國學院大學久我山高等学校 入試対策
2021年度「國學院大學久我山高等学校の数学」
攻略のための学習方法
合格のために何をやらなければならないか。このことこそ受験生が一番知りたい事柄であろう。結論から言えば、「出る問題をやる」ことが一番の効率的攻略法である。それでは、「何」が出るのか。これは、受験生の皆さんには「雲をつかむ」ような話であろう。それでは「山を張る」ことが善後策なのであろうか。そんなことは決してない。「出題されそうな範囲」と「山を張る行為」は、根本的に異なるものである。それでは、「出る問題をやる」勉強法とは何かについて一緒に考えてみよう。
1.自分の受験校が決定した時点で、受験生は何をやるだろうか。
まずは「出題傾向」を調べるであろう。過去問集を手に入れて4~5年間の出題傾向を考え、翌年の出題傾向について考えるのだ。「去年はこの分野が出ているから来年は出ないだろう」、「ある分野が3年ごとに出題されている。今年は3年目にあたるのできっとこの分野は出るだろう」、「この分野は10年間出題されていないので来年も出ないだろう」と受験生は「山を張る」のである。このような判断で受験勉強を行ったところで、安定した得点は得られるだろうか? 当然ながら答えは「ノー」である。なぜならば、このレベルの「これが出る」、「これが出ない」という判断は、まさに「カン」なのである。「カン」が的中した場合は大喜びであるが、外れた場合の結果は「悲惨」の2文字である。
2.「山を張る」行為がいけないと言っているのではない。
「山を張る」からには「山」を張れるだけの知識が必要なのである。その知識がないと、何が重要で、何がポイントなのかが把握できなくなる。従って、知識が不足しているのに「感覚」で問題の中身を吟味することなく判断してしまうことの危うさを経験した受験生の皆さんは一人や二人ではないであろう。従って、的確にかつ的を絞った見通しを立て、問題の本質的な部分を見破ることができる受験生は、膨大な演習量に裏打ちされた「確かな認識力」を自然のうちに身に付けることができるのである。そのレベルまで到達すれば、多少数値を変えられたり、切り口を変更されても何の問題もなく正解へ辿り着けるのである。
3.それでは、単純に問題演習の量だけを増やせば良いのであろうか。
そんなことはないことぐらい受験生のみんなはよく知っているはずだ。では、どうすれば「確かな認識力」を得ることができるのであろうか。一言でいえば、「諦めずに最後まで自分の頭で考える」ことが重要である。確かに、そのようなことに没頭すれば時間はいくらあっても足りないことは明らかである。それを克服するためにお勧めは「良問を大量に解こう」ということである。「良問」とは、解くことによって問題解法の手掛かりと発想の手掛かりの両方を習得できる問題のことである。一見すると、難しそうで手も足も出ないような問題ほど、その問題構造は意外と単純であったりする。そのような問題に出会ったら幸運だと思い、最後までじっくり考えて自分の頭を自分の頭で鍛えぬこう。
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2021年度「國學院大學久我山高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問1】独立小問題である<15分>。数の計算、式の計算、平方根の計算、2次方程式の応用、関数(変域)、確率、平面図形、立体図形(辺・面・頂点の数)が出題されている。
【大問2】平面図形(直角三角形と円)に関する問題である<12分>。相似の考え方や円周角を使った問題。
【大問3】数の性質に関する問題である<11分>。3で割り切れる数の個数などを求める問題である。
【大問4】関数(放物線と直線)に関する問題である<12分>。1次関数と2次関数の融合問題である。
【大問1】 独立小問
- 時間配分:15分
(1)数の計算問題<1分>。ケアレスミスのないように。
(2)式の計算問題<1分>。分数式の分子の符号を変えることを忘れないように気を付けること。
(3)式の計算問題<1分>。指数法則を確実に当てはめて計算する。
(4)平方根の計算問題<2分>。基本問題である。落ち着いて計算ミスのないように。
(5)因数分解問題<1分>。x+2y=Aとおいて因数分解するのが定石である。Aについて因数分解した後、Aをもとに戻す。
(6)2次方程式の応用問題<1分>。原価、定価、割引、売値に関する方程式の雇用問題である。
(7)関数の変域に関する問題<2分>。与えられた条件からa、bの値を求める。
(8)確率の問題<2分>。さいころを2回振って最初に出た目をa、次に出た目をbとした場合に、が無理数となる確率を求める。
(9)平面図形に関する問題<2分>。平面図形の辺の長さを求める問題である。与えられた平行四辺形において相似な三角形を見つけ出す。
(10)立体に関する問題<2分>。正八面体における辺、面、頂点の数を求める問題。一つの頂点に面が何面集まっているかと考える。辺も同様に考える。
【大問2】 平面図形(直角三角形、円)に関する問題
- 時間配分:12分
(1)辺の長さを求める問題<2分>。∠ABC=90°であるので、ACを直径とする円を考える。∠ABCは直径(180°)の円周角になっている。相似の三角形を見つけ出し、ADの長さを求める。
(2)外接円の半径を求める問題<3分>。ACはA、B、Cを通る円の直径になっていることに気がつけば、求める円の半径が求められる。
(3)辺の長さの比・面積を求める問題<7分>。(2)で求めた外接円上にPを定め、BC=mとしたときに関する問題である。
①は、相似な三角形を見つけ出し辺の比を求める。
②は、△BCPの面積が最大となるのは、PよりBCに垂線を引きその垂線が外接円の中心を通るときである。
【大問3】 数の性質に関する問題
- 時間配分:11分
(1)数の性質に関する問題<3分>。4桁の自然数(a4b6)をNとしたとき、Nの中で3で割り切れる数の個数を求める問題である。N=1000×a+100×4+10×b+6となり、これを変形しN=3×(333a+3b+135)+a+b+1として3で割り切れる個数を求める。
(2)数の性質に関する問題<4分>。前問同様、Nについて29で割り切れる最小の数字を求める。
(3)数の性質に関する問題<4分>。前問同様、Nについて125で割った余りが最大とな
る数の個数を求める。
【大問4】 関数(直線と放物線)に関する問題
- 時間配分:12分
(1)2次関数の比例定数を求める問題<2分>。y=ax2にA(−2,4)を代入して比例定数aを求める。
(2)直線式を求める問題<3分>。平行条件より求める直線の傾き求められ、点Pの座標がわかるので、直線mの式を求めることができる。
(3)辺の長さや直線の式を求める問題<7分>。
①AB:PQの比を求める問題である。与えられた平面座標上に相似な三角形を見つけ辺の長さを求める。そのために、AB∥PQとなる補助線を引いて考える。
②APQBの面積を2等分する点Pを通る直線の式を求める問題である。求める直線とAB の交点をDとする。△ABPと△PBQはAB、PQを底辺と考えたとき、高さが等しい三角形である。このことに注目して求めたい直線に必要な傾きや切片を計算する。
攻略のポイント
難問・奇問の類は出題されていない。極めて標準的な問題である。基本問題から標準レベルの問題演習を何度も繰り返し行うことで、合格点は可能になるだろう。中でも、計算問題、方程式、関数(1次関数・2次関数)、場合の数、平面図形(三平方の定理、相似・合同)、立体図形(切り口、平面のイメージへの置き換え)は必須事項と考え、繰り返し該当分野の演習を行って欲しい。最近の傾向として、初見の問題(単純なスキル演習ではない問題)に対する対策も重要であり、問題の本質を見抜く力が必要である。