明治大学付属明治高等学校 入試対策
2021年度「明治大学付属明治高等学校の英語」
攻略のための学習方法
合格のための学習対策として、文法事項、読解力、リスニングの各対策について、以下のような点について学習を進めてもらいたい。
文法事項
文法問題としては、どれも基本的で標準的な問題である。合格点を取るために、必要な文法事項としては、5文型、関係代名詞、比較、不定詞、仮定法(ifの使い方)、時制、分詞の形容詞的用法などである。また、単に文法知識を暗記するだけではなく、特定の文法事項が読み手・聞き手に何を伝えたいのかということをしっかり考えながら理解を深めることが重要である。また、知識は習得しても、実際の入試問題に正答を導き出せなければ、「志望校合格」という観点では意味がなくなってしまう。そのような状況を回避するためにも、夏までに上記の文法事項を完璧に理解・習得し、夏から本格的に実戦問題に取り組むことが重要であり、そのような学習を繰り返すことにより、文法事項はより確実に明確に記憶されることになる。
また、文法問題として見逃せないのが、動詞の活用(どのような前置詞が続くか、to不定詞と~ingのどちらを取るのか)、イディオムの知識なども不可欠である。イディオムは、イディオム集を活用しながら一つ一つを確実に覚えておきたい。
読解力
確実に得点するためには、長文読解総合問題の得点率を上げることである。では、どのようにしたら得点率は向上するのか。一言でいうならば、正確な速読力を習得することである。受験生の多くが「時間が足りなくて最後まで問題を解けなった」と語っているのを多く耳にする。なぜ時間が足りないのかといえば、英文を速読する力が不足しているからである。英文の速読力向上のためには、英単語、イディオム、①で述べた基本的文法事項の知識が必要であり、それらの知識を適宜フル稼働させなければならない。そして、英文を読む際に時間がかかる最大の原因は「返り読み」をしていることが考えられる。「返り読み」とは、一つの英文を最後まで読んだうえで、関係代名詞がどこからどこまでを先行詞に修飾させるかという具合に、文章構造を前に戻って考えるという読み方である。この読み方は、英文を本格的に読み始めた受験生が書かれている英文を正確に把握できるようになる力をつける段階では極めて有効であるが、あるレベルに達した後は英文を速読し、英文を左から右に流れるように(決して前に戻らない)読まなければならないことを考えると、合格のための効率的学習方法とはいえないであろう。日本語と英語の言語的構造の違いに留意しながら英文を「私、行った、お店に、本を買うために」という具合に、英文を右から左に戻らず読む癖をつけることで入試問題の解答時間短縮が可能になるのである。
リスニング
リスニングのウエイトが高いのが明大明治高校の特徴である。事前の対策は必須である。市販されているリスニング用の教材を使用し、しっかり自分の耳を慣らしておかなければならない。レベル的には、英検準2級のリスニングは満点を取る程度の力は必要である。できれば毎日、就寝前などの時間を使い20分程度のリスニング練習を行うことが必要である。
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2021年度「明治大学付属明治高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問1】は、長文読解(語形変化問題)<5分>。英文中での役割(前置詞の後の名詞化、分詞の形容詞的用法など)に注意して解答すること。
【大問2】は、誤文訂正<6分>。基本的な文法事項を正確に覚えていれば完答も可である。
【大問3】は、長文読解(整序問題)<5分>。基本的な文法知識や構文の知識をもとに解答する。
【大問4】は、長文読解(適語選択問題)<5分>。選択肢の語に関する微妙なニュアンスの違いなどに注意。
【大問5】は、対話文完成<5分>。重要な口語表現はしっかりと覚えておきたい。
【大問6】は、長文読解(適文選択)<4分>。文脈をしっかり把握し適切な選択肢英文を選ぶ。
【大問7】は、説明文の長文読解(適語補充)<4分>。比較的読み易い英文である。手際の良さが必要である。
【大問8】は、長文読解総合問題<6分>。本文の内容を読みながら解答する。速読力(理想としては1分間で110~120ws)を高めたい。
【大問9~12】は、リスニング問題<20分>。事前にしっかり準備をしておくこと。
【大問1】長文読解問題(語形変化)
- 時間配分:5分
適語を選択しかつ語形を変化させる問題である。
① 後ろに名詞があるので、itの所有格にする。
② 「~を誇りに思う」のイディオムであるproudに語形を変化させる。
③ 前にある名詞を後ろから修飾する(現在分詞の形容詞的用法[後置修飾])。
④ 名詞化する。
⑤ 直前にあるtoは前置詞である。to不定詞と勘違いしないように。
⑥ 過去分詞を修飾するので副詞に変形させる。
⑦ 後ろが名詞なので所有格に変化させる。
⑧ 動名詞が主語になるのでisとなる。
⑨ 入試におけるmakeの重要な用法(make+目的語+動詞原形)である。
【大問2】誤文訂正問題
- 時間配分:6分
基本的な文法事項を問う問題。完答を目指して欲しい。
(1)enjoyは、目的語にto不定詞ではなく~ingを取る。
