筑波大学附属高等学校 入試対策
2018年度「筑波大学附属高等学校の数学」
攻略のための学習方法
本校の入試問題は、難易度の高い図形の問題が目立つ。したがって、図形の対策にばかり目が向きがちだが、まずは全範囲についてしっかり学習しておくことが優先である。
本校の受験生のレベルと入試問題の難易度を考えると、正解すべき問題での失点は致命傷になりかねない。単純なミスを挽回するには、かなりの難問を正解しなければならないことを心得ておきたい。
秋以降になると、難問対策を本格的に行う必要があるので、夏までには標準的な問題は素早く正確に解けるようにしておく必要がある。また、本校対策に時間を集中させるためにも、併願校の過去問は早めに取り組み始めるとよいだろう。
平面図形の対策
本校では、平面図形は非常に多く出題されている。難しい問題も多いので、しっかり学習をしておかなければならない。市販の問題集では、本校で出題されるレベルの問題はあまり掲載されていないことが多い。本校の過去問や、その他の難関校の過去問に取り組むのがよいだろう。
しかし、最初からこのような難関レベルの問題ばかりに取り組むことは困難である。あまりに難しいと、学習が先に進まずモチベーションが下がってしまう。
まずは、標準的な問題を素早く正確に解けるようにすることから始めたい。私立高向け問題集などに早期から取り組むことで土台を固めるのがよい。土台固めは夏休みの時期までには完成させたい。そうでないと、本校レベルの学習に取り組む時間がなくなってしまう可能性がある。
立体図形の対策
立体図形が大問として出題されると、高度な空間認識力が要求され、難易度は高い。平面図形と同様に、本校の過去問およびその他の難関校の過去問などに取り組むのがよい。
過去問に取り組み始めた段階では、立体図形の問題はかなり難しく感じる受験生が多いだろう。立体図形の問題は、時間を気にせずにじっくりと取り組んでみることも必要である。図を自分でていねいに書き、あらゆる方向性から考える経験を積まないと、本校のような問題に対応するのは困難である。
日頃の学習では、立体図形を自力で書く習慣をつけておくとよいだろう。それが、空間認識力を高めることになる。
文章題(方程式)の対策
文章題の大問は、図形ほど難易度は高くないので、点差がつきやすいといえる。十分な対策をすれば得点につなげやすいので、文章題の演習も欠かせない。
図形ほど難しくないとはいえ、難関校レベルの演習が必要なことはいうまでもないだろう。
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2018年度「筑波大学附属高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
本校では、【大問1】は小問集合、【大問2】以降は大型問題が出題される。設問数は全部で15問程度というのが、例年の出題構成。今年もほぼ例年通りの問題構成であった。
今年度も、問題の質・量ともにハードである。しかし、序盤の大問にかかる時間が通常より少ないので、中盤以降の問題は例年よりも落ち着いて取り組みやすいだろう。
【大問1】小問集合
- 時間配分:5分
(1)は文字式の計算問題。工夫を必要とする典型的な問題である。
(2)は、一次関数と確率の融合問題で、3本の直線が三角形を作る確率を求める。3本の直線が1点で交わることはないので、どの2本の直線も平行にならない場合を考えればよい。
(3)は、関数の問題に見えるが、図形的要素の高い問題。ABとBCの長さが同じであることに注目して考えるとよい。
【大問2】規則性
- 時間配分:5分
手持ちの硬貨が10円硬貨のみになる場合を考える問題で、周期性に気づくことがポイントになる。あまり時間をかけずに解きたいところ。
(1)は、素直に調べる問題である。
(2)(3)では周期性に注目する必要がある。周期が分かれば難しくない。
【大問3】平面図形
- 時間配分:13分
平面図形の総合問題。なるべく比を利用して、計算がすこしでも楽になるようにしたい。
(1)は相似な図形に注目して解いていく問題。メネラウスの定理を利用すると、楽に解くことができる。
(2)も相似を利用する問題である。(1)で求めた比からわかることを考えると、方針が立てやすい。
(3)も相似を利用する問題。うまく解かないと、計算がかなり大変になるだろう。
【大問4】文章題
- 時間配分:12分
動く歩道上の速さに関する問題。文字式の利用は必要最小限にした方が解きやすいだろう。
(1)は、動く歩道上を歩く人、静止する人、歩道が止まった場合の歩く人の速さの関係を問う問題。類題の経験があれば解きやすい。
(2)は、動く歩道を人が等間隔で利用する場合の人数を考える問題。まずは、並ぶ人の間隔を求めるとよい。文字式を多用すると、かえって分かりにくくなるかもしれない。
【大問5】立体上の点の移動と切断
- 時間配分:14分
立方体上を3点が動き、その3点を通るような切断面を考える問題。難問である。
(1)では設問が2つある。
1つ目の設問では、2秒後の切断面の周の長さが問われている。この設問は解きやすいので、確実に正解しなければならない。
2つ目の設問は、切断面が点Eを通る場合について問われている。こちらは、各部分の長さを文字式で表し、相似を利用することで解決する。
(2)では、動く点が4つになる。2つの線分が交わる場合を考える問題だが、これは4つの点が同一平面上にあるということである。
攻略ポイント
【大問1】【大問2】について。まずは、ここを短時間で終わらせるようにしたい。しかし、確実に正解したい問題なので、過度に慌ててミスをすることのないように注意する必要がある。
【大問3】以降は、問題の取捨選択も必要になるだろう。いずれの大問も、最初の設問(【大問5】は空欄13)は解きやすいので、これらは確実に解いておきたい。
【大問3】【大問4】は楽に解くことがポイント。【大問3】は計算が楽になるようになるべく比を使い、【大問4】は文字式をなるべく使わないことで、解きやすくなる。