早稲田大学高等学院中学部 入試対策
2017年度「早稲田大学高等学院中学部の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
例年、説明的文章1題・文学的文章1題の計2問で構成されている。
文章量は7000~9000字ほどで総解答数は30問弱。漢字の書き取りが6~7問とその他の知識問題が数問見られる以外は、長文読解が大半を占める読解中心の試験となっている。
設問形式は記号選択が11~12問、記述問題が2~3問、残りが書き抜き問題といった割合で、年度により整序問題なども出題されている。
[長文読解]
素材文は、説明的文章が2500~3000字程度、文学的文章が5000~6000字程度と、文学的文章の方が文量が多くなっているが、設定やストーリーが受験生にもわかりやすい話が多い。一方、論説文は難しい用語や概念も登場し、難易度がやや高い印象を受ける。
選択肢問題は、字数も少ないシンプルな選択肢が多く、内容も無理に迷わせるような複雑なものではないので、得点源としたいところである。
それと比べて書き抜き問題と記述問題はやや難しいものが多い。字数指定はあるが、答えを探す範囲の指定は無く、「本文全体をふまえて」といった条件がつく場合もある。傍線部の近くに答えが無いことも多いので、要領が悪いと時間切れの危険がある。本文のどこに何が書いてあるかを素早く的確に把握する必要がある。
・説明的文章
形式段落と意味段落の整理。意味段落の内容を小見出しのようにつけておくと後でわかりやすい。2016年度ではまさにそのような問題が出されている。
要点と要旨。各段落の最初と最後に注意しながら、傍線などで要点を目立つようにしておき、細部と区別する。要点をまとめて全体の要旨を読み取る。書き抜き問題や記述問題の答えは要点や要旨から見つかることが多い。
・文学的文章
場面の整理。時間・場所・登場人物の移動などから、場面の変わり目を見つけて印をつけておく。解答をどこから探すかの大きな目安になる。
人物の心情を考える。言動や情景などから、特に気持ちが変化した場面に注目して心情を把握する。自分ならばこう考える・・・といった予断は禁物である。あくまで、文中に書かれていること・暗示されていることを手がかりに考える。
以上のような、長文読解の基本的な手順を素早くこなし、解答する際に無駄に答えを探し回らないように練習しておくことが重要である。
[漢字・その他]
毎年、6~7問出題される漢字の書き取りは本校の偏差値からすると易しい問題が多く、標準レベルである。塾などの漢字教材を一冊しっかりこなしておけば心配ないだろう。
言語事項や文法では、品詞・三字四字熟語・慣用句などが数問出されている。本校を受験するレベルの生徒であれば難しくはないだろうが、漢字と合わせて知識問題も油断なく勉強しておきたい。
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2017年度「早稲田大学高等学院中学部の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
長文2題合わせて9000字ほど。総解答数は26問。漢字と数問の知識問題は3~4分で終え、残りは長文読解に当てることになる。
記述問題は60字のものが1問、書き抜き問題が4問。ここは手間取ると時間が足りなくなる。10問ある記号選択問題は比較的易しい問題が多いので、できるところからさっさと進め、難しい書き抜き問題と記述問題に少しでも多くの余力を残したい。
【大問一】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:23分
- ★必答問題
子どもの発達については、内的なレベルにも注意しつつ、あせらず働きかけることが大切だと説いている。
問一 漢字の書き取りは全体で6~7問出題される。難しいものではないので、全問正解を目指したい。
問三 「武勇伝」の「伝」は伝記や伝説ということではない。「話」というくらいの意味である。
問四 ブレーキ要素を意識的に乗り越えて行動できることが勇気であると述べている。例に挙げられた子供の行動は、そうした自覚的な動きではないので、勇気・大胆な行動には当てはまらないのである。
問五 擬態語(様子を表した言葉)と擬声語・擬音語(声や音を言葉にしたもの)を区別する問題。
問六 次の段落で、引っ込み思案の原因も考えながら「結局」という言葉でまとめている字数ぴったりのところがある。
問七 「天秤」という言葉もヒントになる。左右で二つのもののバランスを取っているイメージが浮かぶだろう。直後の文で勇気と用心深い配慮という相反する性質の同居について述べている。最後の方に7字の部分がある。
問八 「大丈夫だった」の空欄Xはやはり「安心」であろう。もうこれで選択肢がひとつに絞れる。もちろん、他の空欄も確認する。
問九 経験を重ね、安心感や満足感を積み上げていくことが次の行動を生むと述べている。
問十 「があること。」につながる部分という条件が大きな手がかりになっている。B君の例は、小学校でのクラス委員の経験は引っ込み思案克服のチャンスにはならなかったが、中学校での自然な成長と野球部の経験でB君らしく自分を外に表せたということを述べている。大人が急いで判断しなくても良いという例である。
<時間配分目安:23分>
【大問二】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:27分
- ★必答問題
他界した兄との思い出・自分の学生時代の回想、それらを息子とのキャッチボールに重ね合わせた主人公の現在の想いが描かれている。
問二 A.たった一度だけの地方予選の決勝進出。めったに訪れない優勝できるチャンスのことなので、千載一遇がふさわしい。
問三 主人公は他界した兄に追慕と尊敬の念を抱いている。好きなもの・優れたものを意識して名前をつけたのだから、「あやかる」がふさわしい。
問四 息子は現在高校生である。そこに、主人公の兄との思い出・主人公の中学生時代の回想・息子の中学生時代についての回想と、主に4つの時代が入れ替わり描かれるので、しっかり場面分けして混同しないようにしなければならない。ここは主人公と同じ「壁当て」を息子がしていた場面なので、息子が中学生だった時の回想シーンということになる。
問七 情景が意味するところを考えたり、そこに込められている人物の気持ちを想像したり、文学的文章では常に情景に注意をはらおう。
問八 「激しくて痛い」という表現は、主人公が兄としたキャッチボールの場面の「無言の、静かな、しかし激しい会話」と繋がっている。息子とのキャッチボールで蘇った想いがあったのである。そこに触れてまとめればよい。
問十 問四とも関連しているが、場面分けで時系列をしっかり整理して考えよう。
<時間配分目安:27分>
攻略のポイント
選択肢の問題は、比較的答えやすい問題が多い。書抜き問題も探す範囲が広い点は手間がかかるが、読解がしっかり出来ていれば答えられる。漢字と合わせてこの範囲の問題でしっかり得点を積み上げよう。その上で記述問題でもなるべく高い得点になるよう、過去問・類似問題で記述によく慣れておこう。
高偏差値の学校としては国語の試験は難易度が抑えられている。高得点での戦いが予想されるので、全体をしっかり考えられるスピードと不注意なミスを犯さない慎重さとを身につけておかれたい。
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