筑波大学附属高等学校 入試対策
2017年度「筑波大学附属高等学校の英語」
攻略のための学習方法
とにかく設問を丁寧に吟味出来るだけの時間を確保するために、英文をどれだけ早く読めるかが大きなポイントである。
語彙に関しては、注訳が多く与えられていることから、単語レベルで難易度が高いわけではない。
物語文特有の感覚を早期に身に付ける必要がある。
以下、筑波大付属高校の英語克服のための具体的な学習方法を見ていこう。
リスニング問題
全体との兼ね合いで取りこぼしの許されない問題になることから、普段から音声学習を取り入れる必要がある。
英検準2級・2級の教材や類似過去問を繰り返しやり直すことで、ほとんどの問題で正解を導くことが出来るようになるだろう。
余力があるのであれば、ラジオ講座などを利用することをお勧めする。後述する音読学習もリスニング対策としては効果的である。
長文読解
問われているのはほぼすべて実質的には内容把握であるため、いかに早く正確に、解答に必要な範囲での丁寧さで読めるかがポイントとなる。
普段の勉強としては、物語文を素材の中心とした上で、精読と速読のトレーニングを意識して分けることが大事だ。
まず、精読に関しては、英文構造をある程度正確に分析できるようにするため、解説の詳しい問題集を進めていく必要がある。むろん、物語文であるため、英文構造はそれほど複雑な英文は出てこないものの、立ち止まって丁寧に訳さなければ訳がつかみにくいという部分が必ずあり、そしてその部分こそが英語力の有無を試すことが出来ることから、設問に絡みやすいのだ。
したがって、どのような英文でもやろうと思えば英文解釈することが出来る力を身につけなくてはならない。文法事項の一通りの学習を早急に終わらせ、英文法を英文を読むためのツールとして捉え直す必要がある。
次に速読に関してだが、やはり前から句・節ごとに訳し下していく練習が必要になる。きれいな日本語を作ろうとすると、いったん英文の後ろまで目を通して後ろから訳を作ることになり、結果的に一文を二度読むことになってしまい時間がかかりすぎてしまうからだ。
普段の勉強から音読学習を取り入れるのが効果的だ。声に出して読むことで前から読み下す力を身に付けることが出来る。
また、かなりのスピードで読み下していくことになるため、途中で話の流れを見失わないように、各パラグラフを読み終えるたび、そこではどのようなことが述べられていたのかをしっかり確認する習慣を身に付けよう。
物語文である分、用いられている単語が基本的なものになりやすいため、万全に目を通していると上滑りしてしまうので注意が必要だ。
筑波大付属の設問に対応するためには表面的な読み、つまり、一文単位での内容把握では足りない。必ず、各文の内容のつながり、各パラグラフの内容のつながりを意識した読み方を意識しよう。
和文英訳
難しい単語や文法知識を用いた英文を書く必要はないので、基本的な英文の骨組み・型を意識した勉強をしたい。
早い段階で文法の基本事項を終わらせ、範囲指定のかかっていない状態で様々な英文を実際に手を動かして書く練習をする必要がある。
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2017年度「筑波大学附属高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数はリスニング1題・長文読解問題2題・和文英訳1題の計4題である。
長文の分量が多く、設問も正確な内容把握が前提となっており、解答に時間がかかる作り方をされていることから、かなりの読解力が要求される。一朝一夕では対応出来ない問題であるが、英語の地力を問う良問とも言える。当校の典型的な設問形式に慣れるため、過去問を繰り返すことで時間的な負荷をやや減らすことが出来る。
【大問1】リスニング問題
- 時間配分:
放送文未公表
【大問2】長文読解問題
- 時間配分:15分
物語文。登場人物は少ないが場面の転換が多くあるため、話の流れを見失わずに読んでいく必要があるものの、英文自体は標準的で読み取りやすい。
本問のような場面変化が多い物語文では、そのたびに英文にチェックをすることで、「誰が何をした」ということに対して意識を持つことが出来、設問処理も効率が良くなる。会話が連続する場面では、それが誰の発言であるのかをしっかり確認したい。空所にフレーズを入れる問1・3・4・5・7はいずれもかかる視点を意識した読みができていれば、時間をかけずに処理できる。
問8の整序問題は比較級を用いた英文を作ることはすぐわかるが、比較の対象と省略という部分の正確な理解がないと時間がかかってしまうかもしれない。
問9は本文空所に入れるべき3語を本文から抜き出させる問題だが、本文を読み始める前に空所の含まれた英文を読んでおくことで時間をかけずに解くことが出来る。
【大問3】長文読解問題
- 時間配分:15分
物語文が素材となっている。こちらも登場人物こそ少ないが、ファンタジーの要素が強いため、設定状況をしっかり追いかける必要がある。前半で述べられた箇所が後半の問題を解く上での伏線となっているため、混乱しないように場面転換・情景描写を丁寧に追っていく必要がある。
問1の語句整序は冠詞anに気が付ければ英文を組みやすかっただろう。もっとも、例年は、文法形式だけ考えれば答えの可能性が複数あるため前後の内容を正確に把握できていないと答えを導くまでに時間がかかりすぎてしまう問題が出題されることが多い。
問2~6の空所補充や下線部同義問題は、前後が部分的に読めていれば確定できるため取りこぼしたくない。こういった取りやすい問題に時間をかけすぎないようにしなくてはならない。問9・10といった前半の伏線の理解を要求される問題の正誤・記述の判断に時間をしっかり確保できるようにしたい。
全体としては、昨年度と異なり、英文全体からの内容一致問題が姿を消したため、処理が楽になったといえる。
【大問4】和文英訳
- 時間配分:10分以内
5題。答えとなる英文は基本的な表現である。年度によっては、与えられる英文がこなれた日本語なため、やや難しいものが出題されることが多いが、今年度は日本語をそのまま英文にすれば足りるものが多かったため取り組みやすかった。
かける時間の目安は10分だが、出来ればもう少し時間を短くして読解問題にその時間を当てられるようにすると高得点が目指せるだろう。
攻略ポイント
短い時間で長文を読み切らなければ、思考力の問われる設問に取り組むだけの余裕がなくなる。そこで、まずは速読力の向上が大きな攻略のポイントとなる。そしてその際には、単に一文ごとの逐語訳をするだけでは足りず、各文の内容のつながり、パラグラフ間の内容のつながりを意識した読解力の向上を目指す必要がある。素材となるものが物語文であることが多いので、登場人物の整理・心情の変化・場面転換を意識した読解の訓練が必要だ。リスニングは普段からリスニング対策を続けていれば満点を狙うことも可能なため得意にしておきたい。