桐光学園高等学校 入試対策
2015年度「桐光学園高等学校の英語」
攻略のための学習方法
桐光学園の英語は英語の基本的知識と本質的な理解を幅広く問う内容的にはバランスのとれた良問である。
受験生としては制約ある時間内でこれだけの量の英文を読み設問を解ききるには、一朝一夕の勉強では太刀打ち出来ないことから、腰を据えて英語に取り組まねばならないだろう。「学問に王道なし」という言葉がふさわしい問題である。
もっとも、近道がないというだけで正しい合格への道筋を進んでいく事はできる。
以下、桐光学園の英語克服のための道筋を具体的にみていこう。
(1)発音・アクセント
普段から単語の勉強の当然の内容として発音・アクセントを取り入れるのが最も効果的だ。直前期にまとめのテキストをこなすだけでは本番で思い出せないことも多いし、また出題をカバーしきれないからだ。また、高校英語においても現在は新課程のもと実践英語を身につける授業が展開されつつある。高校では原則的に英語で授業が行われるようになっているのだ。意味がわかっても正しく読んだり聞いたりなければコミュニケーションスキルとして不十分なのは当然であろう。
(2)語彙・イディオム
桐光学園の空所補充・長文読解の単語・イディオムのレベルは公立中学で扱うレベルを超えている。そこで、高校受験用の単語帳に加え最低でも英検準2級用の単語・熟語帳を用いて補強する必要があるだろう。
(3)整序英作文・条件英作文
整序英作文については、長文中に含まれたものを合わせると5題で15点。最低でも3問は確実に正解したい。
桐光学園の語句整序問題を正しく早く解くためには、英文の基本構造を意識した勉強が必要だ。
「節と節を結びつけるためには接続詞が必要だ」、「他動詞は目的語を取らないと英語として成立しない」といった英語の原理原則を使えることで単に正しい答えを導けるだけでなく、速く答えにたどり着くことが可能になる。文法事項に範囲指定のない問題を演習することでこの実践感覚を身に付けよう。
条件英作文については、来年も基本的な表現が問われることが予想される。普段の勉強でも実際に手を動かして英文書く時間を必ず設け、ミスのない答案を仕上げるようにしたい。
(4)長文読解問題
例年、様々なジャンルの英文がその素材となっており、やや難易度の高いものも含まれている。
大問としては2つだが、その配点は全体の半分を占めているため、ここである程度の点数を稼がなくてはならない。
問われているのはほぼすべて内容把握であるため、いかに速く正確に、解答に必要な範囲での丁寧さで読めるかがポイントとなる。
普段の勉強としては精読と速読のトレーニングを意識して分けることが大事だ。
まず、精読に関しては、英文構造をある程度正確に分析できるようにするため、解説の詳しい問題集を進めていく必要がある。むろん、本番では全ての英文を丁寧に構造分析しながら読むのは時間的に不可能ではあるが、立ち止まって丁寧に訳さなければ訳がつかみにくいという部分が必ずあり、そしてその部分こそが英語力の有無を試すことが出来ることから、設問に絡みやすいのだ。したがって、どのような英文でもやろうと思えば英文解釈することが出来る力をみにつけなくてはならない。文法事項の一通りの学習を早急に終わらせ、英文法を英文を読むためのツールとして捉え直す必要がある。
次に速読に関してだが、やはり前から句・節ごとに訳し下していく練習が必要になる。きれいな日本語を作ろうとすると、いったん英文の後ろまで目を通して後ろから訳を作ることになり、結果的に一文を二度読むことになってしまい時間がかかりすぎてしまうからだ。
また、かなりのスピードで読み下していくことになるため、途中で話の流れを見失わないように、各パラグラフを読み終えるたび、そこではどのようなことが述べられていたのかを一言でまとめる習慣を身に付けよう。そうすることで、次の段落の内容が頭に入って来やすくなるのだ。いわゆるパラグラフリーディングである。
(5)タイムマネジメント
