指導実例インタビュー
関口先生
指導実例インタビュー
関口先生
合格実績(五十音順)
愛知医科大・岩手医科大・金沢医科大・川崎医大・川崎医科大・北里大・杏林大・慶應大・順天堂大・昭和台・聖マリアンナ医科大・千葉大・帝京大・東海大・東京医科大・東京慈恵会医科大・東京女子医大・東邦大・日本大・日本医科大・兵庫医科大・藤田医科大・横浜市立大
「淡々と学習する」ことを貫き、見事東京慈恵会医科大学に合格!
指導を始める前の状況
■指導開始時期: 1浪目の5月
■指導科目: 数学
■指導回数: 週1回 2時間
現役時の受験が終わり、もう1年頑張ると決意した時期に両腕骨折という事故にあったこともあり、勉強ができていなかったことでかなり不安な様子が見て取れました。本人曰く、大手の集団で受ける予備校では、自分のペースを守ることや質問もままならないことが懸念されるので、個別指導を選んだとのことでした。
人柄はとても素直で努力家という印象でしたが、それが高じて自分に厳しすぎる部分があり、夏前の時期にしては苦しそうな部分も感じられました。
学習上の問題点は、体験授業の段階で抱いた印象として、学校や現役時に通っていた塾のおかげと本人の努力もあり、数学の受験範囲はひと通り終わっていて、非常に高度な解法を知っている。一方で、なぜその解法が有効なのか?どのような場合に使って良いのか?などは理解できていなかったり、それ以前のとても簡単な公式や数学用語の定義の理解が曖昧である様子が見て取れました。また、計算に関しては多少「この計算やるの?」というような複雑なものでも諦めずに粘り強く取り組む姿もあり、本人の不安とは裏腹に、今後の伸びに大きな期待が持てるとも感じました。
志望校のうち東京大学については、特に将来を見越してということではなく、同時に医学部にも強い思いはあったようで、学校自体、学部自体への気持ちというよりは、自分の受験生活の集大成として納得のいく学校に合格することが目標というように感じました。
指導内容
正式に受講が決まった最初の授業時に、体験授業の時に感じたことを本人に伝え、本人の意向も踏まえて、家庭学習で使用する教材、ペース、取り組む際の心構えを確認しながら決めていきました。その中で、「調子の悪いとき、気持ちが乗らない時でも、全く数学に触れない日は無しにしよう。」ということにも同意してくれたことは、後になってから大きく影響をもたらしてくれたと思います。
授業中は1週間で学習した内容についての質問事項に答える形からスタートし、学習範囲に関しての類題プリントをその場で解いてもらって定着の確認もしていきました。その時にしっかり理解できたつもりでいた問題も、いざ自力で解くとなると途中で止まってしまったりすることは多々ありました。印象的だったのはペンが止まってしまって、こちらからヒントを出そうとした時に、「もう少しで解決できそうなのでヒントを言わないでくださいっ!!」と言われることが度々あったことでした。実際、方向性が違ったりした場合にはこちらから介入したこともありましたが、自力で遠回りでも解決できることもあり、感心することも何度もありました。
学習状況の変化と成績の推移
■成績推移: 開始時数学得点18/120点/35/120点(東大実践模試(駿台)/東大オープン(河合))
→ 最高時偏差値60台
共通テスト前まで、メインの模試は河合と駿台の東大オープンおよび東大実践だったのですが、夏の第1回では東大模試で数学の偏差値が60を超えたので、一緒に喜んだことを覚えています。9月以降模試の成績が良かったことから少し緩んでしまった期間もありました。実際、その期間には親御さんから、家庭での学習姿勢に関して悪い方への変化をご相談いただいたりもしました。案の定、秋の東大模試で前回よりも下がってしまいましたが、それを反省に再び気持ちを入れなおして学習に取り組むことができたと思います。
その時の合言葉は「調子が良くても悪くても、淡々と学習する。」です。調子が良くていっぱい勉強できたとしても次の日に休んだりしない。今日は今日で、明日は明日、を徹底しようということでした。
実際、もともと得意ではなかった共通テストの様に、短時間で瞬発的に解かなければならない問題はそこまで伸びませんでしたが、しっかり考えて取り組む難関大学の数学に関してはかなり伸びたことを実感できました。私立の医学部に本命を決定した後も、数学が難しい問題の学校の方が強みを生かせると感じました。もともとの本人の意向に対しても、慈恵や日医や慶應は合っていたと思います。
受験の期間でも気持ちのぶれはあったと思いますが、「淡々と学習する」を貫いてくれたおかげで、ネガティブな考えに支配されることもなかったように思います。
結果
■結果(進学先): 東京慈恵会医科大学医学部医学科
■結果(他の合格校): 日本医科大学医学部、慶應義塾大学経済学部
生徒とのエピソード
人柄は、芯のある自分の考えを持った子という印象。とはいえ、今どきの子でもあるので、SNSや周囲の雑音を完全に遮断できるわけではなく、そういった部分では真面目なだけに、雑音をしっかり聞いてしまうこともあったりする10代なりの不安定さも持ち合わせていたんじゃないかと思います。
ただ、いろいろ苦しいことはあるだろうけど、進学校に通えていたこと、リーダーズブレインにも通わせてもらっていることなど、恵まれていることにも目を向け「ノブレスオブリージュ」(機会や才能に恵まれた人は他人のために頑張る義務がある)の精神を持ち、受験勉強だけでなく今後の人生でも頑張って欲しい、という想いを伝えていました。合格後にお母様から、その話を本人は励みにしていたと伺うことが出来たのは非常にうれしかったし、きっと今後もいろいろあるとは思いますが、立派な大人になってくれるんだろうなぁと感動させてもらいました。
東京慈恵会医科大学を目指す受験生へのアドバイス
慈恵や日医といった難関私立大学では、問題が難しいので特別なテクニックに飛びつきたくなる気持ちもわからなくはありません。しかし、合格者の多くは基本的な公式の導出など、地道な学習を続けた結果として合格をつかみ取っていることを意識してみましょう。
また、計算力が必要であることは否定できませんが、特別な数学の「才能」は必要ないと思います。チャレンジする熱い気持ちと、彼我の距離を分析して冷静に「淡々と」日々の学習を続けていれば道は開けます。そのように、目標を正しく認識して、自分の可能性を信じてみてはいかがでしょうか?