中学受験に対する「自覚」を子どもに持たせる方法とは?
保護者様からのご相談
「塾に通うようにはなったが、あまり身を入れて勉強しているようには見えないのですが、大丈夫でしょうか?」
「子どもに受験したいか尋ねてみても、返事があいまいだったり、無言になられてしまって、保護者としては張りあいがないのですが・・・」
具体的な未来を見せてあげてください。
子どもは大人ほど知能が発達していないため、将来のことを真剣に考えたがりません。極端なお子さんは、今が楽しければそれで良いと本気で信じてさえいます。このようなお子さんの楽観は、ときに親御さんを苛立たせます。
そこで、お子さんが自分の未来像を描けるように、親御さんが積極的に情報を提供する必要があります。
子どもの好奇心を受験に向ける3つの情報
お子さんに伝えたい情報とは、「学校見学」「学校出身者」「学校で学べること」の3点です。
これらの共通点は、お子さんが脳裡に(あたかも映画の場面のように)想像できることです。さらに、実際に入手しやすい情報であることも重要です。親御さんの立場からは、学校見学という形で、お子さんに学校の建物を見せ、雰囲気を感じ取ってもらうことができます。また、学校出身者は実在の人物なので、調べることができます。さらに、学校で学べることは、部活や旅行などのように、具体的な写真として残されています。
反対に、お子さんに抽象的な伝え方をしても、効果は限定的です。「将来に役に立つ」「いい子になるため」「みんながやっているから」などといっても、納得しないお子さんの方が多いです。
中学校生活を具体的にイメージするきっかけは学校見学から
私は、受験の早い段階で、まずは学校見学に行くことを、ご家庭におすすめしています。
その際に、1校ではなく、手間にはなりますが、必ず複数校を見て回るようにしてくださいとお願いしています。1校だけでは、中学校にはさまざまな違いがあるという点が、お子さんには伝わりにくいです。複数校を巡ることで、学校ごとに個性があることを理解してもらえると、お子さんが自ら中学校を選ぼうという意志が生まれやすいです。
同様に、学校出身の有名人の話をしてあげると、子どもは喜びます。例えば、「有名な○○さんは、今こそ□□だけど、子ども時代は△△だった」というお話が、子どもは大好きです。子どもは、自分と同じ年齢の人間がしている行動に、影響を強く受けるからです。
最後に、中学生の生活について、小学校との違いを踏まえながら伝えます。「科目ごとに先生が変わる」「いろんな家庭環境のライバルがいて、刺激を受ける」「部活と勉強のバランスで悩む子がいる」などなど、1,2年先のお話だと、お子さんも想像しやすいようです。
指導で実施していること
長い勉強時間には、休憩時間も必要です。私は、生徒の集中力が途切れてきたと感じたときに、すこし先の未来のお話をしています。
子どもの目線で話すことが大切です。
お子さんに中等教育のカリキュラムや進学実績などはわからないので、お子さんの目線で話すことを心掛けてください。