立教女学院中学校 入試対策
2018年度「立教女学院中学校の社会」
攻略のための学習方法
分析
満点が40点から60点に変更されて以降、設問数は30~40問ほどであったが、2018年度は53問と増加傾向にある。今後も同程度の問題数と考えて、スピードを意識した過去問演習に取り組んでいただきたい。
記号選択や用語記入形式での出題で、いわゆる記述問題は見られない。
地理・歴史・政治経済の分野から必ず出題があり、3分野の融合問題・総合問題となっている年度もある。
また、女子校の社会入試ではあまり出されない「世界地理」の問題も多く含まれる。
地図やグラフ、歴史資料も毎年用いられている。
地理分野
地理については、まず日本地理全般について広く学ぶ。
各地の地名・地勢・産業の基本事項をざっと覚えたら、さらに地図や白地図でその位置や関連する地域の情報もまとめて理解を深める。
さらに、世界地理についても基本的な知識は身につけておきたい。ヨーロッパ・アジアにある日本と関係の深い国々や、世界的に話題となった地域について、その国の位置や地域のつながりを地図で確認しておくと良い。
歴史分野
歴史は、テキストの基本事項をしっかり頭に入れる。
その後、断片的な知識を歴史の大きな流れに沿って整理しておくようにする。本校の試験では、歴史の大まかな流れを問われる問題が多いからである。
過去の試験でも、各時代の宗教や建築様式についての問題、時代の並べ替えの問題などがみられた。
時代ごとに、また政治史・文化史・宗教史といった分野ごとに、年表にまとめるなどして、つながりを覚えておくことで対処しやすくなる。
政治分野
政治経済の分野では、日本国憲法・三権の仕組みとはたらき・国際関係が頻出となっている。
さらに、これらをテーマにした時事問題で、憲法改正についてのアンケートから数値を読み取る〈平成25年度〉といった設問もみられる。
日頃から憲法や国際関係についてのニュースなどは常に注意しておき、最新の情報に触れるようにしたい。
まとめ
全体としては、極端な難問奇問の出題は無く、記述問題も出ないオーソドックスな試験である。
ただ、過去の合格者平均点をみてみると年度によってばらつきがあり、ときどき難度の高い出題の年があるようだ。
もし、そのような年に当たってしまった場合は、全く歯が立たないと感じた問題はとりあえず保留して、わかる問題をどんどん進めるといった判断も必要になるだろう。また、総解答数が50を超える年もあるので、時間配分に注意が必要である。
他の女子校と違って、世界についての問題が多いのも特徴で、平成22年には世界の国々と国旗に関してかなり詳しく訊く問題も出された。地理以外の分野でも世界の出来事が織り込まれて出題されている。
韓国・中国など身近な国、オーストラリア・中東諸国など経済的に日本と結びつきの強い国々、北米大陸やヨーロッパ諸国など・・・・・・このような国や地域について、国際的に関心の高い政治上・経済上の出来事などをよく調べて、必ず地図で場所を確認しておく。
前年度、話題になった新しい事柄がよく出題されるので、最新の時事問題集などでよく練習しておくこと。
また、幅広い範囲の知識を問われる問題がある一方、上記の平成22年度の問題や2017年度で出された地図の読み取りの問題などのように、一点に絞って少し詳しく知識を問う問題もある。
以上のように、学校や塾で習うことから新聞やニュースでしか見られないもの、狭い範囲から広い範囲まで、様々な視点から知識を問われるのが立教女学院の社会の問題なのである。
● テキストで覚えた知識を地図や資料集でしっかり補強する
● 日本の出来事と合わせて、世界の出来事についても基本的な事柄は理解しておく
● 世の中の情勢・最新の社会的問題などに注意をはらう
このような姿勢で、丁寧な学習を心がけてもらいたい。
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2018年度「立教女学院中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問4つに地理22問・歴史17問・政治経済13問が割り振られ、計52問となっている。記号選択と適語記入ばかりだが、ここ数年は問題数が多い傾向にあるのでスピードが必要である。
