SAPIX対策
男子T君の場合:
自ら考え分析する授業展開で弱点克服!
担当プロ家庭教師 | 坂田先生 |
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プロ家庭教師の指導期間 | 小学6年生8月~入試まで |
志望中学校(スタート時点) | 開成中 |
成績の推移 | 「SAPIX偏差値」 算数 57.5→70.7 |
自ら考え分析する授業展開で弱点克服!
スタート時
プロ家庭教師として、長年多くの受験生に少しでもお役に立てばと微力ながら尽力してきましたが、T君や彼の両親との出会いも、過去のそれらと同等に感動的であり、私の気持ちを十分に刺激してくれるものでした。体験時「自分の将来のことや希望、やりたいことなどを考慮しての学校選択の結果、開成が浮上。その為には今何をなすべきか…。」T君の口から発せられる熱い言葉に、揺るぎ無い自信を感じました。一方、やや過熱気味のT君に対しご両親は、学習や成績管理などを側面から支え、隙のない受験体制を整えられている印象を、会話から感じることができました。そんな中、「蟻の一穴から…」と危惧する父親の言葉に、改めて身を引き締め8月からの指導がスタートしました。(指導直前7月復習テスト算数偏差値57.5)
指導内容
私見で恐縮ですが、種々ある開成中合格の為の必要条件として、特に重要なものが3つあると思います。第1に絶対的計算力。例えば、解答途中の疑心暗鬼を誘発させる怪しい分数計算にも、信念をもって突き進むことのできる計算力を無くして、合格はあり得ません。(T君の計算力は電卓使用の私以上でした。)第2はスーパード根性。決して逃げない、諦めない、怯まない、強い精神力があればこそ対峙する問題の攻略が可能となります。(T君は逃げ出すどころか楽しんで解いていました。)第3に条件整理、場合分け。与えられた解答時間内で、条件を如何に整理し、突破口を見出し解き進めていくかの戦略をしっかり立てることは、一見時間の無駄のようですが、開成のような上位校では不可欠なことです。スピードもガッツもあるT君の唯一の弱点は、条件整理の甘さでした。体験時に「場合の数のミスが特に多い。」との父親の証言もありました。こうして6か月の短期間で、条件整理、場合分けの強化に的が絞られました。
家庭学習の改善
「最後まで丁寧な作業で!」を合言葉に、過去問、サピオープンテスト、SS教材などを通じ、場合分け、数え上げ、条件の整理などの処理を徹底的に演習しました。前述のように、上位校の算数は一読してすぐに解答処理できる問題構成にはなっていません。例題通りの単純な○○算ごとき問題は皆無です。文書をしっかり読み、手を動かし、脳をフル稼働してやっとそこがスタートラインです。圧倒的計算力やスピードを備えたT君ですが、自分を過信し過ぎ、逆にこのことが仇となって、場合の数のミスを誘発していたのです。速さや根性だけでは条件不足でした。
学習姿勢の変化と成績の推移
スタート時は、注意点をピックアップするなどの通常の指導体制をしていましたが、「より作業を丁寧」に行ってもらう為に、2人で問題を解き合い、互いの解答を説明し相手に質問する、2人共教師であり生徒でもある、2人2役の授業展開も導入しました。私の一方的な説明だけではT君は満足せず、このことは必然の流れでした。直接「○○しなさい」と言うより、「これどうなっているの」と疑問をぶつけて自ら考え、修正できる態勢を作ったのです。実際T君の解答根拠の弱い部分をチクリと質問するごとに、丁寧さが増してきました。自分自身で2人の答案の差異はどこで発生したのかを分析し、その影響がどうなったのかを確認することで、問題を大きく俯瞰できるようになり、条件整理の技術がアップしました。お互いのトーク授業は実りの多いものであったと思います。2019年入試の大問3の場合の数、大問4の条件整理など、十分戦えたと思います。(夏期マンスリー59.9,10月マンスリー62.0,11月比較合判61.7,11月マンスリー70.7)
SAPIX生へのアドバイス
6年夏以降は過去問演習、日曜教室もスタートし、時間制約も多くなり、サピックス生にとっては正に正念場と言える時期に当たります。放っておけば命取りにもなりかねない弱点補強は、残り半年の期間の最優先の課題でもあります。合格に向けて教え方も多くあり、学び方も様々です。時に生徒と教師の役を入れ替えて、自分の弱点を自ら再発見し克服する。今回のT君のような指導法はほんの一例です。一人ひとりオーダーメードの指導法を望むサピックス生は少なくないと思います。栄光の合格を勝ち取る為にも、そんなあなたたちを応援するプロ家庭教師がここにいます。