(2) exciteは主語が人になる場合、be excited となる。
(3)前置詞ofの後は、名詞でなければならないので動名詞(~ing)にする。
(4)「人にものを見つける」という場合のfindは、to+人ではなくfor+人である。
(5) 現在分詞の形容詞的用法[後置修飾]であるので、~ingに変化させる。
【大問3】説明文の長文読解問題(整序問題)
- 時間配分:5分
① It is ~ for … to ―の形式主語構文を考える。
② 主語をmy familyとし英文を組み立てること。to不定詞(形容詞的用法)も活用する。
③ some of her children を主語とする。becauseを用いた理由を表わす副詞句を考える。
④ itが何を指すのかを考える。teachは、目的語を2つ(人+物)取り、「人に物を教える」とする。
【大問4】説明文の長文読解問題(適語選択問題)
- 時間配分:5分
(ア) so ~ that …=「とても~なので…」は容易に思い浮かぶであろう。文脈からキリマンジャロの高さを述べている文である。
(イ) 後ろにある目的語(peak)を取る動詞を選ぶこと。
(ウ) 過去分詞の形容詞的用法[後置修飾]の知識をもとに考える。
(エ) 文脈から「~を危険にさらす」というイディオムを考える。
(オ) disappearing や goneと同じ意味になる単語を選択する。
【大問5】対話文完成問題
- 時間配分:5分
(ア) 文脈的には、後ろで「お礼」を述べているので、お礼を言われるような選択肢を選ぶこと。
(イ) アリシアがブレスレットを買ったことを知らなった理由となる選択肢を選ぶ。
(ウ) アリシアが購入した高価なブレスレットの支払いをクレジットカードで行った、という発言も手掛かりになる。
(エ) 直後のアリシアの返答は、何に対する弁解と考えられるのか。
(オ) アリシアの発言からケイティはどのようなことを勧めたのかを考える。
(カ) 直後にある「彼ら(お店の人)が自分たちのことを覚えていて、ホテルを見に来るかもしれない」という英文から、私たちは「旅人」であると考えられる。
【大問6】説明文の長文読解問題(適文選択)
- 時間配分:4分
アは、冒頭の英文を読むとトルコでのことが以後話されると考えられる。したがって、「イスタンブールに到着した」という趣旨の選択文を選ぶ。
イは、若い男性が公園のベンチに座っているのを見て、それに続く内容である。この男性に挨拶をしたことが容易に想像できるだろう。
ウは、「私」が「若い男性」に話しかけても、男性は全く反応はなかったのである。
エは、直前の英文は、Then something special happened. とある。したがって、何か起きたのかを考えて選択英文を選ぶ。
オは、ジェスチャーでお互いがコミュニケーションを取ることができ始めたのである。ボディランゲージで2人は「会話」を行うことができた。
【大問7】説明文の長文読解問題(適語補充)
- 時間配分:4分
(ア)は、その後に続く英文が、日本の地下鉄のシステムについて述べていることを手掛かりに考える。
(イ)は、本文からフランスにおける地下鉄の改札に関するシステムを読み取ること。
(ウ)は、直後の英文より「国家」の「国民」に対する「何」が分かるのか。地下システムの記述を参考に考える。
(エ)は、「国家」の「国民」に対する信頼度の一番低い(the least trust)国は、どこか、またその判断根拠は地下鉄のどのような管理体制を根拠としているのか。
(オ)は、「国家」の「国民」に対する信頼度が一番高い(the highest level of trust)国は、どこか、またその判断根拠は地下鉄のどのような管理体制を根拠としているのか。
【大問8】長文読解総合問題(エッセー)
- 時間配分:6分
(1)内容真偽問題である。本文の内容から筆者は兄を尊敬しているのである。
(2)内容真偽問題である。筆者の兄は「第2志望の大学に入学した」のであり「ロードアイランドで
働く計画を持っていた」のである。
(3)内容真偽問題である。筆者の兄は「最終的にブラウン大学への入学」が許可されたのである。
(4)適文選択問題である。筆者が兄から学んだことは何かを考える。人生に対する兄の「ひたむきさ」から学んだものは「夢は必ず叶う」ということであり「人生を信じる」ということである。
(5)内容把握選択問題である。筆者には妹がいる。自分にとって兄が人生を生きていく上での「身近な手本」であったことから、筆者も自分が妹にとって「そのような存在」になろうとしていると考えられる。
【大問9】~【大問12】リスニング問題
- 時間配分:
攻略のポイント
全体的に英文内容などは決して難解ではない。文法事項についても基本的な問題であり、標準的な問題集には必ず掲載されている問題ばかりである。長文に関しても難解な内容ではなく、設問も基本的な内容であり、いかに速く正確に文章を読むかがポイントであろう。また、全体に占める比率が高いのがヒアリングである。他校に比較しても、内容的にもヒアリングを重要視している状況は明らかであるので、事前に対策をしっかりとっておくべきである。長文の設問が多いので、長文に関しても標準以上の500単語前後の英文を毎日1題はこなすようにしたい。試験時間との関係で見直しをするだけの時間的余裕はないものと考えて試験に臨んで欲しい。