栄東高等学校 入試対策
2021年度「栄東高等学校の数学」
攻略のための学習方法
計算力を安定させる
計算力については、2点を意識して、鍛えておこう。
1つめは、計算の正確さだ。計算の数字が複雑になっても、正答率が下がらないように、練習を積んでおこう。過去問を参考にすれば、どこまで複雑な計算ができれはよいかを確認できる。
計算問題は独自の方法ではなく、必ず家庭教師の上手い方法をまねるように学習していこう。
2つめは、計算の持久力だ。50分という長時間、集中力を切らさずに、計算していく持久力が必要になってくる。模試の数学の成績が、上がったり下がったりして不安定な生徒は、注意したい。持久力は、きちんと時間を測って演習を繰り返すことで、身についていく。1問1問にミスがないかではなく、答案全体でミスを減らせるようになろう。
答案の完成度を上げる
本番で安定して得点できるように、答案の完成度を上げる訓練を積んでいこう。多くの志望者は、一問一問を解くことに満足しがちで、答案全体の完成度を意識するのは、受験の後半(中学3年の夏休みくらい)からだ。もっと早めに受験生として意識を持ち、答案の完成度を上げる技術を身につければ、有利になる。答案の完成度は、2つの面から確認しておきたい。
1つめは、設問ごとの時間配分だ。時間配分ができていない志望者は、過去問を解いてみると、後半に簡単な設問があっても、得点できていない。つまり、前半の設問に時間をかけすぎていて、後半の設問にまで、手をつけられていない状態だ。受験では、答案全体の得点が、評価される。したがって、答案全体の得点を上げるために、それぞれの設問を解くべきか、あるいは解かないべきか、判断力が重要になる。過去問の演習は、そのような判断力を鍛える良い教材になる。
2つめは、見直しの技術だ。まずは答案全体でどれくらい見直しが必要になるのか、目安の時間を決めよう。あらかじめ時間を決めておくと、本番で迷いが生まれにくい。そして、見直しが効率的にできるような工夫をしよう。計算式を再利用したり、図形やグラフを確認しやすいように、丁寧に準備しておこう。
栄東は、マークシート方式で解答していくので、答案用紙をすべて埋めてから、見直しをはじめては、間に合わないだろう。大問の途中でも、積極的に見直しをしていくべきだ。
例えば、【大問3】から【大問5】は、前の設問の数値を、後の設問でも利用している。もし前の設問で間違いが見つかったら、後の設問を次々に修正していかなければならない。時間を大幅に取られてしまう。
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2021年度「栄東高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は50分で、得点は100点満点だ。大問数は5問で、単元ごとに整理されている。1単元で10分が、目安の時間配分となるだろう。設問数は17問で、解答はマークシート方式となっている。解答の数字だけが求められるので、処理速度の速い受験者が、有利な試験構成となっている。
【大問1】 独立小問問題
- 時間配分:9分
(1)<数の計算>
(50+1)(50-1)のような形にして計算。
(2)<式の値>
与式を2abくくり、a+3b=5の両辺を2乗して代入する。
(3)<連立方程式の応用>
食塩水の量について、含まれる食塩の量についてそれぞれ方程式を作る。
(4)<方程式の応用>
(a-6)(b-6)=(1,36)、(2,18)、(3,12)、(4,9)となる。
(5)<比>
△APD∽△BQD、△APE∽△CREであるから、AD/BD×CE/AE=CR/3CRとなる。
【大問2】 確率-さいころ
- 時間配分:10分
(1)1または5の目が出たときに、点Pが頂点Bに移動する。
(2)点Pが少なくとも1回頂点Bに止まるのは、①1回目にB、2回目にB以外②1回目にB以外、2回目にB③1回目も2回目もB、の3通りある。
(3)点Pが頂点Bにも頂点Cにも止まるのは、①1回目にB②1回目にC③1回目頂点Aまたは頂点D、の3通りの場合に分けて考える。
【大問3】平面図形
- 時間配分:9分
(1)<三平方の定理>
AP=MP=x、PB=4-xとして、△PBM、△QEMで三平方の定理を利用する。
(2)<相似>
線分CHの延長線と辺ADの交点をIとする。△APQ∽△HIQ、△HIQ∽△DICより、△DIC∽△APQとなる。DI=4となり、△DICで三平方の定理により、CI=5、HI=7/10から、CH=43/10
(3)<長さの比>
△HRQ≡△HIQでRH=HI=7/10であり、CR:RH=36:7となる。
【大問4】二次関数と一次関数
- 時間配分:9分
(1)<座標>
傾きと切片を素早く求めて、交点の座標を連立方程式で求める。
(2)<面積>
放物線がy軸に関して対称である。ことを利用する。
(3)<等積変形>
円の中心点Pを通り直線BB’と平行な直線と辺AB’の交点をDとすると、△DBB’=△PBB’がから、四角形OBDB’=四角形OBPB’となる。したがって、求める直線は2点B、Dである。
【大問5】空間図形-正四面体
- 時間配分:10分
(1)<特別な直角三角形>
△APMは1:2:√3の直角三角形であるので、AM=√3/2×AP
(2)<体積>
点Pは5/2秒後にFG上にあり、3点ACPを通る平面と、辺EFの交点をQ、直線BFの交点をOとする。三角錐O-ABCとO-QEPは相似で、体積比は64:1である。
(3)<時間>
点Bを含まない立体の体積が8-25/4=7/4のときである。これは、(2)の立体と体積は同じである。動点をP1とし、3点A、C、P1を通る平面と辺EHの交点をQ1とすると、立体CDA-P1HQ1と(2)の立体ABC-QFPが合同になる。
攻略のポイント
複雑な場合分けが必要である大問2 以外は、標準からやや難問題で構成されている。この試験を難しくしているのは、試験時間50分でマークシートを作成することである。大問2以外で、設問を見たときにすぐに解答を浮かべ迅速に処理していくことができることが攻略につながる。計算力、等積変形、特別な三角形の比、これらを確実に習得してミスのないように大問途中で検算を行っていくこと。大問2の場合分けはもれなく場合分けできるかがポイントとなる。