江戸川学園取手中学校の傾向と対策
江戸川学園取手中学校の入試傾向をプロ家庭教師の視点で解説します。役立つプロのノウハウをご覧ください。
お手元に過去問をご用意ください。 ※問題は、第1回
受験の攻略ポイント
茨城の共学難関校。どの科目も標準的な問題が多い。すべての分野の基本事項をまんべんなく習得した上で、江戸川学園取手の傾向に合わせた対策を十分にしておこう。
算数 | 問題そのものの難易度よりも、試験時間と問題数に慣れておくための対策が必要。 |
---|---|
国語 | 「要約記述問題」と「抜き出し問題」の対策が必須。 |
社会 | 基本的な問題の中にいきなり現れる難問を、どのように処理していくことが出来るかどうかがポイント。 |
理科 | 4分野からまんべんなく出題される。実験や観察に関する文章やデータや図から解答する形式に慣れる必要あり。 |
新しい傾向の出題が見られました
江戸川学園取手中学校では2018年度入試より、新しい傾向の出題がみられる。2020年度大学入試改革を踏まえた出題とみられ、受験生には対策が必要だ。
・2018年度 国語【大問三】
本年度新機軸として出題されたのが、「図表」が付された「読解問題」。大問全体を通して6つの図表があり、その読み取りまで求められている。しかしあくまでも国語の試験なので、図表を読み取った後に文脈に沿った回答をしなければならない。まさに「思考力・判断力・表現力」を問うている問題だ。今後もこのような傾向は続くと想定されるため、新たな「攻略法」へ向けての対策が求められる。中高一貫校で出題されるような、いわゆる「適正問題」等でトレーニングすると良いだろう。
算数の攻略ポイント
一昨年度まではテスト時間が60分と長く、問題数も多かったことが際立った特徴だったが、昨年度からはテスト時間は50分と標準的になり問題数も普通の分量になった。
よって、受験生の負担はかなり軽くなったと言える。
その上で押さえておきたい分野としては、「割合と比」「平面図形」「立体図形」「場合の数」「速さ」「数の性質」など多岐にわたり、近年流行の「立体の切断」の典型問題が大問で出題されている事からも、まずは受験算数全般を標準レベルまで仕上げる必要がある。
2023年度 第1回
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問1】計算と小問集 (計算問題3題・時計算・平面図形・回転体) | 易〜標準 | 約9分 | ★ |
【大問2】平均算 (必答問題は(1)) | 易〜難 | 約6分 | ★ |
【大問3】場合の数 (道順の応用問題 必答問題は(1)) | 易〜やや難 | 約9分 | ★ |
【大問4】平面図形 (座標を用いた平面図形 必答問題は(1)・(2)) | 易〜標準 | 約7分 | ★ |
【大問5】濃度算 (必答問題は(1)・(2)) | 易〜難 | 約9分 | ★ |
【大問6】立方体の切断 (必答問題は(1)) | 易〜やや難 | 約10分 |
国語の攻略ポイント
※本校では2023年度に3回の入試が実施されたが、ここでは全て「第一回入試」の説明。
一昨年度までは「読解問題」だけの大問3題が基本だったが、昨年度から大問2題となった。
2023年度も同様(文章内容は「小説」と「論説文」)。「漢字」を含む「総合的知識問題」は「小問」扱い。文章量は近年8000~9000字程度で推移していたが、本年度は唐突にほぼ半減しての約4600字(激変ぶりに要注意だ)。解答数は40弱(本年度は一気に減少して25)。「設問形式」は、「選択肢」「抜き出し」「空所補充」「本文合致」、「説明記述」(例年1~2問。本年度は2問)と「論述問題」(本年度は未出)など。
本校の特徴は大きく2つだ。先ずは何といっても「100字ほど」の「長文説明記述(論述)問題」だ。例年、設問の最後に待ち構えている難関。 本年度は昨年度同様に「80~100字以内」での「内容説明記述」で、「キーワードを3語用いる」という定番の「条件」が課されている。本校志望者は誰もがここにターゲットを絞り、「準備万端」で臨むはず。それだけに落とせない「鬼門」となっている。
もうひとつは、「抜き出し問題」や「空所補充問題」の多さだ。例年、全解答数の3~4割以上を占める(本年度は5割強)。尚、5年前に初出の「新大学入試制度」を意識した問題、本年度は昨年度同様に未出(しかし、来年度以降に向けて油断大敵)。100点満点。試験時間は50分。
2023年度 第1回
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問一】「小説の読解」(「抜き出し」「空所補充」あり) | 標準 | 22分 | |
