城北埼玉高等学校 入試対策
2016年度「城北埼玉高等学校の国語」
攻略のための学習方法
長文読解
例年、文学的文章と説明的文章の計2問が出題される。古文・漢文は出題されていないので、古典を苦手とする人には受けやすい学校である。
選択肢・穴埋め・抜き出し・空欄補充・並べ替えと設問の形は多彩であるが、長い記述問題などは見られず、オーソドックスな試験であると言える。選択肢問題が多く、書き抜きが数問といった割合になっている。
難易度についても特別な難問は出されていない。選択肢の内容も無理に迷わせるようなものは無く、適正な実力があれば正解できる、クセのない試験問題となっている。
したがって、特別変わった対策を取る必要は無い。小説や論説文の読解の基本に則った訓練を積めば良い。
文学的文章ならば、やはり普段から数多くの小説に触れ、さまざまな登場人物の考えや行動を体感しておくことである。読書を通じて多種多様な考え方や物の見方に触れておくこと、いわば「人間心理体験」のようなものを積んでおくことが、人物の心情理解に役立つのである。
その上で、長文読解の技量を磨く。時間経過や登場人物の変化で場面・段落の変わり目をマークする。人物・筆者の言動や表情をチェックし、気持ちや筆者の考えを汲み取る。そこから作者・筆者の言いたいこと・主題に迫る。その際、印や下線を使って重要点をすぐ探せるようにしておくと、時間短縮できる。
説明的文章はやはり論理の流れを見誤らないことが重要である。自然科学・社会科学に関する本などを、序論・本論・結論や、段落のつながり、細部説明と要点の区分けなどを意識しながら読んでみると良いだろう。
そして実践。形式段落と意味段落の整理、この時、意味段落の内容をまとめてタイトルとしてつけてしまうとわかりやすい。段落の最初と最後に特に注目しながら要点を確認、それらをまとめて要旨・結論を抽出。本文を読み進めながら印・下線を用いて目立つようにしておくことはここでも有効である。
同じような出題傾向の学校も多いので、他校の過去問なども良い練習になる。同レベルの入試問題などもこなして、長文に慣れておいていただきたい。
文章量
平成26年度では、小説文3600字・論説文3900字の計7500字となっており、近年文章量が増える傾向にある。他の難関校でも同様の傾向が多く見られるので、文章を読むスピードは重要である。過去問に取り組む時はもちろん、普段の読書においても、意識して速く正確に読む訓練をしておかれたい。
本校の場合、使われる文章の難しさはさほど難解なものではないので、無理に大人向けの書物に挑戦する必要は無いだろう。高校生対象レベルの本で自分の興味の持てる内容のものを多く読んで、よく現れるテーマやストーリーに触れておくと良い。
知識問題
長文読解の問題と合わせて語句の意味や文法などの知識問題も出題されている。基本レベルで良いので、しっかり練習しておくこと。
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2016年度「城北埼玉高等学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
現代文の読解2問で合わせて約7500字。総解答数は40問。漢字の読み書き6問は1~2分で済ませ、残りは長文読解に当てることになる。
長い記述問題は出題されないので、解答に大きく時間を取られる場面はないと思われる。
素材文を速めに読み、要点のハイライトが上手く出来ていれば、大幅に時間が足りなくなることはないだろう。
【大問一】漢字の読み書き
- 時間配分:1~2分
書きだけの学校もあるが、本校は読みも出される。
【大問二】小説文の読解
- 時間配分:20分
キーパーとして初めてゴールを任された主人公の緊張と不安が主人公の視点から語られる。先輩や他のメンバーとの関係に注意しながら読み進める。
問一 語句の意味など、言語事項は長文問題の中で出題される。
問四 初試合の緊張と自信の無さから身体が固まってしまって動けない様子が繰り返し述べられている。「○○を置いても」という表現もヒント。
問七 主人公の起用が発表された時のチームメイトの様子。主人公の実力不足は皆も感じているようだが……。その後の進藤の発言や試合中の言動も考慮して選択肢を吟味する。
問十 傍線(4)のあとに「そんなふうに思えなかった」とあるが「そんなふう」とはどのように考えようとしていたのか。
問十二 「夢のような」や「テレビの中の出来事」といった表現は、現実感の無さを描いた場面でよく使われる言葉である。いわゆる「アガってしまった」状態で冷静さを欠いている時も人はこのように感じるものである。
問十三 「これで目が覚める」の「これ」とは何か。「ああ」という返事はどちらの誰の言葉に対する返事なのか。
【大問三】論説文の読解
- 時間配分:28分
前半と後半で扱われているテーマが異なるので、正解を探す際にはっきり意識する。また、言語事項の問題がこちらでまとめて出されている。
問二 文学史の問題も少しだが出題されている。
問四 大問2に続いてここでも語句の意味が訊かれている。
問五~問八 助詞や接続詞など、文法や言葉の知識がまとめられている。「ない」の区別などはよく問題にされる。言語事項なども手を抜かず覚えておく。
問十・問十二・問十三 この3問は関係している。「おもしろい問題」が行き過ぎた結果「別の問題」が生じたというのである。その反動もあり、現代短歌でまた別の問題が生じてしまっている……と続く流れを辿れたであろうか。
問十四 「本文の内容に合っているものを選べ」という問題は、なにも結論・要旨部分にばかり正解があるわけではない。文中にはっきり書いてあることかどうかで予断なく選ぶべきである。
攻略ポイント
古文・漢文が出題されない試験であるだけに、現代文読解の得意な生徒が多く受けることは予想される。形式・内容ともにスタンダードな試験なので、堅実な長文読解力を養って臨むのが得策である。今後、文量がさらに増える可能性もあるので、4000字程度の問題2問を45分程度でこなすスピードを身につけておきたい。
また、問題数は多くないが文法など言葉の知識も出題されている。標準レベルの問題集で良いので言語事項なども油断なく学習しておくこと。