青山学院横浜英和中学校 入試対策
2019年度「青山学院横浜英和中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は5つ。大問1・2が漢字の読み書きや熟語・慣用句など、大問3が文章を並べ替える文脈の問題、大問4が説明的文章の読解、大問5が文学的文章の読解、というのがここ数年の定型となっている。
説明的文章約6000字・文学的文章約9000字の計15000字ほどの文量があり、速読が求められる。
問題数は35問ほど。選択肢と書き抜きが中心で、記述問題は2~3問、説明的文章・文学的文章どちらの分野でも出題されている。字数は20~80字ほどの指定があるが、マス目が無い問題では多少の増減は許される。
[説明的文章の読解]
論説的随筆文や説明文がよく用いられている。分野は人文科学や社会科学が多い。内容はそれほど難解なものではないが、6000~7000字もある長文なので抜き出す箇所や要点・要旨を探すのにも範囲が広い。読解を進めながら重要点や答えになりそうな部分に目星をつけて傍線を引いておくなど、手際よく正解を見つける工夫が必要である。
論説的文章の読解のこつをつかんでおこう。
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのように書いてしまうとわかりやすい。
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしてお
こう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
[文学的文章の読解]
小説の出題が多い。主人公が小学生~高校生くらいに設定されている話がよく用いられており、受験生にもなじみのある舞台が描かれ、読みやすい内容になっている。
9000字ほどもある本文は、場面の切り替えも多く読み取るべき人物の動きや心情も多くなる。素早く正確に読めるように、普段から読書量をなるべく多くするよう意識したい。
小説の読解の技術を高めておこう。
人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
[文脈の問題]
ばらばらにした文章を正しく並べ替える問題が出されている。文章の論理的な流れを読み取る能力を問うもので、題材として説明文が多く使われている。論理的な文章を多く読んで、文脈のつながりをよく見ておこう。
[文量]
素材文が15000~16000字にもなる場合がある。かなりの速さになるが、分速700字程度で見落としなく正確に読めるように練習しよう。
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2019年度「青山学院横浜英和中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は33問。読解問題では23問あるが、選択肢と書き抜きにそれほど時間は取られないだろう。やはり長文をいかにすばやく読み終えるかが大事になる。記述問題に少しでも多く時間を残せるよう、ペース配分に慣れておきたい。
【大問1】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
2. 本位――判断や行動の基本となるもの。
4. 「つのぶえ」――動物の角でできた笛。
5. 「こた(える)」――相手からの働きかけに対して、それに沿うような行動をとる。
【大問2】熟語
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
問一 製造工程
問二 1. ウだけ、「自画(を)自賛(する)」という「目的語+動詞」の関係。他の3つは似た意味の組み合わせ。
2. 打消しの語を付けた場合に、エだけ「無意味―非常識」と異なる。
問三 1. 前代未聞
2. 心機一転
【大問3】文脈の理解
- 難度:標準
- 時間配分:4分
ウ「それとほぼ同じ頃」が冒頭の幼稚園のエピソードを指している。→エ歯医者さんの話の続き。→ア・イ話題が変わっている。
【大問4】説明文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:18分
- ★必答問題
花が虫に花粉を運んでもらうための戦略を解説している。
問一 「植物とハチとは共に進化を遂げてきた」の内容は、「もっとも、」で始まる段落に書かれているので、その最後部の「進化をしていく。」の後に入る。
問二 人間は花を見て「美しいと思い感動する」が、植物が花を咲かせるのは子孫を残すためである、という流れになっているので、ウが選べる。
問三 「昆虫に花粉を運んでもらうため」というのが「花の色や形」の理由である。
問四 「問題」とは「さまざまな花を飛び回ってしまう」ことである。これを解決するために春先に咲く黄色い花は「集まって咲く」のである。
問六 「蜜標」があることと「花の形が細長く奥に蜜がある」ことを示せばよい。
問七 3行後ではっきり述べている。
問八 去年と同じ花(=同じ問題)ならすでに学習済みであり簡単に蜜を得られる。「新しい花」(=違う問題)だと、また花の仕組みを学びなおさなければならない。
問九 首尾――物事の成り行きや結果。「首尾よく」は上手くいったということ。
問十 花とハチは互いに利己的に行動しているだけなのだが、結果として互いの得になる関係が作られている。
問十一 ア 昆虫が活動を始める時期はそれぞれに異なる。
イ 本文には「多く集める」ではなく「特定の昆虫に働きかける」例が書かれている。
エ ハチは特定の花ばかりを回るので、×。
【大問5】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:24分
クラス委員長の選挙で惨敗した主人公だったが、自分と日向子以外に1票を入れてくれた人がいたことで勇気づけられる。
問一 「つぎの日、」が目立つが、1行前の「やっぱり、日向子は口だけだった。」が「つぎの日」のことなので、ここに場面転換がある。
問三 立候補することは父に話してあるらしいことと、当選は難しいと考えられるのに父親からは結果を期待されていることから、エを選ぶ。
問四 父親の期待に応えられそうもないというプレッシャーで食べた気がしないということなので、ウとエは合わない。
問六 不登校になっているらしい田町について、努力はしていると小野と真琴は言うが実際には田町の不登校は解決されていない→「結果」を出していない。また、委員長選挙には敗れたが、自分と日向子以外に自分に投票してくれた1人がいたことは、主人公に勇気を与えてくれる「結果」だったのである。
問七 自分に人望が無いことはわかっていたが、実際にスピーチに立ってみると皆のしらけた雰囲気があらためてはっきりと感じられてしまったのである。
問九 敗戦を予想していたとはいえ2票しか入っていないのかと思った時点では、「つるべ落とし」のように自分の気持ちも落ち込んでしまった。しかし、最終的にもう1人が自分に投票してくれたことがわかり、自分を信頼してくれる人がいたことで前向きな気持ちになっている。
問十 問九参照。「つるべを救った三票目」も手掛かりになる。
問十一 一人の時には自信の無さも見せているので、ウが選べる。
攻略のポイント
本校のように本文の文量が多い場合、読むのに時間がかかり過ぎて本来わかったはずの問題を解く時間が足りなくなってしまった、という事態は避けたいところである。速読は訓練で上達できる技術なので、早めに対応を進めておこう。
また、読解の技術として、ポイントになる部分をすばやく見つけられるようにしておくことも大事なので、要点や重要部分をマークするコツをつかんでおきたい。
言語事項も一定の配点を占めるので、基本的なレベルでよいのでひととおりは頭にいれておこう。
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