4年生の勉強法
SAPIX4年生の学習ポイント
4年生は中学受験の基礎学力を身につける重要な時期であり、この学年で学習する内容は、5年生以降の学習の土台となります。
SAPIXでは、受験へ向けた本格的な授業を展開し、お子様の豊かな発想力を自らの力で引き出せるようあらゆる角度から学習をサポートします。そのような学習環境と学習習慣によって、受験にとって不可欠である「思考力」を高め、「家庭学習の習慣化」を日常生活の中に定着させます。
またSAPIXにおける授業内容は、学年に関係なく『授業中心・復習重視』のカリキュラムになっています。他の塾のように教材が事前に配布されるのではなく、授業当日にその場で教材が手渡され授業が行われます。よって生徒が授業内容を予習することが出来ません。つまり生徒はより授業に集中し、講師が話す講義内容に真剣に耳を傾けることとなります。もちろんその後の、家庭での復習が極めて重要になります。
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算数の勉強法
4年生は「考える力」と「発想力」を身につける
家庭学習を定着させる
4年生における学習のポイントは、「基礎学力」の充実です。特に、算数に関しては受験算数に対応できるだけの「思考力」および「発想力」を身につけるスタートの学年となります。
受験算数の導入時期として4年生に求められる学習習慣の定着は、言い変えれば「家庭学習の定着」となります。週2回の授業を学習の軸として、時間的・精神的にも余裕のあるこの時期に、計算力の向上と特殊算の問題演習を徹底して行なうことが求められます。
また、授業時間は各1時間です。この1時間の授業において、集中力を切らすことなく、ほどよい緊張感を維持できるようにすることも大切です。
教材とテストを有効活用する
授業は「デイリーサピックス」を中心とした講義形式で行われます。復習(家庭学習)では、当日受けた授業の内容を「デイリーサピックス」で再度見直すとともに、「基礎力トレーニング」などのサブ教材を活用し、基礎力養成と定着をはかることが重要です。
また、重要な意味を担うのが各種テストです。
主なテストは「マンスリー確認テスト」、「復習テスト」、「組分けテスト」、「実力診断サピックスオープン」となります。必要以上にテストの結果に「一喜一憂」する必要はありませんが、「マンスリー確認テスト」と「組分けテスト」を学習プランの短期的目標と位置づけることは、お子様の学習の励みになるという意味でも効果的です。
「組分けテスト」は、3月・7月・1月に行なわれ、その合間で毎月1回「マンスリー確認テスト」が行われます。通常の授業をしっかり復習し、テストへの十分な対策を行ない、着実なクラスアップを実現しましょう。
「計算力」の向上と「特殊算」の習得
具体的に気を付けたい学習分野についてお話しいたします。
まずは「計算力」です。
中学受験では相当ハイレベルな計算力が求められます。「ハイレベル」というのは、「精度」と「速度」の両方を満たすという意味です。いくら計算が早くても「ミスをして不正解」、逆に正解を出せても「時間のかかり過ぎ」では、志望校合格を勝ち取ることは厳しくなります。したがって、「ハイレベルな計算力」が求められるのです。
4年生では、分数・小数のたし算・ひき算はもちろんのことかけ算・わり算を含むすべての計算演習(四則計算演習)を行ないます。カッコがある場合の計算や小数から既約分数への迅速で正確な置き換えができるかどうかがポイントです。つまり「計算ルール」を確実かつ正確に覚え、「計算ツール」として使いこなせているかが重要です。
次に「特殊算」です。
受験算数を攻略するうえで、受験生に求められる「柔軟な思考力」を身につけるためには、4年生の1年間でしっかり「特殊算」の解法にいたる論理展開を自分のものとしてもらいたいと思います。
4年生では授業の中で、和・差に着目して思考する「つるかめ算」・「過不足算」・「和差算」、そして、規則性を基に考える「植木算」・「方陣算」を扱います。
特に、「つるかめ算」は受験算数の広い分野に応用できます。4年生で「特殊算」に対して苦手意識をもってしまうと5年生、6年生と学年が上がるにつれて、ますますネガティブな気持ちを強めてしまい、「つまづき」の原因となってしまいます。
塾の教材をベースに、「授業」と「復習」を徹底して行ない、難しい問題を見事に解きほぐす「直観力」と「ひらめき」を手に入れましょう。
国語の勉強法
4年生は「読む力」と「書く力」を身につける
「読む力」と「書く力」の基礎養成
4年生における国語の学習指導のポイントは、自分の身の回りの世界を知る手段としての『言葉』を身につけ、また実感を伴うことで、『読解力』と『記述力』の基礎を身につけることです。
具体的には3つの世界を想定します。
第一に、「新たな言葉と出会う世界」です。
ここでは、四季折々の興味深いテーマの短文を読みます。そのような学習を通じて、入試で扱われる重要語句の使用法などを身につけます。
第二に、「文章を主体的に読んでいく姿勢を育てる世界」です。
ここでは、効率的で正しい読み方だけではなく、受験生が陥りやすい『失敗例』を示します。そのような失敗例を自ら学習することで、「主体的な読解」が定着していきます。
第三に、「長文を読み、登場人物の心情・物語のテーマ・筆者の考えを探求し自分なりの答案を作成する世界」です。
複雑で難解な長文を扱いますので、一回で正解にたどり着けないことも多くなります。4年生では、その様な学習を通じてお子様の理解力を深め、さらなる読解力を充実させ、最終的にはお子様の「頭の中」にある「考え」を、第三者へ伝える手段としての「答案」に的確に、論理的に表現(記述)できる力を育んでいきます。
