｣の｢基礎的知識｣が問われている。｢全問正解｣で突破したい大問だ。１問ある｢説明記述｣だけを確認する。

[問７]　｢下線部についての説明記述設問｣(｢字数指定｣なし、｢50字ほど｣の解答欄)。
下線部③｢若年層の投票率の低下｣について、衆議院議員選挙の投票率をみると、｢20歳代の投票率は60歳代の半分程度｣だが、｢若年層の投票率が低いと政治上、どのような問題が発生するか｣を説明する。選挙権のない小学生にとって無縁のことだろうが、とにかく考えてみる。｢政治家｣(ここでは｢衆議院議員｣)は｢選挙｣によって決まる⇒｢選挙｣で当選するためにはより多くの支持が必要⇒｢投票｣してくれる有権者にアピールする⇒｢投票率の高い｣人々のための政策を重視する⇒結果、｢投票率が低い若年層｣向けの政策はおろそかになる。こうした｢問題点｣があるということだ。従って、たとえば、｢当選することを優先して､政治家が投票率の低い若年層向けの政策はおろそかにする可能性があるという問題。｣といった｢答え｣にまとめられるはずだ。｢公民｣では、｢大人の立場｣で考えてみることが肝要。
＜時間配分目安：２分＞

｢国家の主権が及ぶ領域に関して、現在の日本が抱えている『領土問題』についてのリード文｣からの出題。基本的には｢公民｣だが、｢領土｣なので無論、｢地理｣の問題も含まれる。
[問１]で｢北方領土｣のひとつである｢国後島｣の｢漢字記述｣があるが、本校志望者であれば書けて当然だ。この大問でも｢説明記述｣だけを考えてみたい。

[問４]　｢下線部についての説明記述設問｣(｢字数指定｣なし、｢50字ほど｣の解答欄)。
下線部③｢領土を守ることが重要｣について、｢領土を失うことで経済的にどのような不利益が生じるのか｣を説明する。ポイントは無論、｢経済的｣ということだ。そこから、｢排他的経済水域｣につながるはずだ。島国である日本では､どれほど小さい島であっても｢領土｣を失うということは、｢周囲200カイリ｣もある｢排他的経済水域｣を失うことになるということは分かるはずだ。なので、そうしたことをまとめればいい。たとえば、｢排他的経済水域を失ってしまうということであり、その海域の様々な経済的権利がなくなるという不利益。｣といった｢答え｣となる。やはり、｢キーワード｣に着目することがポイントだ。
＜時間配分目安：１分半＞