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城北中学校 入試対策

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2017年度「城北中学校の算数」
攻略のための学習方法

特徴と対策

城北中学の算数は、男子校らしい問題の難易度と適切な問題量を持ち、毎年多くの受験生に受け入れられているオーソドックスな内容である。
しかし、以下の特徴を持っていて、そのための対策を施しておく必要が生じている。

1つは、年度によって「問題の難易度変化が見られる」こと。合格点にも大きくかかわってくるだけでなく、対応する受験生側にも負担となる部分である。しかし、ここ数年は極端に水準が異なるということはなく、受験者平均点も60点台と理想的なので今後はこのレベルで安定するものと予測する(平成29年度の平均点は下がったものの問題の質は上がっていない)。

もう1つは、頻出である「図形問題への対応」である。もともと図形問題と一括すればいろいろな分野がふくまれているし、他校においても図形問題が複数出ることは当たり前であるが、城北の場合は問題数の半分近くを占めることがあり、図形分野の得意不得意が合否に大きく影響することは想像に難くない。こちらは細かく述べる。

図形問題への対応

「図形」問題への対応に関してはやはりテクニック的なことに触れることになる。
「和差算なら線分図」「平均なら面積図」というように、問題の内容によって典型的な解き方というのが存在し、その解き方を身につけるために日々勉強を続けているわけだが、図形の場合は「円の面積なら半径×半径×円周率」という公式の暗記だけでは解けないことが多い。ことに城北の算数で単純に円の面積を求めさせることはあり得ない。同様に、ありたきりの公式暗記は必要条件ではあっても十分条件ではない。

ポイントはもう一つ上のランク、「やっておきたい作業」の習得となる。
たとえば、平成28年度大問【2】の(1)。「折り返した図形において、等しい角度にはしるしをつける」ができているだろうか。(6)の補助線しかり。今年は必要なかったけれども展開図を書く作業なども…
手作業が必要な問題を受験生は敬遠する嫌いはあるけれども、それでは城北中学の合格は遠ざかってしまう。

図形の問題は、特殊算と違って解き方を覚えたからと言って必ずしも解けることは限らない。だからこそ、「図形問題にはひらめきが必要だ」などとまことしやかに伝えられ、それを一概に否定することはできないけれど、まずは正解する可能性が高くなる作業は出来るようになっておきたい。
今回実例に挙げた以外にも、図形問題「解法のテクニック」はいくつも存在するだろう。公式を超えて、それらもしっかりと自分のものにしておきたい。

合格のための勉強法まとめ

さて、「城北中学合格のための勉強法」をまとめると
・過去問を解いて自分の力との兼ね合いを図り、おおよその合格ラインを見据え、それに合ったレベルの問題をたくさん解く。
・図形の問題では直感に頼った解き方ではなく、テクニックとして必要なものの中からいつでも必要な作業を取り出せるようにしておく。
・基礎的な問題が解けるだけでは合格点には到達しない。一行問題集のレベルから早く脱して、標準的な文章題に対応できるポジションまで到達しておきたい。

城北中学の算数は総じてオーソドックスな問題が多い。特殊な勉強法は要らないので過去問に取りかかるのは力が十分ついた秋からで間に合う。それまでにどの分野から出されても高い正答率を持って問題にあたれるよう地道に力をつけておきたい。
易しくはないが決して困難ではない、城北中学の問題に真っ向から挑戦してみよう。

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2017年度「城北中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5、小問が23。出題数・量は例年並みだが【大問5】のウエイトが高く、聞かれていた設問数もダントツで多くなっている。受験者平均点は48点と例年よりやや低めだが特に難易度の高い問題はなかった。

はじめの問題から順番に得点を重ね、最後の問題まで普通のペースで解いていけば時間不足に陥ることもなかっただろう。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)では、小数を分数に、分数を小数になおした方が解きやすかったがそれを行わなくてもさほど難しい計算問題ではなかった。

