医大・医学部受験プロ家庭教師 杏林大学 物理の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

杏林大学 物理
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

力学・電磁気を中心として物理全般的に幅広い出題となっています。原子物理も出題されます。難易度としては公式を代入するだけのものから、複雑な計算を要する発展問題まで出題されます。よって、苦手な単元を作らず全範囲において標準的なレベル問題まできちんと解けるようにしておくことが必要です。

出題量と時間配分

理科2科目100分で大問4題、設問数は年度によって差がありますが、30問前後を解かねばなりません。また、数値計算もあるため、解き方がすぐに思いつかない問題を考え始めるとまず終わらないでしょう。すぐに解法が思いつく問題をすべて解ききり、残り時間で思考力を要する問題に取り組むようにしましょう。

出題形式

大問4題です。大問そのもので一つの問題になっている場合が多いですが、小問集合になっているものも見受けられます。問われる内容は、数式を求めさせる問題、具体的な数値を計算させる問題、定性的な分析をさせる問題と様々です。

解答形式

全問マーク式です。数式を求めさせる問題では、選択肢は10個程度で、似た選択肢もあるため、解けていてもマークミスに気を付けましょう。しかしながら、次元解析や極端な例(斜面が水平面となす角θを0やπ/2にするなど)を考えることによって、分からない問題でも選択肢を減らせることが多いです。数値計算は選択式と穴埋め式に分かれますが、前者に関しては、概算でも答えを選べるため、慣れれば時間を短縮できます。

攻略のポイント

どの大学の対策にも言えますが、まずは基礎を固めることです。これがなくてはいくら問題を解いても、自分で正答を出す力はつきません。

物理全体で登場する定義や公式、概念などは数が少ないので、それらを一つひとつ理解します。定義はそのまま覚えるのではなく、自分の言葉で表現し直したり、図を書いて表現したりなどいろいろな角度から見てみましょう。公式については、すべて自分の手で証明できるようにしておきましょう。公式についても、言葉で表現したりと多角的に自分で理解しておくことがとても大切です。これらの作業がいわゆる「基礎を固める」ということになります。問題をたくさん解くことではありません。まずは、この作業を丁寧に行っておきましょう。

次に問題演習に入ります。数を少なくし、とにかく少ない問題を徹底的にマスターしましょう。最初の段階で問題を数多くこなすと一つ一つの問題の理解が浅くなり、他の問題への応用力が養われません。一つの問題に対して、これも多角的に検討し、別解を研究したりする作業を重要です。そのためには何冊も問題集は必要ありません。後述する1冊の問題集を選び、それを徹底的にやりこむことが大切です。

この段階までくれば、驚くほど多くの問題が解ける状態になっているでしょう。この状態になれば、多くの問題演習に比例して実力はついていきます。問題をやればやるほど伸びます。もちろん、答えを出して終わりという学習法は避けましょう。一つの問題に対して多くの研究は変わらず続けましょう。

杏林大学では前述したとおり、とてもスピーディな解答力が要求されます。過去問演習の際には必ず時間を計って取り組みましょう。一つの問題に費やせる時間は限られているので、すぐに解けなかった場合の飛ばす基準作りや、“回答形式の特長”で述べたようなテクニックの練習も含め、過去問でなければできないことは多々あります。飛ばした問題は放置したままにせず、試験時間後に少し考えてみてから解説を精読して、反射的に解くためのポイントを整理しましょう。

なお、数値代入する穴埋め式の問題も多いので、普段から有効数字に気を配って学習しましょう。

問題演習で解けなかった問題や、時間がかかってしまった問題があった場合、問題文中の、どのフレーズが解答に利用する公式に繋がるのかを整理しなければなりません。例えば、“衝突”とあった瞬間に他の問題文を見なくとも、運動量保存則と反発係数は思い浮かべられるようになっていて欲しいですし、コンデンサーとコイルのみの回路なら即座に電気振動だと判別できるようになっていて欲しいところです。そのような整理をした上で、時間を少しおいて、問題に再度チャレンジしていく事が重要です。解説を読んで理解した気になっていたり、整理はしてみたものの、すぐに出てこなかったりすることは珍しくありません。最終的な目標は問題を解くことであるので、問題が時間内に解けて初めて、その問題を克服できたことになります。

推奨テキスト

(1)『物理のエッセンス』(河合出版)
対象:教科書や初学者向け参考書を終えた方
各分野の典型的な問題の考え方が整理されており、問題を解きながら公式をどのように運用していくかが学べる参考書です。繰り返して解けない問題が無いようにしておきましょう。

(2)『良問の風』(河合出版)
対象:公式の整理ができた方
『物理のエッセンス』後にやる問題集という位置づけで、問題数は多くないものの、有名問題は網羅されています。

(3)『物理(物理基礎・物理)基礎問題精講』(旺文社)
対象:公式の整理ができた方
『良問の風』と大体同レベルの問題集です。問題数は多くないので、『良問の風』とセットでやって、典型問題を解く力をしっかりと固めるとよいでしょう。

(4)『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)
対象:問題を沢山解きたい方向け
基本から標準まで幅広く扱われています。本学を目指すなら、発展問題までを完璧にし、総合問題は保留で良いかと思います。解説はそれほど親切ではないので、上述の『物理のエッセンス』等で基礎を固めてから臨むと良いでしょう。

(5)『物理重要問題集−物理基礎・物理』(数研出版)
対象:問題を沢山解きたい方向け
基本から難問まで幅広く扱われています。A問題とB問題というように問題のレベル分けはなされていますが、『セミナー』程細かく分かれていないので、A問題でも本学においては難しめになる問題が多くなってしまいます。解くべき問題を示してくれる指導者がいることが望ましいでしょう。

<番外編>
(1)『センター試験過去問&予想問題集』(各予備校等)
早解きの練習に最適です。公式の整理が終わったら、忘却を防ぐために週に1回分以上を回し続けるとよいでしょう。目標タイムは40分ぐらい、目標点は本学のセンター利用が8割後半ぐらいなので、最終的にはそれを目指しましょう。

 

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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