明治大学付属中野高等学校 入試対策
2015年度「明治大学付属中野高等学校の数学」
攻略のための学習方法
明大中野の数学で、志望者がとくに意識して身につけておきたいのは3点だ。
1つめは、「計算の工夫」だ。
【大問1】に顕著だが、計算の工夫を思いつけるかどうかで、解答時間が大きく異なってくる。力技でこつこつ計算しても正答できるかもしれないが、他の設問を解くための時間がなくなるはずだ。【大問1】と【大問2】を合わせて25分を超えてしまう場合は、要注意だ。
志望者は、基本的な計算を理解したら、より高度な問題にも挑戦しておきたい。他の難関校の計算問題にも触れておきたい。いきなり手を走らすのではなく、じっくりと解法を考えてから計算する技術を身につけていこう。
2つめは、「途中式をしっかりと書くこと」だ。
中学の数学では、数値を求める出題がほとんどで、問題を解いていく過程があからさまに問われるのは「証明」や「作図」だけだ。したがって、志望者は、たとえ数学の点数が良くとも、途中式までは問われていない可能性が高い。明大中野を志望するなら、まずは普段から途中式を書く習慣を身につけておきたい。できればすべての単元で、実行していきたい。なぜなら、途中式を問われてきた単元は、「方程式の文章題」だけではなく、「関数」や「図形」にも及んでいるからだ。単元をあらかじめ限定して途中式の訓練をすることは、無謀だ。安定して合格点を取れるように、早い段階から準備していこう。また見直しに備えて、式や図を丁寧に書いていくことも意識したい。
3つめは、「図形を完璧にする」ことだ。
明大中野の数学は、図形の単元からの出題の比率が高い。例えば、【大問2】の(設問2)と(設問4)から(設問6)、【大問6】などの設問が、図形の解法に習熟していることを求めている。合格点を考えれば、図形単元から逃げることはできない。
さらに注目したいのは、出題されていない図形単元はほぼないことだ。平面図形からは「直角三角形の発見」「相似図形の発見」「平行線と線分の比」「円と円周角」、立体図形からは「立体図形の展開図」と「表面積の計算」が出題されている。中学の図形の単元の全てが問えるように、一問一問が凝縮されている。狙われる単元を限定できないのだから、志望者は単元に漏れがないかどうか、きちんと確認して徹底的に演習をこなしていってほしい。特に図形に苦手意識を持っている場合は、早めに対策を練っておきたい。くれぐれも、解法を暗記するだけで終わらないようにしてほしい。
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2015年度「明治大学付属中野高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は50分で、得点は100点満点だ。すぐに解法が思い浮かばない設問は、1周めでは飛ばそう。2周めに見直しをしながら、再び取りくむのがよいだろう。設問数は少なめなので、じっくりと取り組み、計算の見直しにも時間をかけることができる。ゆったりとした試験構成だ。
【大問1】小問集合
- 時間配分:7分
計算分野からの出題だ。
(2)数字がややこしくなるので、見直しは必ずしておきたい。
(3)計算の工夫によって、時間を短縮できる。
(4)因数分解は、応用までしっかりと演習しておこう。
【大問2】小問集合
- 時間配分:14分
計算分野以外からの出題がまとめてある。
(1)関数の基礎の理解が求められている。
(2)円周角の理解が求められている。
(3)確率の単元からの出題で、設問文をきちんと理解する必要がある。確率を丸暗記で解いていた受験生は、手が止まったはずだ。
(4)平面図形の分野から、相似の単元の出題だ。
(5)平面図形の分野から、三平方の定理の単元の出題だ。
(6)立体図形の分野から、展開図の単元の出題だ。組み立てた展開図を正確に作図できるかどうかで、受験者に差がつく。
【大問3】連立方程式
- 時間配分:8分
連立方程式の文章題の単元からの出題だ。
(1)と(2)いずれも記述が求められ、受験者に差がつく。方程式を立てるだけではなく、どのように設問文から思考したのかを、記述できることが求められている。計算の数値だけが合っていても、記述がしっかりと書けなければ満点とはならないので注意したい。書き方がわからない受験者は、個別に対策をしておく必要がある。
【大問4】連立方程式
- 時間配分:8分
連立方程式の文章題の単元からの出題だ。
(2)【大問3】と同じく記述が求められているが、注目したいのは、与えられている解答用紙の余白の大きさが異なる点だ。記述の設問は、何をどこまで詳しく書けばよいのか、迷う。その場合に、1つの目安となるのが、与えられた余白となる。ここでは連立方程式を計算していく過程を、細かく記述していくことが求められている。
【大問5】グラフと関数
- 時間配分:6分
(2)ふたつの直線の直交条件を理解しておくと、すばやく解答できる。
【大問6】平面図形
- 時間配分:7分
「相似」と「線分の比」の単元からの出題だ。
(1)隠れている相似の三角形を発見しよう。
攻略ポイント
標準的な解法の設問は少なく、応用的な解法が求められる設問がほとんどだ。解法が立てられない設問があるかないかで、まずは受験生に差がつく。したがって、受験者は難易度の高い問題集を選んで、じっくりと演習に取り組んでおく必要がある。教科書の水準の解法だけを理解しているだけでは、ほとんど通用しないだろう。数学を深く理解しようとする受験者に有利な試験構成で、丸暗記で数学を乗り切ろうという甘い考えは、早めに捨てておきたい。