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昭和学院秀英高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「昭和学院秀英高等学校の数学」
攻略のための学習方法

この学校の数学を攻略するのには要点が2つある。

まず第一段階として、知識事項の習得。
私立の受験としては基本となる知識事項・パターンそのままの問題が多い。
私立難関校向けのテキストで例題となるような形がそのままで出ており、式や関数・図が複雑なわけでもない。
なので、知識・パターンを身につけるまで繰り返し練習し、形を見たときにすぐ、頭の引き出しから知識が出てくるようにしよう。

そして第二段階。
今度は初見の難問に慣れるのが大事。
昭和学院秀英の特徴として、問題文の本文が難しく、中身はそこまで難しくない、というのがある。
そこで、難関校の過去問やテキストの発展問題など、難しい問題を選んで、
「本文の意味がよく分からなくても(1)を解いてみる」
という練習をすると良いだろう。
これは本番の入試を意識した練習なので、同じ問題を繰り返しても意味はない。
入試では必ず初めて見る問題文にあたるので、
「初めて見る問題で(1)を解く」
いろいろな問題に対してこの訓練をし、経験を積んで本番に備えたい。

最後に仕上げの過去問。
まずは国語と英語を解いて欲しい。
そして合格最低点と較べ、数学で何点取れば良いか計算する。
その上で、答案用紙の配点を参考にしながら、問題を全部読み、どの問題を解くか決める。
このとき、欲張ってたくさんの点を取ろうとしてはいけない。
合格最低点を超える、最少の問題数を選び、50分間それだけを解く。

・その結果、点数がたりれば問題なし。
・点数が足りず、かつ選ばなかった問題を解いてみて解けるようであれば、問題の選択ミスといえる。
「自分にとって取れる問題はどれなのか」良く考えて、選球眼を磨くと良いだろう。
・取れるものはとったが、合計点が足りない、という場合、数学で点を伸ばすのか、国語英語を伸ばすのか・・・攻略法は数学だけではなく、国語英語へと広がっていく。

昭和学院秀英は合格最低点が150点前後となっている。
合計点を150点にすれば、全部が50点を超えなくても良いのだから、自分にとって一番良い点の取り方はなんなのか、しっかりと戦略を練って欲しい。
それこそが、あなたが合格するための一番の攻略法になる。

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2014年度「昭和学院秀英高等学校の数学」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

問題のつくりに特徴があり、入り口は難しく感じる。
しかし実際に取りかかってみれば、典型と言っても良い知識と解法で解ける問題が多く、問題を選べば合格点を取るのは難しくない。
以下の各問ごとの分析を目安に、合格点を取るための戦略を練って欲しい。

【大問1】計算・小問

  • 時間配分:11分

(1)置き換えの因数分解。
定数項が−51なので、積のパターンが2通りしかなく、時間はかからない。
因数分解の応用としては難易度はかなり低いので、確実に正解しておきたい。 1分
(2)和と積の式の値。
「和と積から、2乗の和の値を出す」というパターンさえ知っていれば、代入先の文字式がシンプルなので時間はかからない。 1分
(3)平方根の計算
これも(1)と同様、置き換えの因数分解。
2乗のときの分母の変化だけ気をつければ、因数分解、その後代入してからの計算、ともに簡単。 1分
(4)方程式の文章題
最終的には1次方程式になるが、それまでの過程で文字が2つ必要であり、しかも積の形になる。
「とにかく何かを文字として、他のものを文字式で表していく」という作業を進めていくと、最後の立式でようやく解き方が見える。
今回の問題の中ではかなり難易度の高い問題なので、文章題を得意として自信のある人以外は解かない方が無難。 3分
(5)確率 サイコロ2個の問題
「サイコロ2個の和」という確率としてはかなり典型的な問題。
表をかくなどして、丁寧に作業をすれば確実に正解できる。
mに代入する値が2~12の11通りで、代入先が簡単な分数なので、1つずつ代入してもさほど時間はロスしない。
しかし、確率は苦手な人が多い単元であり、パターンも多いので、苦手なら解かないでも良い。 5分

【大問2】関数

  • 時間配分:8分

問題文の中に文字が多く、とっつきにくく感じる人がいるかもしれない。
しかし、グラフに座標を書き込んだり、作業をしてみると意外と手が詰まる事はない。
関数が苦手な人でも(1)は解いておきたい。
関数が得意な人であれば、ここで3問正解しておくと後が大分ラク。
(1)m=2とCを通る事から1次関数の式をつくり、2次関数との交点座標を求める問題。
これは基本問題なので、確実に正解したい。 2分
(2)1次関数の「傾きの変域」を求める問題。
変域の応用題としてはパターンの1つなので、おさえておきたい。 2分
(3)これは(2)が解ける人は同じ解法で解けてしまう、サービス問題。
aとb、それぞれについて解いて、確実に正解しておきたい。 4分