1200字ほどのリード文があるが、下線部だけ見れば答えられる問題も多いので、どうしても時間が足りなければ下線部の近辺だけ読んで済ますのも手である。
何問かはやや難しい問題も含まれており、正解できれば他と差をつけられる。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
日本の国土と世界の大陸について。
問一 北極は分厚い氷の層だけでできているので、陸ではない。南極の氷の下には地面があるので大陸と言える。
問二 ニュージーランドはオーストラリアのすぐ隣にある島。アフリカ大陸は赤道を挟んで北側の方が面積が大きい。エジプトは北側にある。
問四 日本の面積(平方キロメートル)と地球から月までの距離(キロメートル)は、単位は異なるがともに約38万と覚えてしまおう。
<時間配分目安:11分>
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:3分
各地の農業生産について。
①山梨・福島で1位・2位なので桃。
②新潟・北海道で1位・2位で生産量も多いので米。
③青森が1位でりんご。
④長野・茨城・群馬が多いのでレタス。
⑤和歌山・静岡が多いのでみかん。
⑥残ったひとつが大根。
<時間配分目安:3分>
【大問3】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
各時代の人物や出来事。
問一 (1)松前藩は北海道渡島半島の南端に置かれた藩。その城の名前から福山藩とも呼ばれる。
(5)治外法権の廃止は陸奥宗光、関税自主権の回復は小村寿太郎。
(6)資料集でよく見る元寇の図版は、竹崎季長が自らの戦いを絵巻物に描かせたものである。
問二・問三 日中共同声明(田中角栄・1972年)により国交が正常化、のちに日中平和友好条約(福田赳夫・1978年)が結ばれた。
問五 大阪城は石山本願寺消失の後、その跡地に建てられた。
問六 日本は下関条約で清から台湾・遼東半島などの領土と多額の賠償金を得たが、ロシア・ドイツ・フランスによる三国干渉で遼東半島を返還した。
問八 「てつはう」は直径10~15㎝ほどの球に火薬や鉄くずなどを詰めて投げ、爆発させるもの。
問十 ワカタケル大王(雄略天皇)の文字が刻まれた鉄剣が多数発見された。
問十一 A江戸・B昭和・C安土桃山・D明治・E鎌倉・F飛鳥・G古墳時代である。
<時間配分目安:10分>
【大問4】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:6分
政治の仕組みや憲法について。
問二 最高裁判所(東京・1箇所)、高等裁判所(各地方・8箇所)、地方裁判所(各県に1つ・北海道だけ4つ・計50箇所)、家庭裁判所(地方裁判所に併設・50箇所)、簡易裁判所(全国・438箇所)。
問四 アは国会、エ・オは天皇の仕事。
問八 天皇の国事行為は内閣の助言と承認による。
問九 知る権利や環境権は比較的新しい権利で近年認められるようになったので、憲法には明記されていない。
問十 日本は事実上アメリカの核に守られているので、その立場もありこの条約の交渉には参加していない。
問十二 非政府組織(NGO)。
<時間配分目安:6分>
攻略ポイント
基本的な事項を幅広く答える問題と範囲を絞って少し詳しく答える問題とがある。
前者のミスを最小限に抑えるべく、基本事項の学習を徹底する。その際、必ず地図を手元に置いてイメージできるように覚える。歴史は時代の流れを常に意識し、出来事の順番がすぐ浮かぶようにしておきたい。合格者平均点が高いので、このレベルでの失点は避けたい。
その上で、後者への対策として、覚えたことの周辺事項までまとめて確認し、引き出せるようにしておく。
そして時事問題で戸惑わないように、社会的な出来事・新聞の一面になるような話題について(直近の数年に起こったことは特に)噛み砕いて理解しておく。付け焼き刃の一夜漬けではなく、日常的に新聞・ニュースに目を向けておきたい
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