中央大学杉並高等学校 入試対策
2015年度「中央大学杉並高等学校の数学」
攻略のための学習方法
全体的に標準的な問題が多く、極端にひねられた特徴的な問題は少ないので、比較的取り組みやすいテストと言えるだろう。
合格者平均は6割程度であるが、例年合格者平均は高得点で推移しているので、ミスなく確実に得点し、満点に近い答案を作る意気込みで臨みたいところだ。
そのためのポイントを以下にまとめておく。
(1)確実な計算力
1問の配点が高いことを考えると、小さなミスは決して許されない。極端に難解な計算は要求されないので、焦らず丁寧に答えを導く習慣をつけておきたい。
(2)自分で図解する習慣
早慶レベルではよくあることだが、すべての図形の問題に図がついているとは限らない。自分で問題を読んでそれを正確に図示し、それをもとに解答させる問題も出題される。日頃から図形の問題も図ありきで問題集に書き込んで考えるのではなく、自分でノートに書き出して正答を導く練習をしておこう。
(3)記述力
論理立てて式を作り、必要事項を限られたスペースに簡潔にまとめる記述力が必要。数学的記述は一朝一夕にできるものではないので、証明問題に限らず、関数や方程式の問題でも証明を書くような感覚で説明と数式をバランスよく書く練習をしておこう。
万が一途中にミスがあったとしても、部分点として加味されることもあるので、1点でも多く得点できるよう、条件を整理して自分の考えを明確に書き出せるように練習しておくことが必須である。
方程式、関数、図形の問題は中3で学習することが中心に出題されるが、中1~2で学んだ内容はそれまでの基盤として当然必要になる。
よって、問題集でよく扱われている「典型問題」を幅広く扱い、今までの内容の復習と並行して解法の基本パターンを身につけておくことで、対応できる幅がかなり広がるだろう。マイナーな問題にまで固執することはないので、難関高校向けの塾のテキストや問題集を、丁寧に自分で書き出して仕上げる練習をしておくことが大切である。塾で取り扱いのある「新中学問題集」なら、「発展編」を主に演習するといいだろう。
良問揃いなので、過去問演習はぜひともやっていただきたい。その際はただ答えを出すのではなく、きちんと記述式で答案を作成する練習もお忘れなく。記述は思った以上に時間がかかる。「やり方はわかったけど答案に書く時間がなかった」とならないように、時間配分の感覚を、過去問演習を通して磨いておく必要があるだろう。
見やすい答案を作成し、「満点を目指す」くらいの気概で取り組んでいただきたい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2015年度「中央大学杉並高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
極端な難問はないが、どの問題も基本レベルというよりは標準からやや難関レベルで統一されており、そのかわり問題数はおさえられている。
問題数が少ない分各問の配点が高いので、確実に得点していく得点力が要求される。計算がやや面倒なところがあるので、確実に処理できる計算力をつけておきたい。
【大問1】独立小問集合
- 時間配分:35分
問1.式の値の問題。
一方の文字をもう一方で表し、代入法によって解く問題。
文字は最終的に消えるので、恐れず代入して計算する判断が必要。
2分。
問2.√が含まれた2次方程式の計算問題。
普段見慣れない形なので面喰うかもしれないが、計算を進めるとうまく消去できるので、躊躇せずにやってみる姿勢が必要。
2分。
問3.関数と図形の融合問題。
120°に注目し、垂線を引いて1:2:√3の三角形ができることに気付ければそれほど難しくないだろう。
2分。
問4.2次方程式の文章題。
やや処理が面倒になって式を立てるのに苦労するかもしれない。
食塩水の量と食塩の量をきちんと整理し、ひとつひとつ着実に求めていく姿勢が必要だろう。
5分。
問5.確率。
3回で終了になるのは、「1回目と2回目で異なる数字が出て、3回目は1回目または2回目と同じ数字が出る」ときである。
高校数学の確率としては基本だが、中学生にとっては難しく見えるかもしれない。
3分。
問6.円に関する問題。
円周角定理、接弦定理をきちんと利用すれば難しくないだろう。
ここでも60°を利用して1:2:√3の三角形を意識することが重要。
4分。
問7.図形の相似。
線を延長させて相似の図形を作れるかがポイント。
補助線を引ければ相似な図形がたくさんできるので、辺の比が一気にわかって解答できる。
4分。
問8.図形(多角形)の問題。
問題条件から図形をイメージし、2種類見つけることができるかが難しかったのではないだろうか。
正八角形は、「正方形から四隅の直角三角形4つを切り落とすことによってできる図形」という認識を持っておいたほうがよい。
4分。
問9.円の応用。
各円の中心を結ぶことによって正三角形を作り、1:2:√3の三角形を駆使することで解答できる。
やや難問。
5分。
問10.図形(見えない円)の問題。
円周角定理の逆により、E,B,C,Dを通る円が見えるかどうか。
難しい問題だが、このレベルの学校では頻出問題。
4分。
【大問2】2次関数
- 時間配分:15分
問1.変化の割合の性質を使えばすぐに解答できるだろう。
2分。
問2.直線の方程式。これも基本問題。
2分。
問3.関数平面の直線の辺の比が、x座標の比に連動されることに気付ければPの座標がすぐに求められるだろう。
3分。
問4.座標平面上の三角形の面積。これも基本問題。記述を丁寧に書きたい。
3分。
問5.「等積変形⇒平行」の構図が見えれば、これもすぐに解答できるだろう。記述と計算を丁寧に処理したい。
5分。
攻略ポイント
全体的なレベルを考えたときに、問題の分量としてはさほど多くない。
今回は図形の問題で、1:2:√3の三角形が頻出されている。図形問題で、30°,60°,120°などの角度が出てきたら、即座に辺の比に変換して考えられる習慣が必須であろう。
また、1問における配点がかなり大きいので計算ミスやケアレスミスはなんとしても避けないといけない。ミスで泣かないためにも、日頃から正確な計算力と処理力を鍛錬しておきたいところである。