早稲田大学高等学院 入試対策
2016年度「早稲田大学高等学院の英語」
攻略のための学習方法
[語彙力は英検準2級を目標にする]
語彙力(単語・熟語・アクセント・発音など)は、中学3年生の夏終わりまでに、英検の準2級の水準に達しておきたい。
そのためには、中学生の早い時期から、受験から逆算したスケジュールを組もう。例えば、中学1年生の冬から始めるのであれば、中2の夏に4級を、中2の冬に3級を、そして中3の夏に準2級という順番で、語彙力を高めていこう。大事なのは、計画的に学習を進めていくことであり、反対に、してはいけないのは、短期間で無理に語彙力を上げようとすることだ。
この点で、家庭教師が役に立てるのは、意志の弱い生徒や、計画性のない生徒に対してだろう。どの生徒も、語彙力を高めなければいけないと、頭では、理解している。しかし、理解していながら、行動に移しているのは、3割にも満たない。中学生という年齢は、誰かの後押しがないと、学習しにくい年頃なのかもしれない。すでに大人になった先生の目からは、そう見える。
生徒と一緒になって、毎回の授業での小テストや、宿題を細かく設定していけば、語彙力は必ず上がる。受験にむけて、早めに動き出そうとしている生徒は、ぜひ、声をかけて欲しい。
[文法書は2冊仕上げる]
文法力については、同じ難易度の教材を、2冊用意しよう。1冊目は、受験に必要な文法の単元を演習するための教材で、中学3年生の7月までに仕上げたい。2冊目は、模試や過去問で間違えた単元を演習するための教材で、中学3年生の12月までに仕上げたい。
同じ文法の範囲を、異なる教材で演習することで、受験に必要な対応力が身につく。知識の暗記はもちろん重要だが、知識の暗記だけでは、問われ方が変わると、間違えてしまう。
例えば、早大学院の志望者は、【大問1】の(Ⅲ)と、【大問2】の(Ⅲ)(Ⅳ)で、満点を取れるようになっておきたい。そのためには、ただ熟語・構文・文型を丸暗記するのではなく、さまざまな角度から演習しておく必要がある。
[英語文化の教養も学ぶ]
英語文化の教養があれば、長文が読解しやすくなる。
例えば、早大学院では【大問1】が英国の国民的スポーツであるサッカーを描いており、【大問2】が個性を重んじる西洋の教育と、儒教の伝統を持つ東洋の教育を、比較している。いずれの長文においても、英語文化の教養を積極的に学んできた経験が、読解を助けることになる。
読解力と教養を、同時に学べる教材は、数多くある。学習時間に余裕がある生徒は、家庭教師におすすめを紹介してもらうといいだろう。
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2016年度「早稲田大学高等学院の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は50分で、得点は100点満点だ。大問数は2問で、設問数は50問と多い。
長文を読み進めながら、細かな設問を埋めていくことになる。答案作成において、速度と正確さが同時に要求されている点は、早稲田系の学校の共通した特徴だ。
【大問1】長文読解(物語文・会話文 約900語)
- 時間配分:
息子の目から見た作家の父の存在が、題材になっている。はじめに提示される長文に加えて、設問文にも英文があり、かなりの語数を読みこまなくてはいけない。
(Ⅱ)英文の細かな表現が読み取れているだろうか。
(Ⅲ)適語補充の設問で、文法力が問われている。ここを失点してしまったら、文法書をやり直そう。
(Ⅴ)長文を何度か見直さなければいけないので、時間がかかる設問だ。いったん飛ばしてしまい、時間の余裕があれば、あらためて解いてもいいだろう。時間を浪費してしまわないように、判断力が大事だ。
(Ⅵ)受験者の語彙力が試されている。
(Ⅷ)受験者の読解力が試されている。選択肢がわかりやすく〇と☓に分けられていないので、言葉の細かな表現が理解できていないと、自信を持って解答できない。ここを失点してしまった場合は、読解力が不足しているので、長文の演習が必要になる。
(Ⅸ)内容が独立しているので、実質的にはもうひとつの大問となっている。時間が残り少なくなっていたら、ここの部分だけでも解いてしまおう。
<時間配分目安:26分>
【大問2】長文読解(説明文 約800語)
- 時間配分:
近年、教育で注目を浴びているシンガポールを題材にして、東洋・西洋の教育の特徴を述べた文章だ。言葉の細かな表現を押さえながら、読み進めたい。
(Ⅵ)熟語の知識もしっかりと補強しておきたい。
(Ⅺ)受験者の読解力が試されている。選択肢がわかりやすく〇と☓に分けられてはいないので、言葉の細かな表現が理解できていないと、自信を持って解答できない。ここを失点してしまった場合は、【大問1】の場合と同じく、読解力が不足していると考えよう。
(Ⅻ)受験者の語彙力を試されている。「method」「develop」「realize」「knowledge」「foundation」など、中学英語の範囲を超えて、英検の準二級の水準の語彙力が求められている。
<時間配分目安:24分>
攻略ポイント
語彙力と文法力と読解力の3つが、高い水準で要求されている。
長文の総語数は、約1700語と、一見かなりの文量にはなるが、長文をすべて読まなければ解答できない設問は少なく、実質的には語彙力・文法力だけを問うている設問も多い。したがって、語彙力・文法力を完成させたのちに、じっくりと読解力を高めていけば、計画的に合格点に達することができる。受験者に求められている学力が、明確に示されている試験構成なので、早めに対策を始めておきたい。