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渋谷教育学園幕張高校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「渋谷教育学園幕張高校の数学」
攻略のための学習方法

基本問題から標準・ハイレベルまで非常にバランスのとれた出題範囲となっている。図形編はいうまでもなく、数量編の問題についても数学的発想が求められる問題がある。
さらに大事なことは、『数学的発想』言い換えれば『正解へ至るアプローチの見通し』である。この『見通し』には様々あり、どのような方針(見通し)を立てるかで正解へ辿り着く道のりが平坦なものになるのか、それとも茨の道になるのかが左右される。それはあたかも、山の頂上が一つであるがその頂上に至る方法は幾通りもあるかのようなものである。
特に、渋谷教育学園幕張高校のようなレベルの高校においては、合格点を取れるかどうかはこの『見通し』を的確に立てられるかどうかにかかってくる。

では、どうすればそのような『見通し』を自分のものにできるのか。
結論から言えば、
①最後まで自分頭で考え抜く、
②必ずエンピツを持ち紙に解法を書き出す、
ということである。

①は非常に重要である。よくあるパターンとして、解答を出す最後のところで中々上手くいかず、いいアイディアも浮かばない状態で『解答』を思わず見てしまうことを経験した受験生も少なくないであろう。そこは我慢をして、最後まで自分の頭で考え抜くのである。
スタートの考え方は正しかったのであろうか、どこかで単純な計算ミスはしていないだろうか、問題が求めている内容は自分が認識している内容と相違していないのか、ということを突き詰めて吟味しなければならない。この作業を疎かにすると、いつまでたっても正解へ向けた『見通し』を身に付けることはできなくなる。思わず正解を見たいという『誘惑』に負けることなくそれを打ち破り、時間が掛かってもいいので『自分の解答』を出さなければならない。

②については、要領の良い受験生は数学の問題が分からなくなると『正解』を見て、考え方のプロセスを目で追って『理解したつもり』になってしまう『落とし穴』にはまってしまう。
ある意味で『数学はスポーツ』である。必死に紙に向かって鉛筆を走らせ、汗をかき、這いずり回ってでも正解(ゴール)に辿り着く。その姿は、あたかも過酷な道のりを走り切るマラソンランナーのようである。したがって、必ず『鉛筆を持って』、問題に向かい『自分の頭』で考え抜くということである。

そのような学習姿勢で数学の学習に臨み、渋谷教育学園幕張高校の合格を勝ち取るために、必ず次の分野についてはしっかり事前準備を行って欲しい。

数式の計算(文字式、方程式、因数分解、基本対象式、有理数と無理数)、平面図形(相似、三平方の定理、相似比に基づく求積)、立体図形(切り口、体積などの求積、回転体、表面積)、場合の数と確率が大事である。特に、立体を回転させイメージの中で問題の意図を把握できる理解力の訓練が重要である。

ハイレベルの問題にどんどん挑戦して貰いたい。
受験生の健闘を祈る。

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2016年度「渋谷教育学園幕張高校の数学」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1は、独立小問群である<12分>。スピーディーで正確な計算力が求められる。さらに(2)・(4)では、さまざまな切り口で問題を解きほぐしてもらいたい。
大問2は、数の性質を用いた数列の問題である<10分>。柔軟な思考力と規則性を見抜く力が必要である。
大問3は、一次方程式の応用である<10分>。与えられた条件整理と迅速な立式ができるかがポイントである。
大問4は、相似証明を用いて解く問題である<6分>。
大問5は、空間図形に関する問題である<12分>。三平方の定理や相似の定理をあてはめる。

【大問1】

  • 時間配分:12分

小問題群である。正確で迅速な計算力が求められる。

(1)
①数の性質の問題<1分>。平方根内がある数の2乗になるように考える。
②素数とは何かを考える問題<2分>。計算ミスなどのケアレスミスをしないように。

(2)数の計算に関する問題である。
①定義された各記号の定義をしっかり把握し問題を解くこと<2分>。
②与えられた[ ]と< >の計算手続きの手順をしっかり把握すること。

(3)は場合の数の問題<2分>。
落ち着いて条件を把握すれば、それほど厄介な問ではないだろう。

(4)図をかいてイメージを明確にして問題を解くこと<3分>。

【大問2】

  • 時間配分:10分

整数の性質に関する問題である。任意の事象を抽象的に思考する訓練をしておくことが必要である。

(1)条件をしっかり把握すること<3分>。
規則性を考え所与の数列がどのような内容の数列であるのかを手際よく把握すること。

(2)抽象的な概念として数列をとらえ一般化する<7分>。
数列の一般的抽象化において重要なことは、具体的数字をあてはめて書き出してみるということである。その過程で、数列の規則性が見えてくる。

【大問3】

  • 時間配分:10分

1次方程式の応用問題である。

(1)貨物列車の速度をx㎞/時とすると特急列車の速度は1.5x㎞/時となる。また、本文において様々与えられた条件を整理し、式を立てられるかどうかが本問のカギである<2分>。

(2)条件をしっかり読んで内容を把握し確実に方程式を立てたい<4分>。

(3)一次方程式の応用問題である<4分>。
立式する方程式は分数を含む少々複雑なものになる。正確な計算力が必要になる。

【大問4】

  • 時間配分:6分

平面図形における円と直線に関する証明問題である<6分>。

△PAD∽△PCBであることから正解を導くこと。

【大問5】

  • 時間配分:12分

空間図形(立方体)に関する論証問題である。

(1)三平方の定理を用いた求積問題である<2分>。
与えられた立方体の中に正解を得るための直角三角形を見つけ出し、三平方の定理をあてはめ△PQRの面積を求める。

(2)垂線の長さを求める問題である<3分>。
平面図形における様々な定理(平行線における錯角・相似の考え方)を適用し問題を考える。

(3)体積を求める問題である<3分>。
本問のような類の問題は、立体をどの方向から見るかで勝負が決まる。

(4)球の半径を求める問題である<4分>。
直角二等辺三角形を見つけ出し、求めたい球の半径との関係を考えること。

攻略ポイント

ポイントはズバリ、関数と空間図形である。関数については、2次関数(放物線)と1次関数(直線)との関係に関する問題、つまり、2点で交わったときの座標、座標平面にできた平面図形を回転させたときの体積・表面積はよく練習をしておくべきである。
また、放物線と直線との交点はxに関する2次方程式を解くことになるので、2次方程式で使う事柄(解と係数の関係、平方完成など)をしっかり理解し、関数の世界でも自在に操れるようにして欲しい。
また、空間図形に関しては、切り口やある一部を切り取った残りの立体に関する問題(体積や表面積)も入念に練習を積み重ねて欲しい。
その際には必ず、紙を用意しエンピツをもって、実際に答案を仕上げるようにすること。なぜなら、実際にエンピツを使って手を動かさず、頭の中だけで手順をいくら繰り返しても全く自分の力にはなっていない、ということである。ですから、上位校を受験する場合には、必ず手にエンピツをもって紙に解法を書いてみる作業の手間を惜しんではいけない。

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