いかにそれぞれの問題形式について桐光学園合格に必要な学力が身についたとしても、過去問を用いて時間配分を徹底的に体に染み込ませなくては実際に本校に合格するのは難しい。前述した目安時間を参考にしながら、自分なりのタイムマネジメントを確立しよう。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2015年度「桐光学園高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は、全体で8つ。去年から出題された条件英作文も引き続き問われている。最後の2題が長文問題である。
発音・アクセント、会話文、語句整序、語彙類推など長文以外で問われることの範囲が広いのも本校の特徴である。
時間配分については、長文2題に30分残しておきたい。そのためには、そこまでの問題を素早く処理するための事務処理能力を身に付ける必要がある。
【大問1】
- 時間配分:2分
発音・アクセント問題。damageやsweaterなどの日本語化した言葉との発音・アクセントの違いやch”の読み方など典型的な問題が問われている。
知識の有無の問題であるため、素早く終えたい。
【大問2】
- 時間配分:2.5分
語彙類推問題。ある単語を英語で説明し、その単語が何かを問う問題。形式に慣れていないと戸惑う問題とも言えるが、説明文を落ち着いて読みさえすれば必ず思いつけるものだ。free、inviteなど問われる単語も基本的な単語である。
【大問3】
- 時間配分:4分
会話文完成問題。口語表現の知識の有無を問うというよりは、会話の流れを把握できているのかを問う問題。空所の前後の内容・英文形式をしっかり捉えることで答えが絞れる。
本校においては解きやすい部類の問題であるため、かなりのスピードで解きたい。
【大問4】
- 時間配分:4分
単文空所補充問題。一つの英文に空所が2つおかれており、イディオム・語彙・文法を問う問題。have only toやturn out to beなど高校受験としてはやや難易度の高いものまで問われている。
出来る問題と出来ない問題を選別し、不用意に時間をかけすぎてはいけない問題といえる。
【大問5】
- 時間配分:6分
語句整序問題が3問。前半戦の山場となる問題である。和訳は与えられておらず、並び替える語句も7語と多い。
答えを導くのに必要な知識に細かいものは要求されてはいないものの、「英文では節と節を結びつけるためには接続詞が必要である」といった英文の基本構造を正確に理解していないと答えにたどり着くまでにかなりの時間を要することになる。3問で9点の配点がなされているため、合否を左右する問題といえる。
【大問6】
- 時間配分:3分
条件英作文。一定の語句を与えられ、それらを用いて和文英訳するという問題。
去年度はやや口語の定型的な表現が問われたが、今年は完了形が正しく理解できていれば容易な問題であった。標準的な知識を正確に出力することが要求される問題である。
【大問7】
- 時間配分:15分
長文読解問題。標準的なレベルの説明文。
設問は9つで、空所補充・内容一致・記述説明問題などオードドックスなものであり、すべて内容把握が問われている。
英文レベルのわりにかけられる時間は多くないため無駄な2度読みをしている余裕はない。本文を読みながら解ける問題は解いていきたい。最後の内容一致問題も8つの選択肢が本文の流れに一致した形で作られているため、パラグラフを読み終えるごとに一つずつ選択肢を検討してみるのもひとつの戦略である。
【大問8】
- 時間配分:13分
長文読解問題。標準的な物語文。
読みやすい英文であることからかなりのスピードで読んでいきたい。設問は7つだが記述や文挿入があるため思っているよりも時間がかかるためゆっくり読み過ぎないようにしたい。脱文挿入の挿入すべき英文は本文を読む前に一度目を通しておくことで効率的に解くことが出来る。
攻略ポイント
桐光学園の英語攻略のポイントは大きく分ければ2つ。1つめは長文問題に入るまでの設問をいかに早く終えるかである。このためには知識の精度をあげ、知識で勝負できる問題には時間をかけず正答を導き出すだけの力を身に付ける必要がある。
そして、2つめは速読能力だ。本校では大問が8つあるのにもかかわらず長文2題に配点の半分が割り振られている。ここを攻略せず合格を勝ち取ることは出来ないだろう。英文を句ごとに前から訳をとり、パラグラフ間の内容のつながりを意識するというパラグラフ・リーディングの読み方を身につけなくてはならない。