東京学芸大学附属高等学校 入試対策
2017年度「東京学芸大学附属高等学校の英語」
攻略のための学習方法
とにかく設問を丁寧に吟味出来るだけの時間を確保するために、英文をどれだけ早く読めるかが大きなポイントである。語彙に関しては、注訳が多く与えられていることから、単語レベルで難易度が高いわけではない。英文を読ませて「国語的な運用力」を問うという色合いが強いことから、普段の勉強から思考力を問う設問に取り組む必要があるだろう。
以下、東京学芸大付属高校の英語克服のための具体的な学習方法を見ていこう。
(1)リスニング問題
リスニング問題としてはやや難易度が高い問題と言えるが、全体との兼ね合いで取りこぼしの許されない問題になることから、普段から音声学習を取り入れる必要がある。英検3級・準2級の教材や類似過去問を繰り返しやり直すことで、ほとんどの問題で正解を導くことが出来るようになるだろう。
余力があるのであれば、ラジオ講座などを利用することをお勧めする。後述する音読学習もリスニング対策としては効果的である。
(2)長文読解
問われているのはほぼすべて実質的には内容把握であるため、いかに早く正確に、解答に必要な範囲での丁寧さで読めるかがポイントとなる。
普段の勉強としては精読と速読のトレーニングを意識して分けることが大事だ。
まず、精読に関しては、英文構造をある程度正確に分析できるようにするため、解説の詳しい問題集を進めていく必要がある。むろん、本番では全ての英文を丁寧に構造分析しながら読むのは時間的に不可能ではあるが、立ち止まって丁寧に訳さなければ訳がつかみにくいという部分が必ずあり、そしてその部分こそが英語力の有無を試すことが出来ることから、設問に絡みやすいのだ。
したがって、どのような英文でもやろうと思えば英文解釈することが出来る力を身につけなくてはならない。文法事項の一通りの学習を早急に終わらせ、英文法を英文を読むためのツールとして捉え直す必要がある。
次に速読に関してだが、やはり前から句・節ごとに訳し下していく練習が必要になる。きれいな日本語を作ろうとすると、いったん英文の後ろまで目を通して後ろから訳を作ることになり、結果的に一文を二度読むことになってしまい時間がかかりすぎてしまうからだ。普段の勉強から音読学習を取り入れるのが効果的だ。声に出して読むことで前から読み下す力を身に付けることが出来る。
また、かなりのスピードで読み下していくことになるため、途中で話の流れを見失わないように、各パラグラフを読み終えるたび、そこではどのようなことが述べられていたのかをしっかり確認する習慣を身に付けよう。そうすることで、次の段落の内容が頭に入って来やすくなる。学大付属の設問に対応するためには表面的な読み、
つまり、一文単位での内容把握では足りない。必ず、各文の内容のつながり、各パラグラフの内容のつながりを意識した読み方を意識しよう。
さらに、学大附属の長文読解問題で必ず出題される適文挿入や文整序などはしっかり処理手順を身につけることでかなり処理スピードを早められるため、当該型式を含んだ問題集や類似過去問をこなしておこう。また、語数が多めで和文の与えられていない語句整序もこなしておきたい。
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2017年度「東京学芸大学附属高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
長文3題とリスニング1題という構成である。長文1題に付き12~15分しかかけられないにもかかわらず、多くの設問が部分的な読み取りのみで即答できるようなものではないため、時間管理に苦労することになるだろう。読解力の地力を高める必要がある。
【大問1】リスニング問題
- 時間配分:
200語程度の英文を聞いて、その内容についての質問に答える問題。英文と質問はそれぞれ2回読まれる。
会話が多めの物語的な文が素材になっており、話の移り変わりと最後のオチがつかめているのかがポイントである。説明の間に選択肢を概観し、少なくともどのような単語が英文の中で用いられるのかが確認できていると聴きやすくなる。
【大問2】長文読解問題
- 時間配分:
コウモリに関する説明文。英文そのものは読みやすく、空所補充や説明問題も直前直後が読めていれば難なく解答できる。問1の適文挿入は、挿入すべき候補の空所の数が4つあるが、本文を読む前に挿入すべき英文に目を通しておくことで効率的に解ける。
問4の語句整序は、節と節を結びつけるためには接続詞的な働きを持つ語が必要だという英語の原則がわかっていれば答えまで時間をかけずにたどりつけるだろう。
問7が文章全体からの内容一致問題であるため、無駄な2度読みを排し効率的に読むためには英文を読む際に、キーワードなどにチェックし、事後的な検索可能性を高められるとよい。〈14分〉
【大問3】長文読解問題
- 時間配分:
物語文。登場人物も少なく、話の流れが取りやすい英文である。
ただ、大問1と同様、設問処理に時間がかかるものがあるものの、本年度は、英文全体からの内容一致問題がなくたったためやや処理が楽になったといえる。
問2の空所補充は内容把握のみならず、分子形容詞の正しい理解が問われている。本稿では独立した文法問題の出題はないものの、基本的な事項についてはこうした形により読解問題中で問われることを覚えておこう。
問4の説明問題は、英文における代名詞の補い方を理解できていれば時間をかけずに解答を作成することができる。
〈13分〉
【大問4】長文読解問題
- 時間配分:
対話文の読解。昨年と異なり話者が3人である上、会話の中でしか登場しない人物が別の発言者の口から出てくるため混乱しやすい。本文を読みながら登場人物とその関係、場面転換を丁寧に追っていく必要がある。
本問で特徴的な設問は問7の条件英作文だ。本文のある箇所に、与えられた語を用いて内容に合う発言を作るというものである。和文が与えられているわけではないため、本文の内容の流れが取れていないと、英文として正しくとも点数がつかなくなってしまうことには注意が必要だ。〈13分〉
攻略ポイント
短い時間で長文を読み切らなければ、思考力の問われる設問に取り組むだけの余裕がなくなる。
そこで、まずは速読力の向上が大きな攻略のポイントとなる。そしてその際には、単に一文ごとの逐語訳をするだけでは足りず、各文の内容のつながり、パラグラフ間の内容のつながりを意識した読解力の向上を目指す必要がある。学大特有の国語的な運用力を試す問題に対応できるようにしたい。
リスニングは普段からリスニング対策を続けていれば満点を狙うことも可能なため得意にしておきたい。