【大問3】直線図形・空間図形

  • 時間配分:11分

これも、問題文が言っている内容が分からずとまどう人が出そうな問題。
しかし(1)は問題にかいてある図からそのまま解けるので、とばさず確実に点を取っておきたい。
立体図形がきちんとイメージ・作図できた人は、難易度は高くないので全問正解して欲しい。
(1)「直角三角形の斜辺に垂線を引く問題」で、相似の典型的なパターン。
空間図形が苦手でも、この問題は平面図形なので正解しておきたい。 3分
(2)三平方の定理
(1)を解くときに相似な直角三角形をかき抜いていれば、その流れでAGもGHも長さが求まる。
その上で三平方の定理を使えばすぐにAHの長さが求まるので、四面体をかけた人は正解しておきたい。 5分
(3)立体表面上の最短距離
これも空間図形の問題としては典型的な問題。
APとPBが一直線となる展開図をかいてみれば、相似は簡単にみつかる。
(2)の答えを利用するので、(2)、(3)とセットで正解しておきたい。 3分

【大問4】円

  • 時間配分:15分

これも入り口が面積比からになっており、素直に円周角の定理からはスタートしていない。
面積比のパターンなど知識をおさえているかどうかがポイントとなる。
(1)底辺共通型の面積比と方べきの定理
三角形の面積比のパターンを覚えていれば、一つ一つは基本型のままなので、そこからそのまま線分比を出すことができる。
AE,EDの長さは線分比そのままなので、計算としてはラク。
さらにそこからBE:ED=1:1なので両方xとおき、方べきの定理を使えば一発で求まる。
が、途中式に方べきの定理は使えない(高校生内容のため)ので、もととなっている相似から立式する必要がある。
この学校を受けるレベルであれば知っているはずの知識ばかりで、しかも図をみてすぐに気づけるようになっている。
これはおさえておきたい。 5分
(2)方べきの定理のもとになっている、円周角の定理を利用した相似。
(1)の相似と同じもの円周角の定理を使った相似のパターンとしては基本形。
対応する辺さえ間違わなければ正解できるので、(1)が解けた人は確実に正解しておきたい。 2分
(3)三平方の定理 3辺が分かっている三角形の高さと面積
(2)までが解けていれば、△DECの3辺の長さは求まっている。
そこからECを底辺とし、三平方の定理で高さを求め、さらにADを斜辺とする直角三角形について三平方の定理を使ってADを求める。
時間がかかるので他に解ける問題があればそちらを優先して問題ない。 7分
(4)これは(3)まで解けた人のサービス問題。
(3)で△DACの高さが出ているので、面積はすぐ求まる。そして、問題文に面積比が出ているので、△ABCの面積もそのまま求まる。 1分

攻略ポイント

合格最低点が例年で5割強、今回の問題では5割を切っている。
数学だけを見れば、合格者の平均で44.9点となっており、ここで必要となるのは、難しい問題を解く能力ではなく、「いかに解ける問題を見つけ出し、確実に点数にするか」という能力である。

全体の半分の問題は捨てても構わないので、取れる半分を確実に取ったものが合格点を勝ち取るだろう。
ここで、上記の内容から問題を選んでみる。


(1)7点 ○  1分
(2)7点 ○  1分
(3)7点 ○  1分
(4)7点    3分
(5)7点  △ 5分

(1)7点 ○  2分
(2)7点  △ 2分
(3)7点  △ 4分

(1)7点 ○  3分
(2)7点  △ 5分
(3)6点  △ 3分

(1)6点 ○  5分
(2)6点 ○  2分
(3)6点    7分
(4)6点    1分
計100点   45分

○   42点
1の△  7点
2の△ 14点
3の△ 13点

全15問のうち、○をつけた7問で42点取れる。
そして、1(5)のサイコロ問題を数え上げれば49点。他の問題を解かなければ、数え上げても充分時間は足りる。
英語と国語で点数を稼げる人は、まずこれだけで合格最低点を超える事ができるだろう。

数学で点を稼ぎたい人は、1(5)で時間をかけるより、2か3の△2問をやった方が良いだろう。
両問とも、(2)が求められれば(3)を求めるのは難しくないので、セットで解いた方が良い。
2と3のどちらかを解くだけで55,56点、両方を解けば69点。
これでもう合格最低点は超えるのではないだろうか。

もちろん、個人個人で得意不得意はあるので、無印の問題が解ける代わり他の問題で解けないものがある、という人もいるだろう。
差し引きして自分の取りたい点数になるよう、調整して欲しい。

ここでポイントとなるのは、3・4の図形問題における線分比・面積比の重要性だ。
3(1)、4(1)(2)を確実に解くためにも、線分比・面積比・方べきの定理、といった比に関する知識事項と基本パターンはぜひおさえておきたい。

そのうえで、問題文全体の意味がつかめなくても、
2(1)m=2から求められるものを求める
3(1)長さをかきこみ、求められるものを求める
4(1)面積比が分かっている三角形をかき抜き、求められるものを求める
ととりあえず作業をしてしまうのが大事だ。
「分からなくても、やれる作業をやってみる」という積極性を身につけよう。

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