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東京農業大学第一高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「東京農業大学第一高等学校の国語」
攻略のための学習方法

現代文の読解

例年、2題の論説文の長文読解が出題されている。文学的文章は出されていない。2016年度では計8800字にもなり、他校と比べても文章量は多い。さらに古文の540字ほどがこれに加わる。読解のスピードをつける訓練が必須である。

形式は選択肢が多く、穴埋め・記述が数問ずつ含まれており、漢字や語句の意味などの言語事項も合わせて出題される。記述は25~50字程度の説明記述で、答えるのにある程度の時間を取られる。

説明的文章のみの出題なので、対策もそこに絞ったものとなろう。形式段落→意味段落への転換・意味段落の内容把握(短いタイトルを付けてしまうと良い)・段落のつながりや関係・段落の最初と最後に注目しながら要点と細部の区別・それらを整理して要旨・結論をまとめる……といった論説文読解のパターンに習熟する。

記述問題では特に、要点と要旨のまとめが重要である。求められる答えは、各段落の要点をいくつか組み合わせて作られる場合が多い。50字の記述であれば、書ける内容が2つ(2文)程度と見当をつけて、適切な箇所を使ってまとめるのである。
本文に印や傍線で重要点をマークしておき、関連する部分を結んでおけば、記述問題の答えをまとめる際に大幅な時間短縮が見込める。その際、誤字・脱字や文法の誤りなどにも注意して、不用意な減点を受けないように気をつける。

長い記述問題は時間が取られるので、他の軽い問題をまずは解き進め、最後まで一通り手を付けるのは当然である。

そして、試験対策に限らず、普段から読書を厭わずに自然・人文・社会科学などの分野の書物を多く読む習慣を持てば、すなわち国語力の養成になることも忘れないでいただきたい。

古文の読解

本校の古文の問題は手ごわい。言葉の知識や文法、はては文学史まで、高校の授業で習うことが当然のように訊かれる。中学生向けに現代語訳を付けるといった配慮もない。配点も2割ほどと大きいので、苦手だからと避けてしまうと不利である。

高校生向けの標準レベルの教材で必修単語200、係り受け・枕詞や敬語などの主な文法を覚え、古典の文章にできるだけ触れて、頭を慣らしておかなければならない。

暦の月名や、当時の風俗・暮らしぶりなども問題と関係してくる可能性があるので、そうした知識も一通りで良いので仕入れておきたい。
十分な得点には、相当にしっかりした対策が必要である。

漢字・言語事項

現代文の読解とともに出題されるが、さほどの難問は見られない。
語句の意味が多く出されているので、言語事項の問題集や読書を通じて、語彙を増やす努力をお願いしたい。

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2016年度「東京農業大学第一高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

論説文の読解2問がそれぞれ6000字と2800字の計8800字にもなっており、さらに古文の500字ほどがある(2016年度)ので、スピードが必要である。
漢字や言語事項は10問ほどなので2~3分で済ませ、あとは読解問題に当てる。幸い、問題数は多くないので、読みに手間取らなければ考える時間はある。読解問題2問に8分ほどは取られることも計算に入れておく。

【大問1】論説文の読解

  • 時間配分:23分

本当の自分を知るために、特に青年期の職選びを中心話題として、いまある自分を見つめて現実に行動してみることが大事だと説いている。

問一~問三 大問の最初に漢字や言語事項をまとめてあるので、やりやすい。

問四 「どのようなときに」「確立されるか」という質問なので、文中にその形になっている部分があるはずである。

問六 現代はエリクソンの時代と違って変化が激しく、状況に合わせてアイデンティティは作り直されると、筆者は考えている。「ただし」、社会に出る際に一時的にでもアイデンティティを確立することは意味があるとも言っている。

問八 「本文中に戻す」問題は、前後のつながりが不自然なところを探すのが鉄則。そこから指示語の指す内容なども考えながら、当てはまる箇所を特定する。

問九 当たり前だが、設問をよく読み、「ふさわしいもの」と「ふさわしくないもの」を読み違えないように。わかってはいてもミスは起こる。油断してはいけない。

【大問2】論説文の読解

  • 時間配分:19分

貨幣が貨幣として成り立つ仕組みを論説している。なかなか難しい内容である。

問二 「跳躍」という言葉が捉えづらい。売り手は商品が売れるだろうという保証のない期待のもとに仕入れ・販売を行うという、いわば「冒険・博打」をしていると言えばわかりやすいだろうか。買い手は貨幣が無限の未来までも確実に使えるという期待のもとに購入を行う。それも「跳躍(冒険・博打)」ではないかというのである。
傍線の次の段落から説明に入っていることがわかる。設問で使うことが条件として挙げられている3つの言葉がある文・箇所が目印になる。

問三 傍線(イ)に対する疑問が文中で述べられている。そして、直後にその答えも述べられている。論議の内容は難しいのだが、ここはテスト問題としては答えやすかったのではないだろうか。

問四 難しい。問三の答えがまず前提としてある。貨幣が使われてきた事実(過去)→今後も使われるだろうという期待(未来)→貨幣で商品を購入してよいという認識(現在)→現在は次の瞬間過去になる……という円環が貨幣を貨幣たらしめているというのである。

【大問3】古文の読解

  • 時間配分:8分

難しい。徒然草の一話がわずかな脚注だけで出題されている。大学入試で出されてもおかしくない問題である。

問一 月名は他校の問題でも出題されている。一度覚えてしまえば良いのだから、億劫がらずに暗記してしまおう。

問二 「ねぶる」が「眠る」だとわかれば簡単なのだが。

問三 こそ…けれ(已然形)の係り結び。このように実際に出題されているので、代表的な係り結びは覚えてしまったほうが良いだろう。

問五 書かれた時代がわかれば答えられるようにはなっている。

 

攻略ポイント

論説文のみの長文読解だが、難しいテーマが扱われていたり、文章自体も難しかったりでなかなか手ごわい。記述問題も侮れない。スピードをつけ、最後まで目を通し、できる問題を確実に取ることで得点を上げたい。

古文も十分に学習しておかないとあらすじすら判然としない事態も予想できるので、文法・その他の知識も合わせて高校生レベルでの勉強をしておかれたい。

漢字・ことばの意味などの知識問題でも15点ほどの配点があるので、地道に語彙を増やす努力をしておくこと。

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