(2)は逆算ながら難度は低く、どちらも正解できたことだろう。

【大問2】年齢算・平面図形(角度)・売買損益・場合の数・平面図形(面積)・立体図形(回転体の表面積)

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

どれも標準レベルの小問であり、最低でも5問は正解したい。

(1)は「年齢算」とも呼べないレベルの問題で、比1あたりがすぐ求まるので間違えようがない。

(2)は正八角形に対角線が2本、その交点にできる角度の大きさを求める問題。正八角形の内角の大きさと三角形の内角の和がわかっていれば出来る問題でこれも容易に解けるだろう。

(3)は「売買損益」の典型的な問題(つるかめ算使用で、何度も解いてきた経験があるもの。原価を1としてそれぞれの値を割合で表せれば正解にたどり着く。逆に間違えた場合は復習に走ろう。

(4)は【大問2】の中で唯一手が止まる問題。時間は十分あるので問題文をしっかりよんで正解したい。「2でわれる」ので一の位は「2」で決まり。さらに「9」でわれるので4つの数の和が「9の倍数」、この場合は「9」になる場合だけである。一の位は「2」なので、千の位~十の位までの数の組み合わせは「1、3、3」と「2、2、3」。それぞれ何通りずつ?

(5)もまた折り返した図形の典型題。長方形の辺の比が「3:4:5」になっているので重なった三角形もまた同じ辺の比を持っているからそれを使う。

(6)では円周率3.14を使わないでアとイの表面積をまとめればすんなりと求まる。イの表面積がきちんと式で表せていれば申し分ない。

【大問3】速さの問題(速さと比・旅人算)

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

本年度は「速さの問題」はかなり平易で苦もなく解けたものと思われる。

(1)は次郎が15分で歩いた道のりを太郎が10分で歩いていることから逆比であっさりと求まってしまう。

(2)はこれまでの設問では最も難易度が高いが解けていただきたいレベル。(1)の速さの比を用いてAB間の距離や設問で問われている距離を表していく。

【大問4】平面図形(角の大きさ・相似形)

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

(1)は案外難しく、錯角などを用いて角の大きさの式を作り求めていく。さいわい(2)とは直結していないがここでの失点はやむを得ないか…

(2)のほうがむしろ標準的で、高さが等しい三角形の底辺の比、さらに相似形の関係を使えばなんとか求まる。ここも解けてほしいレベル。

【大問5】条件整理(選挙の投票数)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

これもまた何度も解いた経験があるだろう、選挙で当選に必要な票数を求めていく問題。
問題は先生同士の会話形式になっていてそれに応えていけば問題が解けることになっているがかえってア~コに何の数字を入れていいか混乱する可能性がある。カまでは少なくとも全問正解したい。

(1)の後半と(2)はほぼ同じことを聞かれているので正解できた生徒はすんなり求められただろうし間違えた生徒は全部間違えた可能性がある。しっかり復習しておきたい。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。29年度は、特に難問と呼べる問題はなく、100点を取れてもおかしくない仕様になっている。
受験者平均は48点、合格者平均は59点と例年よりも低めなのは、問題の質と言うよりもむしろ受験生の質の方に問題があるような気がする。
合格点は55点くらいでよいのでそれほど難しくない合格ラインだろう。

本年度の問題ではずしても致し方ないのは【大問4】(1)【大問5】の後半くらいであとは今まで勉強してきた算数のテキストの方がきっと難しかったに違いない。このレベルだと、算数を苦手としている生徒には朗報だろう。

基本的な対策としては以下のことを守りたい。
塾の教材や市販の問題集などで中程度の問題をしっかりこなし、正答率を上げておくこと。
分野的には「図形」がメイン。角度や円の面積など、具体的数値を出す問題に多く触れること。

過去問を何年分か解くと、易しいときと難しいときのちがいに困惑するかもしれない。しかし大切なことは合格点まで解けることだ。難しい年度では受験する皆が出来ないのだから、城北合格のための水準はぶれていない。

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