教材とテストを有効活用する
クラスアップを実現する上で、「マンスリー確認テスト」と「組分けテスト」で日頃の学習成果を発揮させることが重要となりますが、「本番(テスト)では普段の実力が発揮出来ない。」と話される親御さんがいらっしゃいます。その理由としては、「時間配分ができていなかった。」、「緊張して本来の力が出し切れなかった。」、「何度も塾で学習した内容を復習したが(テストのとき)思い出せなかった。」などです。4年生のうちに各種テストを入試本番のように意識をして、時間配分の工夫や、どの問題から手をつけ始めるか、などの練習を積んでいくことが重要です。
じっくり読む読書習慣をつける
受験国語に必要な力を、「与えられた問題が受験生に何を求めているのかを正確に把握する力」であると考えるのであれば、その力とは「文章読解力」であることは間違いありません。
一般的に「読解力」は「読書量」に比例する、とよく言われます。夏休みや冬休みなどの長期休暇を利用して「読書習慣」を身に付けることも良いことでしょう。しかし、大切なことは「自分の頭で考える」という姿勢を貫くことです。漫然と「文章を読む」だけでは、真の「読解力」を身につけることは出来ません。また学年が上がるにつれて、「本をじっくり読む」ための時間的余裕はなくなります。それではどうすれば良いのでしょうか。答えは塾の国語教材にあります。
既にお話した通り、国語の教材では難解な長文を扱います。そのような文章をじっくり読み込む中で、各中学校がお子様に求める「真の読解力=真の学力」を身につけていきます。「じっくり読み込む」とは、常に「疑問」を持ち、「何故だろう」、「どうしてこう言えるのだろう」と自問自答し、自分なりの「答え」を見つけるということです。ただし、「答え」が自己満足になってはなりません。そのためには、文章を論理的に読み、自分の考えを論理的に組み立てるという作業の基礎を4年生で身につける必要があります。またそのことが、他3科目の学力向上の原動力となります。
理科の勉強法
机上の学習で終わらせず「観察のクセ」を身につける
5~6年になってからでは「感覚」は身につかない!
中学受験ではどうしても後回しになりがちな理科。6年生で理科が「わけがわからない」となっている生徒は、理科に興味を持たず「テキストだけ」の勉強をしてきた子が多いです。
中学受験理科で扱う内容は、ほとんどが身近で見られる現象。比較的余裕のある4年時に、ぜひとも「身近なものに結びつける」クセをつけましょう。極端な話、氷の密度は計算できても、氷が水に浮いている絵を描けない生徒がたくさんいます。そういう小手先の理解だと、5年時まではなんとかなっても入試問題には太刀打ちできません。
家事は「身近な理科」の宝庫。ヨウ素反応、中和、てこ、輪軸、飽和水蒸気量、すべてご家庭で簡単に再現できます。経験から身に着けた「理科的常識」で、未知の問題が解けることすらあります。東京では星は見えづらいですが、それでもオリオンやカシオペア、北斗七星くらいは普段から見ておきましょう。冗談のような話ですが、偏差値は高いのに太陽の昇る方角を答えられない6年生もいます。
理科が好きで得意な子の場合:読破する必要はありませんが、一冊、中学でも使えるくらいの理科事典があるとよいです。サピックスのテキストは分冊になっており「いまこの単元に集中する」のに有効。それに加えて「俯瞰性」を補充するテキストがあると生徒の理解が深まるからです。
理科に苦手意識がある子の場合:逆に、理科が苦手な生徒にとって理科事典は重荷に感じてかえって理科嫌いになるかもしれません。その場合は、焦らず、マンガ形式など平易に書かれた本でまったく構いません。理科に興味を持つところから始めましょう。
繰り返しますが、4年で理科の難問を解ける必要はありません。大事なことは、この時期に「身近な理科」を「経験」しておくことです。
テキストの活用法
サピックスの理科テキストは、4年時のテキストが6年でも使えます。単元ごとに整理をしておくことをおすすめします。4年のテキストは「図を描いて理解する」ページが豊富です。これは大いに活用しましょう。確認問題は、塾で指示された箇所をやれば大丈夫。巻末のデイリーステップとデイリーチェックは取り外して別途まとめておくと後々復習に役立ちます。
社会の勉強法
社会学習全体への関心を育む時期
4年生では中学受験の3分野の1つ「地理」を学びます。日本の国土に始まり地方別、続いて産業別に学び、併せて地図を見る力の養成にも力を入れています。地理の知識事項は数が多いので、正確な知識をコツコツ身につけてゆきましょう。
教材は「デイリーサピックス」が中心になります。地図帳の他に「都道府県地理カード」や「白地図トレーニング帳」も活用して下さい。
「デイリーサピックス」の本文を読み、地図帳を見ることを大切にして下さい。本文は他塾に比べて長く詳しい為、全文の理解と定着はなかなか難しいですが、図表や写真をよく見て、地図帳も参照しながら、その後の問題演習を通して知識を確実にしていって下さい。テキストは書き込み式になっていますが、直接書き込まずノートに解いて繰り返すことをお勧めします。重要語句はノートに何度も書き写すなど反復練習を欠かさず行い正確に覚えて下さい。巻末のデイリーチェックの、前回の復習もしっかり取り組みましょう。
塾教材の他に、写真やイラスト入りの市販の参考書も理解と定着に役立ちます。また親御さんが口頭で一問一答のテストをしてあげるのも効果的です。また理想的には、旅行等で実際に様々な場所に行くことが、関心を高める意味でも、覚えるきっかけを作る為にも、社会学習全体の大きな肥やしとなります。
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