【大問二】「論説文の読解」(「長文説明記述」あり) | 標準 | 28分 | ★ |
理科の攻略ポイント
物理・地学・化学の3分野および顕微鏡の使い方について出題された。生物に関する出題はなかった。ここ数年の出題傾向を見ると、生物を含めた4分野から出題されることが多い。
天体など出題頻度のやや高い単元もあるがどの分野もまんべんなく学習し、苦手単元を作らないことが大切である。知識を確実に固めた上で、ややレベルの高い問題の演習を行って欲しい。
2023年度 第1回
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問1】 物理 浮力 | 標準 | 8分 | ★ |
【大問2】 地学 流水の働きと地層 | 標準 | 8分 | |
【大問3】 化学 気体の発生と中和 | 標準 | 7分 | ★ |
【大問4】 顕微鏡の使い方 | 標準 | 7分 |
社会の攻略ポイント
※本校では2023年度に3回の入試が実施されたが、ここでは全て「第1回入試」の説明。
「地理」「歴史」「公民」「時事」の全ての単元から出題され、「考察問題」もある(2023年度も同。
たたし、純粋な「時事」単元は未出)。
大問は2年前までは6~8題だったが、本年度は昨年度同様の4題(近年やや流動的なので要注意)。各大問は各単元対応が基本だが、他の単元が混在する場合もある(本年度も同じ)。単元別の配点比率はここ数年大きく揺らいでいる。本年度は、「歴史」が36%、「地理」は28%、「公民」が20%、そして、「考察」が16%になっている(今後の動向にも目が離せない)。全解答数は例年50ほどだったが、「説明記述」が増加したために近年減少傾向で、昨年度一気に減少して、本年度も同数の24。
出題形式は、「リード文」「会話文」や「単一テーマについての説明文」などに関連して、「地図」「地形図」「統計資料」「写真」「図版」「年表」「歴史史料」等についての各単元に応じた「小問」が並ぶというもの(本年度、「図版」は未出)。解答形式は、「選択肢」(「不適切」「組み合わせ」「複数完全解答」などあり)、「事項記述」(「空所補充」あり。ほぼ「漢字指定」)、「整序問題」、「説明記述」(本年度は3問)など。時おり「地図記号」などの「書き込み問題」もある(本年度は未出)。
本校の特徴は、平易で基礎的な問題が並ぶ中に、突然、「深知り知識」が求められる「難問」が現れるということだ。そこで一瞬戸惑い、ペースが乱れて思考が止まってしまう可能性があるので要注意。
尚、「考察記述(論述)問題」が3年連続で出題された。新たな「大学入試制度」を意識したものなので、来年度以降も要注意だ。50点満点。試験時間は「理科」と合わせて60分。
2023年度 第1回
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問1】「地理」(「考察問題」1問の混在あり) | 標準 | 11分 | ★ |
【大問2】「歴史」(「時期整序」あり) | 易 | 6分 | |
【大問3】「歴史」(「正誤判別組み合わせ」あり) | 易 | 3分 | |
【大問4】「公民」(「考察問題」2問の混在あり) | 難 | 10分 |
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学校 | 江戸川学園取手中学校 |
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偏差値 | 2023予測偏差値 男53/女55(四谷大塚80%)男44/女44(サピックス80%) |
併願校 |
1月入試では 芝浦工大柏中、国府台女子学院中、2月は本郷中・巣鴨中・大妻中・立教池袋中、専修大学松戸中が多く見られる。 *入試日程の変更にご注意ください |
合格者 | 合格最低点を見ると、年度による差があるが、事前の過去問対策では最低55%はクリアしよう。出身塾別で見ると、四谷大塚が多く、SAPIX・日能研・早稲田アカデミーが続いている。 |
進学実績 | 筑波大・千葉大・東大を始めとした国立大に2割、早稲田大・慶應義塾大・上智大に3割強、MARCHに5割が合格している。 |
その他 | 茨城県有数の進学校。国公立大の医学部をめざす医科コースが高1から設置される。 |
基本情報 |
所在地 〒302-0025 茨城県取手市西1-37-1 最寄駅 JR「取手」徒歩25分またはバス「江戸川学園前」・つくばエクスプレス「守谷」よりスクールバス 連絡先 ℡:0297-74-8771 沿革 昭和62年開校 |