獨協埼玉高等学校 入試対策
2020年度「獨協埼玉高等学校の国語」
攻略のための学習方法
長文読解
本校の試験では古文・漢文の出題は見られないので、現代文の読解に力を注ぐことができる。小説4600字・論説文4200字で計8800字ほどの素材文となっている(2020年度)。文章自体の難易度はそれほど難しくはないので、読みやすいだろう。総解答数が32問と少なめであることもあり、時間配分に失敗しなければ、足りなくなることはないと思われる。選択式・並び替え・書き抜き・記述と問題形式は多彩である。とくに記述問題は60字前後のものや字数指定のないものもあり、類似問題でコツをつかんでおく必要がある。
記述問題
抜き出し問題ではないものの、傍線近くに答えとなる内容・手がかりがある場合は多いので、まずは前後をよく探すのが鉄則である。字数もひとつの目安で、指定された字数よりやや多いか少ないかくらいの部分が答えに使える場合が多い。内容では、別の言葉で言い換えたり、短くまとめたりした箇所が重要である。
また、書き抜きではないので、設問に合うように語尾や語順を整えることも必要となる。確実なのは訊かれたことにオウム返しに答えてしまうことである。「何をどのようにされたのか」という質問なら、そのままの語順・言葉遣いで答えてしまって良い。
大事なのは訊かれている点「何」と「どのように」を忘れずに答えることである。字数指定がない場合は、解答欄の大きさからだいたい何行くらい書けそうかを見て、1行20字~25字くらいの見当で記述すればよい文量になるだろう。
読解
本校の長文は文章自体さほど難解なものではないし、テーマや論説対象も中学三年生にとってひどくかけ離れたものではないので、無理に難問で練習する必要はないだろう。同程度の難易度の学校の入試問題なども利用しながら、読解問題の基本に沿って訓練すればよい。
すなわち、説明的文章であれば、段落の関係・要点と細部・要旨のまとめ、文学的文章であれば、場面の転換・登場人物の言動や表情・気持ちを暗示する表現など、読解のポイントになる点について丁寧に練習すること。素材文の文字数に慣れ、時間内に一通り終えるスピードをつけること、などである。
前年度より字数が増えているので、今後もこの傾向が続くものとして、多めの文章量で慣れておいたほうが良いだろう。
漢字の読み書き
漢字は読みと書きの両方で出されている。どちらにもなかなか難しい漢字が含まれており、配点も2割を占めて得点源として大きいので、中級~上級レベルの漢字まで身につけて、失点ゼロを目指したい。
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2020年度「獨協埼玉高等学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
小説文4600字・論説文4200字の計8800字ほどの長文読解と漢字10問・言葉の知識数問という構成になっている。総解答数は32問。今年度も古文・漢文の出題は無かった。
素材文はさほど難解なものではなく問題数も少なめなので、読むスピードが遅くなければ時間は足りるものと思われる。記述問題が数問出されるので、あまりに時間を取られ過ぎないよう、同種の問題を多くこなして慣れておくこと。
【大問一】小説の読解
- 時間配分:21分
主人公が見習いをしている陶工の里を有名な外国人作家リーチが訪れ、主人公は助手として近くで作業を見る機会を得る。
問一 陶器の色・模様、形状や質感などが見る者に与える魅力や風情を、しばしば「味」や「表情」などという言葉で表す。
問二 市井の一職人として、高名な陶芸作家たちの技術や感性を学ぼうとする態度であろう。
問三 「誰それという芸術家が創った」が「個人性」にあたる。伝統工芸品には「個人性」は要らないと主張されている場面である。
問四 「有名な人が無名であることのすばらしさを説く」のは、「つじつまが合わない」。
問五 「小鹿田が守り継いできた独特の技術や意匠を、いたずらに壊したくはない」とある。河井の具体的な教えはそうした基本姿勢に反しているとリーチは感じたのである。
問六 リーチはまず職人たちの作業をよく観察していた。そしてその技術を用いて自分でも創作してみた。職人たちにその様子を見てもらっているだけで、特に「指導」している様子はない。
問八 高市が緊張している場面で、「焼き物の里に生まれて、焼き物と一緒に育った」「体が知っている」と、伝統の持つ力を評価している。それが子供やニワトリにまで受け継がれている、とリーチは嬉しくなったのである。
問九 「す、す、す、す、す、」と生地を削る場面の説明として、イが合っている。
問十 見習いとしては普段は入れない場所で手伝いができることに、職人を目指す者としての喜びを感じている。
【大問二】論説文の読解
- 時間配分:26分
「文化としての科学の表現」というテーマで、科学者が、また一般人がどうすべきなのかを論じている。
問一 エ. 「~営みである」ということを「忘れる傾向がある」ことが問題なのに、逆の内容になってしまっているので、×。
問三 直前の「文化としての~持ちようにする」と同じ内容を十七字で表現した部分が第4段落にあるので、そこを抜き出す。
問四 「楽譜(人に伝える手段)→音楽(伝えたい内容)→自分」の関係を科学で考えると「論文→研究→自分」となる。
問五 「広報」は「科学の成果やいかに役立つかを伝える」役目であるが、「科学は一つの文化」であり、どう「表現」するかを考えなければならないと筆者は主張している。
問六 自分に「関心、さらには信頼」を持ってもらい、人を惹きつけられる「人間として語る」ことが大事だと述べられていることから、選択肢エが合う。
問七 尊敬語なのでイ。
問八 「科学者も」と言っているので、「演奏家」について説明した後の【Ⅱ】が合う。
問九 ア. 最後の3段落の内容と合っている。
問十 自分の学生時代の経験や音楽などを例にとってわかりやすく説明している。
【大問三】漢字の読み書き
- 時間配分:3分
① かもく――口数が少ないこと。
② こがい
③ ばくろ――秘密などをあばいて明るみに出すこと。
④ しずく
⑤ え――他に「がら」とも読む。
- 介抱――病人などの世話をすること。
- 克己(心)――自分の感情や邪念などにうちかつこと。
- 劣勢――形勢が不利であること。
攻略のポイント
類似問題を多くこなしてコツをつかむこと・理想としては普段から読書に親しんで長い文章を読みなれておくこと……長文読解の基本的な対策をしっかり実践して欲しい。読解問題に対しては読書に勝る練習はないと思っていただきたい。
記述問題については30~60字くらいの様々な条件の記述問題を解いて、文字数とまとめ方の感覚をつかんでおくこと。
さらに本校の場合、漢字や言葉の意味などの知識問題がやや難しく、配点も非常に高い場合があるので、読解の訓練ばかりでなく知識問題の対策にも時間を割いておかれたい。